裸のランチ (河出文庫)

  • 河出書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309462318

作品紹介・あらすじ

一九五〇年代に始まる文学運動は、ビート・ジェネレーションを生み出した。ケルアック、ギンズバーグら錚々たる作家たち(ビートニク)の中でも、バロウズはその先鋭さで極立っている。脈絡のない錯綜した超現実的イメージは、驚くべき実験小説である本書に結実し、ビートニクの最高傑作となった。映画化もされた名作の待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 高熱の時に見る支離滅裂な夢のような作品。その一瞬一瞬を味わえるので、途中で読むのを辞めても、はたまた途中から読んでも大丈夫だ。技法や作者の生い立ちを踏まえると、さらに深みが増す。

  • 画期的な文体だけど、素敵だとは思えない。

  • ウィリアム・バロウズの名前は、中島らもの「今夜すべてのバーで」で知った。
    ドラッグに溺れ、妻をウイリアム・テルごっこで殺してしまい、モロッコのタンジールで薬漬けの生活をしながら代表作「裸のランチ」を書いた作家である。バロウズ自信は本作を書いていた時のことをほとんど覚えていないと語ったという。
    驚くべきことに、最終的にバロウズはドラッグを克服し83歳まで生きた。

    通読したが、正直に言って全体像はもちろん個別のエピソードすら理解しにくい作品だった。
    ときおり
    「若い連中だけが何かをもたらすが、彼らが若いのもあまり長い時間ではない」
    というはっとするような言葉があるのだが、2つか3つ以上の文章がまとまるとイメージがぼやけてしまい、自分が本のどこにいるのかが分からなくなってしまう。
    おそらく再読することはないと思う。

  • 昔、映画を見た後にハードカバーで一度読んでいるのだが、全然内容を覚えていなかった。よくこんなの映画にできたなという感想は覚えていたが。
    今、文庫本を読み終えての感想は、よくこんなの本の体裁にできたな、である。ビートニクスは知らないけど蛮勇をもってなるものか。

  • ビートニク関連で読んだことが自体が誇らしかった本(苦笑)意味はさっぱり。カットアップ技法というものだけ分かりました。バロウズさんはジャンキーもおすすめ。

  • 安心な学生がトブための本。

  • らしい意味のわからなさ!キマっていないと同調できないのかも

  • なかなか読み進めるのに苦労したけど、学生時代に一度挫折しているので今回こそはと何とか読み切った。「文脈」という概念を逸脱した文章を読み続けるのは自分にとって結構キツかった。しかも内容はエロ・暴力・排泄まみれ。補遺や解説まで読んでやっとその文学的な価値や評価について多少なりと腹落ちできた気がする。現前の現象を切り取り集積するという手法の媒体が「言葉」であるから、バロウズは「文学者」とされているけど、その手法や発想自体は芸術者に近いと思った。解説ではシュルレアリスム絵画に例えられていたが、それも深く頷ける。

  • 中島らも「今夜すべてのバーで」を読んで、W・バロウズ「剥離、ある病気に関する証言」が読みたくなり、それが「裸のランチ」の序文だと何かで読み手に取る。序文以外はイメージが錯綜といった感じで読めず。◆15年の麻薬中毒。「針は重要ではない。嗅ごうと吸おうと食べようと尻に突っ込もうと、結果は同じ。中毒だ。」という堂のいり方。”八時間爪先を見続けるだけ、視界は灰色のスクリーン” という身になってもやめられない。◆麻薬ピラミッドの恐ろしさ。(1)何一つ無料でくれてやってはいけない(2)必要以上のものを与えてはいけない(いつも買い手を飢えさせて、しかも待たせろ)(3)できることならすべて取り返せ◆「麻薬商人は、消費者に製品を売るのではない。製品に消費者を売りつけるのだ」◆アポモルヒネ治療というのは初めて聞く。モルヒネを塩酸で煮る治療とのこと。そんなに有効ならみんなやればいいのにと、非ジャンキーからは思えた画期的なもの。◆

  • 重度のジャンキーが書いた支離滅裂な物語
    ビートニク文学の最高峰らしいけど、そもそもビートニク文学って何?

    内容としては、各種ドラッグの効果と中毒、離脱方法、エロ、汚物、ホモ、差別的発言、現実なのか疑わしいようなエピソード(幻覚か妄想も結構あると思うけど、どれがそうなのかもよくわからん)
    そんなエピソードが入り乱れた文章が次々に紡がれている

    ストーリーが頭に入ってこない
    誰が何をしたのか?が全く頭に残ってない
    警察に追われているというのも最初は妄想なんだろうと思ってたけど、途中からは本当に追われているんじゃないか?とも思える
    何が事実かはまったく判断できない

    読み終わった状態としては、サイケデリックな映像を延々と見せられた気分

    映画化されているらしいが、絵面が想像できねぇ
    というか、まともな映画になるとは思えないですね



    この本を読んだだけだと、よくわからない作品だけど
    作者の背景を知ると、作品の見え方が少し変わってくる

    ウイリアム・テルごっこで妻を殺してしまったという過去
    文章を細切れにして再構築することの意味
    妻を亡くした現実を忘れたかったということなのかと思う
    現に、これを書いていた時の記憶がないとも言っている

    辛い経験をした男の狂った作品と言われればさもありなん



    本編の後に、作者による実体験を元にした各種ドラッグの解説
    ドラッグの離脱方法やアルコール依存症との関係とか、「へぇ~」と思える情報ではあった
    ただ、この情報そのものがまったく信頼のおけないものなんですけどねw

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著者プロフィール

ミズーリ州生まれ。1952年にデビュー作『ジャンキー』発表。1959年発表の『裸のランチ』が大きな話題となる。妻殺し、ドラッグ漬け、バイセクシュアルなど、様々な顔を持ち、多くのアーティストに影響を与えた。

「2010年 『麻薬書簡 再現版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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