隠し事 (河出文庫 は 12-4)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 343
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309414379

感想・レビュー・書評

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  • 彼女の携帯を盗み見るという、良くないことをしている背徳感と緊張感が伝わってくる(だけの)作品。
    羽田さんっぽくて好きだけど、中身が濃いかと言われたら首を縦にはふれない。

  • 疑心暗鬼の坂道を転げ落ちる哀れな男。逢魔が時という言葉がある。日常の普段は見逃している事、そこに隠れている自分の中の「魔」、顕在化し、膨れ上がり、乗っ取られる。後は、負のスパイラルへ。よく知っていると思っていた彼女が、急に知らない人に変わっていく、怖い。

  • 彼女の携帯を盗み見るシーンは主人公の気持ちになってドキドキした。最後の終わりがよくわからなかった。

  • 羽田さんの本は読みやすくこの本も例外ではなかった。主人公が恋人の浮気を疑い携帯を盗み見る、という話で、どんな『隠し事』があるのだろう…と先が気になり、スピード感を持って読める話。相手の携帯を見ても良い事などあるはずもなく…それでも気になって見てしまう。その気持ちは誰もが理解出来る気持ちなので、身近に感じながら読める話。

  • 本版の花束の何とか。カップルが別れるやつ

  • すべての女は男の携帯を見ている。男は…女の携帯を覗いてはいけない!同棲する彼女の携帯を軽い気持ちで盗み見たことから生まれた、小さな疑い。だが、疑いは疑いを呼び、秘密は深まるばかり。引き返せなくなった男の運命は?話題の芥川賞作家による、驚愕の家庭内ストーキング小説。

  • 始めにガラケー時代のことだと理解し、昔の話なんかなという感じで読んでいたが今に繋がる部分がおおいにある。
    主人公の男性は、夜中、不倫しているかもしれない彼女の携帯を覗く。そのために、寝る前に水を大量に飲み、尿意で夜中に起きれるようにしたり、彼女が起きているか確認するため睡眠について研究する。気持ち悪い、いやらしい奴だなと思ったのだが、彼女のほうも、携帯の転換機能を使って主人公のメールを見ていた。その事実を知り、脳内にすべてを隠そうと記憶術について勉強するシーンがあり、自分も人間の脳について気になったので、そういう本も読んで見たいと思った。
    その後の物語は、難しく理解が追いつかなかった。
    しかし最後のところでは、主人公が携帯を覗き見していたことが発覚して討論となり、言葉のあやから主人公の隠してきたことがバレてしまう。そこで完結と思いきや、彼女のほうはまだ隠していることが携帯以外のものであるような言い回しで終わる。終わり方、作者の個性が出た表現力が面白かった。

  • 続きが気になって、最後まで一気に読んでしまった(笑)

    付き合って7年、2DKの狭い家で同棲してる二人の間では、隠し事をしないことが暗黙の了解となっていた。

    ある日、彼女がお風呂に入ってる間に、彼女の携帯に新着メールが入る。ディスプレイに表示された名前を見て、彼女に隠し事があるのではと初めて疑惑を持った彼。彼女に真相を問いただせない彼は日を追うごとに疑惑が募り、ついに彼女の携帯を日常的にチェックするようになる…

    いやぁ、通信機器は恐いね(^^;
    先が気になる終わり方でした。

  • 帯の煽り文句ですかね
    犯罪臭がしたものですから
    読み終わるまで
    いや、まだものすごい事が
    起こるはず
    と思い続けた私の罪は重いです
    すみません

  • 羽田圭介作品はこれまで何冊かチャレンジしてきたが、結局読了できたのはこの作品とスクラップアンドビルドだけだ。いわゆる純文学というやつで、ストーリーの起伏が乏しい。そのため読みきるのにつまずいてしまう。携帯電話やiPod等の電子機器を用いて主人公の心情を細かに描くが、それがくどいくらいに事細かだ。心理描写ではないが、フレーズの主人公が彼女が寝ているかを確認するシーンを切り取ってみても、なにせ情報量が多い。こんな描写が物語上に幾度も登場する。羽田さんって本当にストイックというか理屈っぽいんだなと思った。そういうところが好きだけど。

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著者プロフィール

1985年生まれ。2003年『黒冷水』で文藝賞を受賞しデビュー。「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞を受賞。『メタモルフォシス』『隠し事』『成功者K』『ポルシェ太郎』『滅私』他多数。

「2022年 『成功者K』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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