- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309413778
感想・レビュー・書評
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「クズの日記だこれは」と自虐的に自画自賛する、生きる伝説の漫画家・江口寿史のウェブ日記の文庫化。
私の青春の1ページに江口寿史がある。「すすめ!!パイレーツ」や「ストップ!!ひばりくん」のギャグに笑い、「エイジ」や「GO AHEAD」の青春に心震えた。勿論、単行本は棺桶に入れてもらう。でも、「地上に降りた天使」水谷麻里が奥さんなのは、うらやまし過ぎる。夫婦喧嘩で「私の青春返せ」と罵倒されるのが微笑ましい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
それはまだ私が漫画を貪るように読んでいた頃。好きだったのよ。
江口寿史の「すすめ!パイレーツ」が。何度読み返したことだろう。
処分する前の単行本はボロボロになっていたはず。
最後にちゃんと読んでいたのは月刊誌「ASUKA」に連載していた
「江口寿史のなんとかなるでショ!」だったな。
いつの間にか漫画家は開店休業。イラストレーターのような仕事
ばかりになっていた江口寿史が、自身のホームページで掲載した
日記の1999年から2002年までと、ギャグ漫画家の大御所・山上
たつひこが13年ぶりに漫画家として復活祭のアシスタントを務めた
際の「金沢日記」をまとめたのが本書だ。
ご本人が「あとがき」で書いているように、「正直日記」と言いながら
も多少の脚色はあるんだろうな。それにしてもグズグズである。
遅筆であることは知っていたが、本当に仕事しない。しなきゃいけない
仕事があるのに先延ばし。何をしているかと言えば、飲んでます。酒を。
漫画雑誌の編集は経験がないが、締め切り間際やとっくに締め切りを
過ぎてジタバタしている著者の姿をどうしても編集者の目で見てしまう。
はっきり言って迷惑です、江口先生っ!
編集も印刷も製本も、原稿が上がるのを待っているんですよ~。
タイムリミットギリギリってのは心臓に悪いんですよ。ご存じで
しょうが。
大御所・山上たつひこに「江口さんには心底あきれました」と言われて
しまうのも分かるわ。
ギャグ漫画家・吾妻ひでおは自身の失踪やアルコール依存症を漫画
で描いた。江口寿史はそのダメっぷりを文字で書いた。
ダメなんだけど、この人の描く絵、好きなんだよな。今でも思い出せる
キャラクターがいるもの。
文章も上手いんだな。読みやすくてサクサク読める。でも、最後の漫画
はちょっと重かった。