ユングのサウンドトラック: 菊地成孔の映画と映画音楽の本 【ディレクターズ・カット版】 (河出文庫 き 3-6)
- 河出書房新社 (2015年9月8日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309414034
感想・レビュー・書評
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菊池成孔による映画や映画音楽に関する論考・エッセイを集めた一冊がようやく文庫化したので購入。前半は彼が最も敬愛するジャン=リュック・ゴダールについて、後半は様々な監督の個別作品について書かれている。
映画においては映像に対して従属的な存在として扱われがちな音楽に特化し、特異な音楽センスを持つゴダールに関してペダンティックに叙述される文章は、映画にそこまで詳しくなくゴダールの作品を見たことない自分が読んでもそれなりに面白いと思える(ここに出てくる作品で見たことがあるのは、クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」だけだった。確かにあのエンディングでのイーストウッドの歌はヤバすぎた)。
文庫版ではおまけとして、映画評論家である町山智浩(脚本を担当した「進撃の巨人」という、和田アキ子と鬼束ちひろが「今から殺し合いをしてもらいます」とかいう映画のことはもう忘れて、評論家としての活躍をこれからも期待したい)との論争で話題になった「セッション!」のレビューも収録。本書の二作目では、この論争に関する全文も大幅に加筆修正されて収録予定とのことなので、少しだけ楽しみではある。