柔かい月 (河出文庫)

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制作 : Italo Calvino  脇 功 
  • 河出書房新社 (2003年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309462325

柔かい月 (河出文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 変幻自在な語り部Qfwfq氏。あるときは地球の起源の目撃者となり、あるときは生物の進化過程の生殖細胞となって、宇宙史と生命史の途方もなく奇想天外な物語を繰り広げる。現代イタリア文学界を代表する作家が、伝統的な小説技法を打ち破り、自由奔放に想像の翼をはばたかせて描いた連作短編集。幻想と科学的認識とが、高密度で結晶した傑作。

  • 2008年10月16日~21日。
    「見えない都市」よりもずっととっつきやすかった。
     それでも途中、辛い箇所もあった。
    「柔らかい月」と「追跡」はスバ抜けて面白かった。

  • 変幻自在な語り部Qfwfq氏。あるときは地球の起源の目撃者となり、あるときは生物の進化過程の生殖細胞となって、宇宙史と生命史の途方もなく奇想天外な物語を繰り広げる。現代イタリア文学界を代表する作家が、伝統的な小説技法を打ち破り、自由奔放に想像の翼をはばたかせて描いた連作短編集。幻想と科学的認識とが、高密度で結晶した傑作。

  • Qfwfq氏が主人公のSF連作短編集。「レ・コスミコミケ」の続編。

  • 第一部は『柔らかい月』『結晶』が好きです。多分、そのあたりの方面の勉強をしていたからでしょうか。知らなくても美しさだけは解る。『鳥の起源』は手塚漫画で再生された。これは記述法による部分が大きいだろう。
    第二部はイメージの奔流に飲まれて読んだ。この手の知識が無いのも要因だけれど。まるで「君」と「僕」のような語り口でとんでもなく変な事を描いているなと。第一部よりその深化は進む。最近の国内だと舞城王太郎か円城塔を想起するのは僕の読書量がすくない所為か。
    第三部ティ・ゼロ『ティ・ゼロ』が愉しくて仕方ない。なんとなく実家に帰ってきた感じでほっとする。ぐっと読みやすくなった。つまるところ知識のバックグラウンドの所為だ。再度書くことになったが、ここまででも心から愉しめたのは『柔かい月』『結晶』なので、基本的にバックグラウンドを共有できるとより愉しめるのだと思う。『追跡』『夜の運転者』などは描写の偏執的加減が「中二階」を彷彿とさせ、また『南部高速道路』を思い出したりする。そこに科学的な視点(ただし、科学的に考察しているのではなく、科学的なものからの視点という試みであるが)が顕著なので読書感はまたちがったものである。基本、詩を読むような軽さがあるのでそれがこの書の美点だと思う。

  • 妄想している人の頭の中をそのまま覗き見てしまったような、なんとも不思議な短編集。表題作、かなり夢中で読みました!しかし、さらに深〜い妄想が続くので、読み終わるにはかなりの忍耐力が必要です(苦笑)

  • 『レ・コスミコミケ』の続編とも言われるカルヴィーノ 1967年の作品。コスミコミケでは宇宙創成から地球造成、生物誕生を客観した Qfwfq 氏が引き続き地球の歴史を語る第一部、DNA とその分裂、有性生殖を語る第二部、そして想像が時空を越えていく第三部からなる。「小説」の対象が宇宙物理学から分子生物学へ、そして再び超紐理論を思わせる宇宙物理へと飛躍する様は圧巻を通り越して茫然の一言。しかし、訳の問題か、コスミコミケの魅力の一つであった Qfwfq 氏のユニークな語り口調は失なわれている。

  • きっと、このような文学/小説のかたちをとる必要がない。不毛で、「見えない都市」を書いた作家には思えない。初期の模索の熱量だけが唯一の救い。

  • 短編1話1話別個に読んでもおもしろいし、1冊の本としてみても第一部の広範な時間空間から第三部ティ・ゼロ1点に収束して小説を書くことについて語る最終話への流れがおもしろい。「レ・コスミコミケ」の続編として、第一部で語り手を引き継ぎ文字通り軽い語り口も引き継いだような表題作「柔かい月」に始まって、最後の「モンテ・クリスト伯爵」でまた「渦を巻く」という短編の並びの対応も。貝が自身の殻を構成していくことの意味が複層的に広がっていくのが…

  • まさかのQfwfqは語るパート2。しかし前作『レ・コスミコスケ』とは違い彼の名前が登場するのは第二部の頭まで。細胞分裂を愛の歴史として語るこの章も興味深いが、やはり本懐は原題にもなっている第三部「ティ・ゼロ」だろう。ここではどの話もある瞬間を捕え、その一点において語り得るもの全てを語りきろうとする偏執病的な語りが展開されていき、それはデュマの名作を換骨奪胎した最後に書かれ得るものそのものへの語りへと到達する。読み進める程に深く、より複雑な迷路に分け入ってる様な感覚がたまらない。でもそれは確かに前進なのだ。

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