ふくろうの叫び (河出文庫 543B)

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 63
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309460833

感想・レビュー・書評

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  • ハイスミスを好きなのはなぜか?と自問しながらまたまた読んでしまいました…

    肩入れしたい人が出てこない話がスゴイ…
    イライラはしないけれど、モヤモヤしながら読み進めました。本格推理小説ではないのでナゾ解きはないですが、どうなるんだ!?と先行きを気にしながら読み進めました。

    ニッキーは今ならモラハラ…そして、こういう人は実際にいるのでしょう…ニッキーとグレッグ、どちらもアカン人たちでした。
    主人公(ロバート)も、あまりに心が傷んでいて…もし自分がお話の中の通行人だったら、ロバートの味方になれるのか…
    ジェニーは、死ななくても良かったのに…

    ラストシーンは少しわかりにくかったですが、映画化されており、そのあらすじなどを参考に、グレッグも死んだのですね。

    P167 「ラルフ・ジャーゲンは貧しい家庭の出だ。なんであれ貧しさをうかがわせるものは、感受性や美意識、そして倫理観まで揺さぶった。貧乏とは醜く、悲しく、無益なものだ。」このくだりがとても心に残りました。(ラルフは脇役ですが、ぎりぎり普通の人として描かれる)

    グレッグのおとうさんには少し同情。
    息子が理解を超えた行動をしてしまったら、できることは少ない…このおとうさんはかなり手を尽くしてくれたから。

    ロバートの「狭い地域社会では口うるさい名もない人たちが、文字どおりにも比喩的にも人を絞首刑にする」という言葉も、田舎育ちの私には頷けてしまいました。

    ふくろうの叫び、の意味ははっきりわからないままですが、まあいっか。原題はThe Cry Of TheOwl(1962)。
    1991年発行 河出文庫 680円(税込)
    もう流通してないのが残念です。

    嫌な人しか出てこない。
    なんの生き方の参考にもならないけど、世の中にはいろんなワナがあるよー、と教えてくれる。
    だからハイスミスの作品が好きなのかな。
    まだまだ読むつもりです。

    とにかくサスペンスフルなのです。




  • 悪くはないんだけど、結局ひねりも何もなかった。
    そういうストーリーなのだろうからそれはいいんだけど、全く好みじゃない。
    時代が違うからか、まったくリアリティが感じられず読んでいて気持ちが入らない。
    人物のしょうもなさと、展開の雑さだけが強く感じられた。

  • 何とも言えない読後感。
    この、『誰も幸せにならない』結末が、妙な爽快感すらある……というのが非常にハイスミスらしい、のか? しかし、主人公の元妻に関してだけは、ある種の因果応報が成立しているという不思議。割と女性キャラクターに対する扱いがシビアな傾向があるが、本作の彼女に対してはシビアを通り越しているような……。

  • すごく変な本と紹介されてたが、別に変ではない。

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著者プロフィール

1921-1995年。テキサス州生まれ。『見知らぬ乗客』『太陽がいっぱい』が映画化され、人気作家に。『太陽がいっぱい』でフランス推理小説大賞、『殺意の迷宮』で英国推理作家協会(CWA)賞を受賞。

「2022年 『水の墓碑銘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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