NOVA 6---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 191
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309411132

感想・レビュー・書評

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  • 宮部さんの作品に限定するなら星5つでした。

    最近のSFは「サイエンス・フィクション」からは離れているのでしょうか。こういうのがSF?と思いながら読みました。たぶん私にはついていけない。

    ということで宮部作品。
    リーダビリティからいっても群を抜くものがあります。SFならではの特殊な用語や設定の説明が非常にスムーズで無理がない。そしてその設定が突出するのではなく、きちんと物語の基盤になっているのです。その上で「保安官の苦悩と悲しみ」が描かれている。人のもつ普遍的な哀しさ、愚かさまで想像させる筆致はさすがだと思いました。
    最近時代物が多くなっている宮部さんですが、「ドリーム・バスター」などのSF作品もまた読みたいものです。

  • 斉藤直子「白い恋人たち」
    七佳弁京「十五年の孤独」
    蘇部健一「硝子の向こうの恋人」
    松崎有理「超現実な彼女 代書屋ミクラの初仕事」
    高山羽根子「母のいる島」
    船戸一人「リビング・オブ・ザ・デッド」
    樺山三英「庭、庭師、徒弟」
    北野勇作「とんがりとその周辺」
    牧野修「僕がもう死んでいるってことは内緒だよ」
    宮部みゆき「保安官の明日」

    宮部みゆきってディックが好きなのかな?

  • SF要素が少ない作品が多いです。
    描写の一部にそういうのというのも含まれるので
    ゴリゴリのそれが好きな人には向きません。

    演劇と百合とSFと…といったたぐいが絡む
    「リビング・オブ・ザ・デッド」が好みでしたね。
    愛の裏の征服欲、墓意欲。
    一方的な愛は実ることがなく結末は…
    きっと彼女たちは不器用だったのでしょうね。
    お互い妥協なんかできなかった。

    唯一ゴリゴリ目の作品は
    途方もない宇宙の旅路へと出る一人の男の物語。
    その期間…15年。
    しかも切ないことに元カノが出てくるのよ、この作品。
    それを通信でしか知ることのできない切なさよ!!

    ラストはもう有名作家さんです。
    一応フィクションだけれども
    このような未来は無きにしも非ず。

    SF好きには非推奨。

  • 宮部みゆき「保安官の明日」

    保安官の任務は、毎日街を見回ることだ。
    街にはいろんな人間がいる。いい奴、悪い奴、困った奴…
    そしてある日、街で凶悪な殺人事件が起きる。
    =================
    街はじつは人造人間に溢れた実験場で、そこでは「ある人格」が凶悪犯になる過程を観察されている。
    いつ何があったから、彼は殺人犯となったのか?そのポイントはどこなのか?といった実験が繰り返される、妄執の箱庭「ザ・タウン」。
    そこで、「巡回」と報告をを任された保安官。
    だが、彼も生身を半分以上機械に置き換えた半人造人間。
    のどかな日常に徐々に染み込んでいく、違和感がやっぱりうまい。
    さすが御大。

  • NOVA 6---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

  • 他の作品も読んでみたいと思わせる新しい出会いは無かった。
    既にマストバイリストに入っている宮部みゆきの「保安官の明日」がお気に入り。

  • 完全新作オール読切アンソロジー・シリーズ。ベテラン勢+新人特集。全十篇(宮部みゆき、牧野修、北野勇作、斉藤直子、蘇部健一、樺山三英、松崎有理、高山羽根子、船戸一人、七佳弁京)。
    (2011年)
    — 目次 —
    斉藤直子『白い恋人たち』
    七佳弁京『十五年の孤独』
    蘇部健一『硝子の向こうの恋人』
    松崎有理『超現実な彼女』
    高山羽根子『母のいる島』
    船戸一人『リビング・オブ・ザ・デッド』
    横山三英『庭、庭師、徒弟』
    北野勇作『とんがりとその周辺』
    牧野修『僕がもう死んでいるってことは内緒だよ』
    宮部みゆき『保安官の明日』

  • 七佳弁京さんの「十五年の孤独」が面白かった。軌道エレベータを、十五年かけて人力で(手こぎで)登攀することになった男の話。あらすじだけ見て「……ギャグ?」とか思ったりしてすみません。いい話でした。
    宮部みゆきさん「保安官の明日」もよかった。悪人は何度人生をやりなおしても悪人なのか。人の悪は環境で作られるのか、遺伝子によって決定されているのか。

  • 『白い恋人たち』:SFラブコメというかギャグの領域か。だが旧き佳きドタバタっぷりとでも言おうか、ほのぼの青春してて終始笑みがおさまらなかった。

    『十五年の孤独』:マクロでミクロな雰囲気。なにげにコンタクトSF。ただ十五年もあるならもっとドラマティックなシーンだって描けるだろうに、と欲目で見てしまう。そのくらいよかった。

    蘇部さん:この人は頑張って展開詰め込み過ぎてるのか、細かい部分を膨らませて描けないだけなのか。相変わらずの素人っぽさ(誉め言葉)。

  • もともと2巻に収められている神林長平の短編書き下ろしが読むキッカケ。
    これぞSFだ!! みたいなところからかなり外れた感はあるけども、そのあたりが「ジャンルのあるべき姿」的なところを壊してて良いなと思う。そういう場を創りだしているあたり、編集者の力量も良いのだろう。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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