終着駅 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 101
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309411224

作品紹介・あらすじ

デビュー作『時刻表2万キロ』と『最長片道切符の旅』の間に執筆されていた幻の連載「終着駅」。当連載を含む発掘作品で構成される、最後の随筆集。あらゆる鉄路を最果てまで乗り尽くした著者が注いだ鉄道愛は、果てなくどこまでも続く、消えゆくローカル線の旅情を紡いだ「鉄道紀行文学の父」が届ける車窓の記憶。

感想・レビュー・書評

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  • あぁ、どこか遠くへ旅をしたい。

  • 電車旅行の紀行要素は少なめ。

  • 著者が没後に娘さんの厳しい選択眼を経て編纂された本書は、著者の鉄道に対する愛とユーモアに溢れていた。読んでいると自然と笑みが浮かぶ。それを家人に見られ、あげくに不気味だと言われる。書名を見られれば更にその不気味さが増すのであろう。梅雨の旅、冬こそ旅の季節であるという著者の見識に、目から鱗の心持ちだ。「旅は往路が楽しく、復路は楽しくない」という言葉が心に響く。昨年末に鉄道旅をし、尚更その思いに実感がこもる。後半の書評も良かった。『7つの国境』や北杜夫の著作が無性に読みたくなった。

  • <終着駅>というタイトルだけど、終着駅以外の鉄道紀行随筆…第2章・車窓に魅せられて 第3章・鉄路を見つめて 第4章・レールに寄り添いながら…もすごくおもしろかった! くすっと笑ってしまうような、でも穏やかな文章。読んで良かった〜

  • 梅雨の季節のみどころとして、鉄道旅行の達人である宮脇俊三がまず第一に挙げたのが、水蒸気。雪舟をはじめ、絵師たちは古くから雲や霞を登場させてきた。列島の湿潤な気候がなせるわざ、ベストシーズンに拝まない手はない。
    鉄道を中心とした旅をめぐるこのエッセイ集には、「自分という肉体が寄るべなき存在となること、それが旅というもの」なんて名言も。

  • 宮脇俊三氏が書いたもので、書籍化されていないものを集めたもの。
    他の書籍でふれられていたものもありますが、初めて知る内容のものもあり、結構面白かったです。
    ただし、いつ書かれたかがよくわからないので、その点が少し不満です。

  • 旅っていいですね。それが汽車だとなおいいですね。

  • 宮脇俊三は鉄道ファンであれば知らない人はいない「時刻表2万キロ」「最長片道切符の旅」の作者。この本も鉄道にまつわるエッセイ。
    これまで未発表の原稿を集めてつくった本であり、上記2つの作品のような統一性は本全体にはない。

  • 宮脇俊三最後(たぶん)の単行本の文庫化。逝去後、単行本に未収録の随筆・雑文を集めて発行されたもの。鉄道ライターとしてデビューした直後の作品で表題作の「終着駅」が心に沁みた。取り上げられた終着駅の半分が廃線・廃駅になっているようで、今となっては貴重な記録になっている。

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著者プロフィール

宮脇俊三
一九二六年埼玉県生まれ。四五年、東京帝国大学理学部地質学科に入学。五一年、東京大学文学部西洋史学科卒業、中央公論社入社。『中央公論』『婦人公論』編集長などを歴任。七八年、中央公論社を退職、『時刻表2万キロ』で作家デビュー。八五年、『殺意の風景』で第十三回泉鏡花文学賞受賞。九九年、第四十七回菊池寛賞受賞。二〇〇三年、死去。戒名は「鉄道院周遊俊妙居士」。

「2023年 『時刻表昭和史 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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