冥土めぐり (河出文庫 か 13-3)

著者 :
  • 河出書房新社
3.23
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本棚登録 : 292
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309413389

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の奈津子から、いかに搾取するかしか考えない毒母と毒弟が強烈だった。障害者になり、奈津子の力にはなれないが、無邪気でマイペースな夫の雰囲気がとても良かった。芥川賞を受賞した表題作のほか、実の姉に特別な感情を抱く菜菜子が主人公の『99の接吻』も収録。

  • 読んでいくとタイトルに感心、執着とは違う母性とも違う愛より情かあって感じました。99の接吻では私の持ってる感性と離れてて分かり得なかったとこあり。

  • 母も弟も夫もありふれた非現実感の内にあって、主人公の向けるまなざしもありふれていて、且つ語りが過剰で、最後まで辛抱が要った。

  • タイトルに惹かれ直感的に手に取った一冊。読みはじめると非常に陰鬱な雰囲気で、読みはじめたことを後悔。
    毒母と毒弟に対する主人公の気持ちにシンクロしてしまい、読み進めるのが辛かった。最後の最後に少し明るい未来を感じさせてくれ他のは救いだった。
    もう一編はグロテスクな表現が多く、受け入れづらかった。また、母と四姉妹の関係性も理解しがたかった。

  •  
    ── 鹿島田 真希《冥土めぐり 2012‥‥ 20150107 河出文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4309413382
     
     
    (20231128)

  • 「冥土めぐり」よかった。穏やかな地獄だった
    「99の接吻」これもよかった。根津を歩きたくなった

  • 表題作と、「99の接吻」を収録。大人になった娘に寄生し依存する母弟と、脳機能障害による障害を負った夫。奈津子がそれに囚われている。ある日、思い出の保養所に夫と旅行に出る。そこで自殺してしまうのではという予感をもち恐る恐る読み進めたが、最後は薄明かりの見える結末でよかった。

  • プライドとお金に執着する母たち、善意が自身に向けられていることを疑わないような振る舞いを続ける夫。
    ひどい、辛い、面の皮が厚い、など様々な思いを読んでる中で抱いたものの、読み進めると、果たしてどういう感情でいればよいかわからなくなる。圧倒的な筆力。感情がもっていかれます。

  • 胸くその悪い中の希望

  • 「冥土めぐり」「99の接吻」の二編。どちらも中性的な登場人物と癖のある登場人物との対比が面白い。冥土めぐりでは、純粋で鈍感でかつ前向きな太一。99の接吻では、中性な観察者で感性ですべてを理解する菜菜子。他の登場人物がコントラスト豊かに浮かび上がる。面白いと思いました。

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著者プロフィール

1976年生まれ。1999年、「二匹」で第35回文藝賞を受賞しデビュー。2004年、『白バラ四姉妹殺人事件』で第17回三島由紀夫賞候補、2005年『六〇〇〇度の愛』で三島由紀夫賞受賞。2006年「ナンバーワン・コンストラクション」で第135回芥川賞候補。2007年『ピカルディーの三度』で野間文芸新人賞受賞。2009年「女の庭」で第140回芥川賞候補、『ゼロの王国』で第5回絲山賞を受賞。2010年『その暁のぬるさ』で第143回芥川賞候補。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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