マリア・テレジア: ハプスブルク唯一の「女帝」 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309412467

感想・レビュー・書評

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  • オーストラリア・ハプスブルク帝国の女帝、マリア・テレジアの生涯を記した著書。

    コミック「ヴェルサイユのばら」の影響からか、
    フランス革命で断頭台に散ったマリー・アントワネットの母、という認識しかありませんでした。

    本書を読めば、政治家としてのマリア・テレジアを知ることができます。

    軍事力強化のために、身分の壁をとりはらった革新的な政策を採用し、
    国土のすみずみまで教育をほどこした。
    医療の充実もはかる。

    これらは長い時間をかけて実行にうつされた素晴らしい実例で、現代にもつながるもの。
    単に当時の国力を増強させるだけるための政策ではないところが、さすが女性政治家の視点は違うとうならせられる。
    政策を実行にうつすにあたって、優秀な人材にめぐまれたのは、
    それだけマリア・テレジアに人をひきつける魅力があったからに他ならない。
    当時としては本当に珍しかった相思相愛の夫、フランツの存在も大きい。

    その美貌ゆえ、また女性であったことで、苦労するどころか、それを利用していたようなところがあるのに、ニヤリとさせられる。


    跡継ぎになる息子には帝王学を学ばせたり、聖職者になるべく環境をととのえたりしていたけれど、
    娘たちへの教育はあまり積極的ではなかったところが残念。
    もししっかり教育していれば、マリー・アントワネットの悲劇もなかったかも、しれないのに。



    ボリュームたっぷりの本書ですが、読み出したら止まらなくなります。
    この時代が好きな方に、オススメです!!

  • 同著者の新書『ハプスブルク家』で一番マリア・テレジアの記述が興奮したので文庫に手を出してみました。国勢調査に小学校の建設、かっこよすぎてしびれました。

  • 素晴らしい女性だね。才色兼備。

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著者プロフィール

1941ー2005年。元東洋大学教授。著書に『ハプスブルク家』『ハプスブルク家の女たち』『マリア・テレジア』『カール五世』『ハプスブルク夜話』などがある。

「2013年 『フランツ・ヨーゼフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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