東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 690
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309410999

作品紹介・あらすじ

あるときはスペインの浜辺でパエリャに舌鼓をうち、またあるときはカポーティのベイクドポテトに想いを馳せ、なべ料理に亡き夫を思い出す-食べることの歓びがあふれる素敵な一冊。『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』姉妹編。

感想・レビュー・書評

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  • 「パリの空の下オムレツのにおいは流れる」の姉妹編ということ。
    その出版から22年経っている。すっかり「オムレツの石井さん」と呼ばれるようになった。
    なんと、オムレツの店まで出してしまったらしい。
    外国に滞在し、日本から来た知り合いの旅行者たちに料理を振る舞っていた石井さんは、日本でも友人たちを呼んで食事を振る舞う。

    友人も呼ぶが、家族でもよく集まった。
    93歳で亡くなったお父上の思い出。同じ年に夫君も亡くしている。
    ニューオリンズへ旅に出た。
    『聖者の行進』はお葬式の時に演奏するものだと知った。
    もとから偏食で、病気のあとさらに偏食になった夫が食べていたものは、思い出して悲しくなってしまうから食べられない。
    それはもう作らなくていいいのよ、私は食べないから、とお手伝いさんに言うのが悲しかった。
    亡き夫が出張でよく行っていたクウェートに招かれてディナーショーをした。
    悲しくて旅に出る。悲しくても歌う。悲しくても料理をする。
    旅と歌と料理、それが石井さんの人生である。
    そしてまた生きる力が湧いてくるのだ。

  • シャンソン歌手の石井好子さんの食べ物エッセイ
    出てくる料理は基本洋食で、どれもお洒落。日本ではちょっと珍しいメニューも。家族や友人と囲んだ食卓の話、映画に出てきた印象的な食事シーンの話も。
    石井さんの作る料理のレシピも書かれているが、自分にはちょっと手間がかかるな…という印象。しかし、楽しそうに料理し食べる様子が見えてくる。読むだけでも充分美味しい1冊。

  • 20170504 入院中に読んだ。退院して何か美味しくものを食べたくなる。文章が上手で読んでいるだけてお腹が満たされる。変に空腹を感じさせるのではなく食べた気分にさせてくれるのがすごい。又、簡潔なので自分でも作れる気分にさせてくれるのも良い。

  • 石井好子さんのお料理エッセイ第2弾~!

    こんどは旅先の外国のお料理がおおかったような
    あいかわらずおいしそうです
    作り方とかもしっかりみてるなあっていう食への愛が感じられる!
    石井さんはわりとおいしくないものはばっさりおいしくないっていうなあって思った 
    本当においしいの味をたくさん知ってるからだろうな~ 
    うらやましい
    わたしだったらなんでもおいしいって言っちゃうと思う

  • 20230523再読。
    確かに「巴里の空の下〜」よりも文章の練度が上がっている気がする。なんで文章だけでこんなにいろいろな料理を美味しそうにかけるんだろうな…。多分本人がよく料理を作る人だからだろうな。それと、色んな人と一緒に過ごす時間が好きという気持ちが伝わってくるからかもしれない。


  • バターとこと、バタって、可愛い響き!
    サラダ・ドゥ・リというご飯のサラダが気になったので、作ってみたい!あたたかいご飯のサラダとな〜

  • 『巴里』では著者のシャンソン歌手時代の話が中心で、外国で食べたものや、仲間に振る舞った料理の話がメインだった。
    けれど、『東京』では日本食の話が多め。しかも“すべて手作り”の前作とは違い、出来合い料理や冷凍のパイシートを活用しており著者の料理に対する変化が読めて面白い。
    また、『巴里』を書いた理由や、亡くなった夫と父親の話も織り込まれているので、前作とは違う読み応えがある。リンクしているところもあって正に姉妹本。
    本書単体でも十分愉しいが『巴里』→『東京』と読むことをオススメしたい本でした。

  • 美味しそうな、異国の料理の数々。
    旅先で出合った一皿を、こんなふうに描写できるってすごい。作ってみたいな、いつか食べてみたいな、という料理で溢れている一冊。

    南フランス、エズのシェーブルドールが出てきて感激。

  •  とにかく美味しそう!世界各国で歌い、様々な国の友人を持つ著者ならではのエッセイ。
     外国のレストランで食べた一皿や友人が作ってくれたお国自慢料理、偏食だったご主人のために作った一品等、どの料理にも素晴らしい観察眼と舌の記憶が発揮されており、こちらの想像力と食欲が刺激されること請け合いである(笑)
     

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著者プロフィール

1922年東京生まれ。52年、パリでシャンソン歌手としてデビュー。各国の舞台に出演し、帰国後はエッセイストとしても活躍。『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』(河出文庫)等著書多数。2010年逝去。

「2020年 『いつも夢をみていた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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