澁澤龍彦訳 幻想怪奇短篇集 (河出文庫)

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制作 : 澁澤 龍彦 
  • 河出書房新社 (2013年2月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309412009

澁澤龍彦訳 幻想怪奇短篇集 (河出文庫)の感想・レビュー・書評

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  • トロワイヤの『共同墓地』が読めてうれしい。特に「恋のカメレオン」がとてもよかった。

  • アンソロタイトルには「幻想怪奇」とありますが、どちらかというと「怪奇」寄りの作品のほうが多かった印象。シャルル・クロス『恋愛の科学』や、トロワイヤの短編のいくつかは、ブラックなSFの趣きもあったし。

    個人的に一番怖いなあと思ったのはボレルの『解剖学者ドン・ベサリウス』で、怪奇物にはありがちなマッドなドクターものなんですけども、たとえば他の収録作品、サドの『呪縛の塔』やノディエの『ギスモンド城の幽霊』、エルネスト・エロ『勇み肌の男』あたりに出てくる幽霊は、確かに不気味ではあるけれど幽霊のほうに正義があるというか、相手を呪うだけの根拠があって、無差別に危害を加えるわけではないのであまり怖くないんですよ。それに較べたら人間なのに残虐非道なドン・ベサリウスのほうがずっと凶悪。結局、生きてる人間のほうが幽霊より怖いっていうのが個人的な結論(苦笑)。

    一応備忘録として収録作品名

    ○マルキ・ド・サド『呪縛の塔』
    ○シャルル・ノディエ『ギスモンド城の幽霊』
    ○ジェラール・ド・ネルヴァル『緑色の怪物』
    ○ペトリュス・ボレル『解剖学者ドン・ベサリウス』
    ○エルネスト・エロ『勇み肌の男』
    ○シャルル・クロス『恋愛の科学』
    ○アルフォンス・アレ『奇妙な死』
    ○アンリ・トロワイヤ『共同墓地 ふらんす怪談』
    (殺人妄想/自転車の怪/幽霊の死/むじな/黒衣の老婦人/死亡統計学者/恋のカメレオン)

  •  澁澤龍彦翻訳による、フランス人作家のアンソロジー。
    「幻想怪奇」とあるが、それほどに幻想的でもなければ、怪奇でもない。
     どれもそれなりに面白いのだが、「これは!」というような作品はなかったように思う。
     個人的には「恋のカメレオン」が一番面白かった。
     この「恋の~」も「幻想」でも「怪奇」でもないが、男女の関係をシニカルに、ユーモラスに表現していて、例えば星新一あたりがショート・ショートの題材として扱ったとしてもおかしくないような作品だと思う。

  • 幻想味をまぶした皮肉とユーモアのある小説集。
    壮大な因果応報譚、肝試し話、謎の偉人伝怪奇風、ブラックユーモア小話…。
    うち、ネルヴァル「緑色の怪物」、エロ「勇み肌の男」、トロワイヤ「共同墓地」の一部が怪談ぽくて面白かったです。

    で、売りである澁澤龍彦の訳ですが、巧いのだけどどこか鼻持ちならない感じがぬぐえず。
    解説によると彼の翻訳は最初から完成度が高かったらしいのですが、それが強さとなり却って作品の味を邪魔しているのかもと感じました。
    原文に当たることが出来たらもっと楽しめたのかも知れません。

  • フランスの怪奇小説の短篇集。

    海外作品は苦手なのですが、この人の独特な文体は怪奇さも損なうことなく面白く読めました。
    訳した作品というよりも、澁澤さんのオリジナル的に読めてとても読みやすかったです。

    共同墓地に収録されている『黒衣の老婦人』がちょっとクスリと出来て好きでした。

  •  フランス幻想小説な短編集、というよりも澁澤龍彦が訳した作品集という感があり。幽霊ものなど怪奇ホラー中心のセレクションながら、どこか小洒落たブラック・ユーモアが好いね。
     目玉はトロワイヤ「共同墓地 - ふらんす怪談」全編が収録されてること。特に「恋のカメレオン」とか、オチが見えててもそこに至るまでの諧謔さが絶妙です。

  •  かつて澁澤龍彦が翻訳した、フランスの幻想怪奇短篇集。
     題名に偽りありとまでは言わないけれど、解説を読む限り『暗黒短篇集』と銘打つべきだったのではないだろうか。
     今更、題名にケチをつけても詮無い事ではあるけれど。

     収録作品の中で、最初に眼に着いたのがマルキ・ド・サドの『呪縛の塔』
     サド。サディストの語源になった人物。
     そういう先入観を持って読み始めましたが、特別どぎつい描写があるわけでなく。
     悪辣な王の地獄巡り。
     地獄の描写は圧巻でした。

     個人的には『緑色の怪物』が好み。
     シンプルな怪異譚。
     最後の一行が妙に印象に残ります。

  • フランスの怪奇小説を集めた短編集です。
    いやー、ちょっと一味違う怪奇小説で面白かった。
    マルキ・ド・サドの「呪縛の塔」は、悪人の立場である王様が、妙に自信満々なのが面白かったです。なんだろ、あまり罪悪感ない主人公というのが新鮮でした。
    半分はアンリ・トロワイヤの「共同墓地」という連作短編なんですが、これはひねりのある怪奇小説という感じで、どれも面白かったです。
    世にも奇妙な物語なんかにありそうな感じの話とか、都市伝説的なホラーとか、現代でも通用しそうな面白さでした。

  • トロワイヤの『共同墓地 ふらんす怪談』が面白かった。
    『幽霊の死』『黒衣の老婦人』『死亡統計学者』が好み。特に『死亡統計学者』は、オチそのものは予想がつくものの、喜劇風の中盤~オチの構成が効いてる。

  • 幻想文学は怪奇と対をなす訳ですね。

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澁澤龍彦訳 幻想怪奇短篇集 (河出文庫)の作品紹介

数々のフランス幻想小説の系譜の中でも、サドからネルヴァル、トロワイヤまで、怪奇・恐怖・神秘を主題に書かれた珠玉の澁澤訳作品群を、オリジナル編集。どれも、時代を感じさせない新鮮味のある作品で、とくに文庫版初の『共同墓地』(トロワイヤ著)全篇を収録。澁澤の翻訳の絶妙な味わいを堪能できる一冊。

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