- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309460833
感想・レビュー・書評
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ハイスミスを好きなのはなぜか?と自問しながらまたまた読んでしまいました…
肩入れしたい人が出てこない話がスゴイ…
イライラはしないけれど、モヤモヤしながら読み進めました。本格推理小説ではないのでナゾ解きはないですが、どうなるんだ!?と先行きを気にしながら読み進めました。
ニッキーは今ならモラハラ…そして、こういう人は実際にいるのでしょう…ニッキーとグレッグ、どちらもアカン人たちでした。
主人公(ロバート)も、あまりに心が傷んでいて…もし自分がお話の中の通行人だったら、ロバートの味方になれるのか…
ジェニーは、死ななくても良かったのに…
ラストシーンは少しわかりにくかったですが、映画化されており、そのあらすじなどを参考に、グレッグも死んだのですね。
P167 「ラルフ・ジャーゲンは貧しい家庭の出だ。なんであれ貧しさをうかがわせるものは、感受性や美意識、そして倫理観まで揺さぶった。貧乏とは醜く、悲しく、無益なものだ。」このくだりがとても心に残りました。(ラルフは脇役ですが、ぎりぎり普通の人として描かれる)
グレッグのおとうさんには少し同情。
息子が理解を超えた行動をしてしまったら、できることは少ない…このおとうさんはかなり手を尽くしてくれたから。
ロバートの「狭い地域社会では口うるさい名もない人たちが、文字どおりにも比喩的にも人を絞首刑にする」という言葉も、田舎育ちの私には頷けてしまいました。
ふくろうの叫び、の意味ははっきりわからないままですが、まあいっか。原題はThe Cry Of TheOwl(1962)。
1991年発行 河出文庫 680円(税込)
もう流通してないのが残念です。
嫌な人しか出てこない。
なんの生き方の参考にもならないけど、世の中にはいろんなワナがあるよー、と教えてくれる。
だからハイスミスの作品が好きなのかな。
まだまだ読むつもりです。
とにかくサスペンスフルなのです。
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悪くはないんだけど、結局ひねりも何もなかった。
そういうストーリーなのだろうからそれはいいんだけど、全く好みじゃない。
時代が違うからか、まったくリアリティが感じられず読んでいて気持ちが入らない。
人物のしょうもなさと、展開の雑さだけが強く感じられた。 -
何とも言えない読後感。
この、『誰も幸せにならない』結末が、妙な爽快感すらある……というのが非常にハイスミスらしい、のか? しかし、主人公の元妻に関してだけは、ある種の因果応報が成立しているという不思議。割と女性キャラクターに対する扱いがシビアな傾向があるが、本作の彼女に対してはシビアを通り越しているような……。 -
すごく変な本と紹介されてたが、別に変ではない。