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- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309460895
感想・レビュー・書評
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バランスの悪い、屈折した人が色々出てきて、小説としては楽しめるのですが、文庫は字がとても小さくてそこが読みづらかったです。
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ハイスミスというとカタツムリが思い浮かぶが、ここでもヌラヌラとしていた。
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資産家の息子ヴィグは、浮気性の妻の恋人を溺死させてしまう…。
ヴィグは、一応常識人で人望も厚い。反対に、妻は自己中心的で奔放。ゆえに、地域の中でヴィグが受け入れられているのに対して、妻はちょっと浮いてる。
この浮いてる加減が微妙。
そして、社交界的な地域のコミュニティーが二人をさらに追い込んでいく。
物語はヴィグの主観で進んでいく。ここがポイント。
中で、妻に「精神病だ」みたいになじられるんだが、考えてみたら確かにそうなのだ。人のいいふりをしているけど、実際はどっか捩れてる、歪んでいる。それなのに、彼が主観だから、その部分が曖昧になっている。
上手いよ、ハイスミス。
結局は、大人になりきれない、自我のない、夫婦の悲劇なんだけど、とても映像的で、それこそヒッチコックの映画のようで面白かった。
それにしても、人間の執着心(夫は妻に、妻は夫の資産に、執着していたわけだ)って悲劇の源ですな。
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