琉璃玉の耳輪 (河出文庫)

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著者 : 津原泰水
制作 : 尾崎 翠 
  • 河出書房新社 (2013年7月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309412290

琉璃玉の耳輪 (河出文庫)の感想・レビュー・書評

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  • なかなか難しく重厚な物語だった…!
    登場人物それぞれの過去があって、それが繋がってくる気持ちの良さを味わえた。にしても、三姉妹の名前が似ていて途中で分からなくなったり、見慣れない言い回しや漢字が使われていたりと、読み応えあったなぁ。
    一回では落とし込めてない部分も多いし、南総里見八犬伝に通じるという話をあとがきで知ったので、そういう観点で何度でも読みたい。

  • 1/17 読了。
    戦前の日本のごっちゃ煮でスペクタクル好みなところは、『シャルビューク夫人の肖像』の舞台だった19世紀アメリカによく似ている。舞台背景のみならず、精神の分裂が物語にも大きく寄与するところも近く、たまたまこの2冊を続けて読んでよかった。
    黄氏の数式については東日本大震災後の今ならどう書いたか、あるいは道具立てそのものを変えてしまっただろうか、津原さんに聞いてみたい気がする。

  • ああ

  • 尾崎翠の「琉璃玉の耳輪」をベースに書き上げられた探偵小説。
    原案の魅力や雰囲気、スピード感を全く損なわずにオリジナルの設定(しかも結構重要な)を入れ、見事に面白く仕上げている。中でも瑩子と岡田明夫のやりとりと、八重子と木助のやりとりが見もの。

  • 阿片窟、見世物小屋、伯爵、唐人髷、多重人格…。物語の道具となっているものひとつひとつが、現代と現実から遠く、飽きることがない。しかも、これだけトンデモ設定なのに最後まで読ませるのは、品とおかしみの両方を備えた筆者の力なのだろう。やっぱり好きな作家だ。

  • いろんな人のいろんな寸劇が、最後にひとつになる。ぜんぶ伏線!

  • 単行本が出てるのは知らなくて新聞の今月の新刊広告で知って買わねば! となりました。
    もう先月だけど。死の島読んでたら遅くなったね。今月はすいかの本も出てるよね河出さん、まだ買ってないとかそれはともかく。
    尾崎翠原案津原泰水作とかなんですかその夢のコラボとおもって読んだら、いい塩梅に、どちらの作家もすきなんだけどそれぞれすこし個人的な読書体験として馴染みにくいとこもある、たとえば尾崎翠のときどき硬きにすぎる感じと津原泰水のときどき踏み込みすぎる感じが混ざりあうことによって中和されるのかなあて、なってだからすごい読みやすかった。
    それぞれのキャラクターも魅力的。
    あんまりわるいひとがいない。
    悪役はいるしどうしようもないんだけどそれでもなんだかわるいひとがいないとおもえるのは筆のはこびかなあ。
    津原作品ってなんとなく、そんなに読んだことはないけど登場人物がよくある善悪の規範ではくくられない気がする。
    この小説が映画化されたりしないかな。

  • 昭和2年に尾崎翠が映画プロダクションのシナリオ募集に応募するために書いた原案を、津原泰水がリメイク(?)した作品。

    「瑠璃玉の耳輪」をした三姉妹を探して欲しいという依頼を受けた女探偵・明子が主人公。この明子さん、実は多重人格者の傾向(?)があり、探偵の得意技=変装どころか自己催眠で別人格になっちゃうという特技の持ち主。この明子さんだけでも暴走気味なのに、依頼人の黒いヴェールの貴婦人、阿片窟の娼婦、旅芸人一座の女ナイフ投げ師、その恋人だった隻眼の女軽業師、変態性欲の男(←この表現は尾崎翠の書いたままですって・笑)に薬漬けで監禁されている美少女、と、次々一癖もふた癖もあるキャラクターたちが登場します。

    これを単純に現代版にしたらちょっと無理があっただろうけれど、そこは尾崎翠が書いた時代背景に忠実に設定したのが大正解。なにせ乱歩の時代の探偵小説なので、荒唐無稽なあまりのご都合主義も多々見受けられるんですが、それも含めてこういうジャンルを好きな人にはたまらない面白さ。ラストのアドバルーンで逃走しようとする場面とか、実際に映画化されていたらこれくらいのエンターテイメント性も必要(脚色)とされてたろうし、むしろこれを映像で見てみたい。退職間際の老刑事と女掏摸の友情とか、見世物小屋の芸人の師弟関係とか、随所で泣かせる要素もあったし。

    尾崎翠の原案との差異点なんかは、著者のあとがきでざっくり把握できるんですが、やはり元のシナリオとの違いをいつか自分で読み比べてみたいですね。解説がわりに津原泰水の「尾崎翠フォーラム2011」の講演抄録が収録されてるんですが、八犬伝との共通点というのが意外ながら納得!八犬伝マニアとしては見逃せません。確かに「玉」を持った人物を集めてゆくくだり、全員集結したところで巨悪に立ち向かうところ、女装の美少年ならぬ男装の麗人が二人も登場するところなど、八犬伝のパロディとも読めるかも。

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時は昭和三年-。名探偵唐草七郎の一番弟子にして閨秀の探偵・岡田明子のもとに舞い込んだ摩訶不思議な依頼。「三姉妹を探して下さい。三人とも左の耳に一粒の琉璃玉が嵌った、白金の耳輪をしています」阿片窟の女傑、女掏摸、男装の麗人、旅芸人一座、変態性慾の男、老刑事、放蕩の貴公子…奇想天外、百花繚乱!幻の探偵小説が奇才の筆でいま蘇る!大発見を語った「尾崎翠フォーラム講演抄録」併録。

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