- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309411606
作品紹介・あらすじ
旧制中学に入学した年に戦争が始まり、旧制高校に入学した年に戦争が終結したのは、奇妙な偶然である。-著者の記憶の底から拾い上げた戦中戦後のエピソードをはじめ、東京や鎌倉の思い出、酒や食べ物などの日々雑感、そして最後の病床期など、好奇心に満ち、乾いた筆致でユーモラスに書かれた体験談。『私の少年時代』に続く自伝的回想エッセイ集。
感想・レビュー・書評
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戦中の学生時代から戦後の暮らしや人生終盤の入院時の話。湿っぽさは無く、からりとした文章の中にユーモアがあり、自分の体験を語りつつもどこか俯瞰して見ているような…いつもの澁澤氏でした。
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新書文庫
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澁澤龍彦のいわゆる普通のエッセイぽいのは何か違うなと思って読まず嫌いしていたが、古本屋で見つけて気まぐれに読んでみると、しっかり澁澤龍彦で、あらためてこの人の文章自体の面白さ、サービス精神を感じられた。いい読書だった。
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2012年8月15日読み終わり。
終戦の日だったので、何か戦争に関係のある本でも読むかと手に取りました。澁澤龍彦自身は東京生まれでわりと裕福な家に育ったのですが、青春時代は太平洋戦争真っ只中で、工場で働かされたりと苦労もあったようです。しかし辛気臭い話はほとんどなく、青春時代を楽しんだ思い出や戦前の楽しかったことなどを語っています。
久生十蘭など作家とのちょっとした思い出話も面白かったです。しかし、まあ澁澤龍彦ファン以外は別に読まなくても…とは思います。