イルカは笑う (河出文庫 た 37-1)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 148
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309414003

感想・レビュー・書評

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  • 田中啓文による12の物語が収められた短編集。
    ジャンルはSFとホラーが多い。


    地球から宇宙船に乗ってやってきた三匹のイルカ。

    彼らの目的は,遠く離れた星にいる〈最後の人間(ザ・ラスト・マン)〉から地球の支配権の〈引き継ぎ〉を受けることだった。

    「イ,イ,イ,イルカだと?人間の代わりに地球を支配するのがイルカだと?こんな馬鹿げた話があるか。(…)」

    その事実を受け入れられない〈最後の人間〉は三匹のイルカから,イルカが地球を支配するに至った経緯を聞く。

    今すぐにも命絶えそうな状態の〈最後の人間〉と,三匹のイルカによって語られる今ある地球の姿。

    「大丈夫,我々はイルカですから」

    本書の表題作『イルカは笑う』である。


    本書の各物語には著者によって散りばめられたユーモアのこもった”元ネタ”が存在し,それに気づくことができればより楽しんで読むことができると思う。

    イルカに笑われないように,本書の元ネタを理解できるだけの教養を身に付けたい。

  • 感想:ひとことでいうと「なんじゃこりゃ~」
    基本はダジャレですね。ただのダジャレをつなぎ合わせて荒唐無稽な物語を紡ぎだしていく遊び。(そうではない話もいくつかはある)
    教養としての雑学がないと元ネタがわからず、ただの変なお話で終わってしまうと思う。(私も1割ほどわからないネタがありましたが…)
    初読の作者さんでしたが、他の作品にも興味がわきました。

  • アニメに特撮に落語にホラーに音楽に歴史にドラマに…
    いろんなものを「SF」という串で貫いた、
    何兄弟かわからんくらいの団子風短編アンソロジー。
    いろんなジャンルのお話が楽しめて、お得感いっぱいですw。
    個人的には、「あの宇宙戦艦」の意外な活躍を見られたのが
    えらい嬉しかったです〜(笑)。

  • SF

  • 好みが分かれる作風ではあると思いますが、私は好きです。

    短編集なので、読み易いし、お得感があります。

  • 表紙のイルカが可愛くてジャケ買い。

    まあまあ自分はシニカルな話が好きだと
    自負していたのだけれど、
    この短編集のシニカルかつブラックなユーモアには
    正直ついていけなかった。

    所々当て字的なダジャレ(地口?)も多いのだけれど、
    元ネタがわからないのが多数。
    洋画邦画好きにはツボに入るのだろうか。

    全体的に自分には合わなかったなぁ。
    「まごころを君に」「あるいはマンボウでいっぱいの海」
    といった落語的な作品に出会えただけでも良かった。

  • ちょっと雑な話もあったけど楽しかった。
    ゾンビシェフの、筒井康隆っぽいな〜と読んだら、
    ぽいのね。
    イルカのオチの笑い、良かった。

  • ダークで脱力な短編集。
    後味悪かったり、小ネタが多かったり、
    皮肉たっぷりだったり、大人味を各種取り揃えてあります。

  • 文庫にしては高い本読んでるねと言われたがこの値段でこのジャンルの多さは最早お得じゃない?とお言葉を返したい。
    オタク文化に救われる地球やゾンビと戦う料理人。ギャグ多めかと思えばシリアスに終わるものもあり何とも忙しく楽しい短編集でした。

  • 「本能寺の大変」やら「屍者の定食」やらといったタイトルから窺い知れる通り、実に脱力するSF短編集。頻出するグロテスクな描写もやっぱり著者ならではだなあ。
    しかし一作目の「ガラスの地球を救え!」ではうっかり感動しそうになってしまった。ううん好き。

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著者プロフィール

1962年大阪府生まれ。神戸大学卒業。93年「凶の剣士」で第2回ファンタジーロマン大賞佳作入選、短篇「落花する緑」で「鮎川哲也の本格推理」に入選しデビュー。2002年「銀河帝国の弘法も筆の誤り」で第62回日本推理作家協会賞短篇部門を受賞。ミステリー、ホラー、伝奇と様々なジャンルで活躍し、時代小説では「鍋奉行犯科帳」「浮世奉行と三悪人」などのシリーズなどがある。

「2023年 『貧乏神あんど福の神 秀吉が来た!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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