ベンヤミン・アンソロジー (河出文庫)

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制作 : 山口 裕之 
  • 河出書房新社 (2011年1月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309463483

ベンヤミン・アンソロジー (河出文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 所収の「翻訳者の課題」を読みたい。

  • 「翻訳者の課題」

  • 数十ページくらいの小論が十本入っています。



    ◆「ボードレールにおけるいくつかのモティーフについて」について(p206-)
    「物語は、伝達の最古の形式の一つである。物語は、出来事それ自体を純粋に伝えること(ちょうど情報がそうするように)に狙いを定めていない。物語は、出来事を経験として聞き手にもたせてやるために、出来事を報告する者の生のうちに埋め込む。ちょうど陶工の手の跡が陶器の皿に残されているように、物語には語り手の痕跡が残っているのだ。」(p213

    「時間は、永遠のうちにも見出される。しかし、この地上の時間、世俗的な時間ではない……。この時間は破壊を行わない。それは完成するだけだ。」この時間は地獄の時間の反対物である。地獄の時間は、着手したことを完成することが何一つ許されていない人たちのいる場所である。実際、賭博の評判が悪いのは、賭博者自身が手を下すからだ。(中略)何度でも初めからやり直すこと――これが、賭博(同様に賃金労働)の理念を規定しているものである。」(p246
    「詩人は、賭博には加わらない。彼は隅のほうで自分の居場所に佇んでいる。詩人が彼らよりも、つまりこの賭博者たちよりも幸せだということはない。彼も経験をだまし取られた男、ひとりの近代人(モデルナー)なのだから。ただ詩人は、賭博者たちが意識を麻痺させるために使う麻薬を拒絶する。彼らは自分の意識を秒針の動きに引き渡してしまったのだ。」(p247

    賭博と詩を読むことの関係は、密かな疑問の一つだったりします。そんな自分も、絵を描かなかったら賭けごとをやりたくなりそうな気がしたり…。そして、「物語」という存在も自分の中で謎でいっぱいな存在なので興味深い…

    おそらく、人を見て人々を描くのが物語作者、人ではなく風景を描くのが詩人。
    トラウマに対して、夢や物語で埋めるのか、トラウマを生んだ驚愕自体を記憶しつづける(つまり詩を読む)ことで埋めるのか。


    ◆「類似性の理論」、「模倣の能力」について(p188-)
    「学校に行く子どもたちは初等の入門書を読み、占星術は星たちのうちに未来を読む。一つ目の文では、読むという行為は二つの要素に分かれていない。それに対して、二つ目の文では二つに分裂しており、読むという行為をその二つの層にしたがって、次のようにはっきりと示している。占星術師は星の位置を、天空の星たちから読み取る。そしてまた、占星術師は同時に星の位置から未来や運命を読み説くのである。」(p195-196

    近代社会の教育では、「読む」ことに「未来や運命」は関係ない。なぜなら、人の「未来や運命」は、制度が決めることだから。占星術は制度に対する反逆になる。

    占星術は、星という自然物の姿から何かの意味を読み取る。そのときに重要なことは星の位置の構図である。
    人間が自然を模倣する(芸能・芸術活動をする、魔術を行う)のは、その自然の構図から、意味を理解するためである。
    そしてその理解した「意味」は、古今東西の魔術師・アーティストが他人に分かる仕方で表現した記号(ここでは特に文字)のなかに入り込んでいる。

    その「意味」は、「自分自身とは異なるものに担われることによってのみ、つまり、この志向の基盤となる、まさに言語の記号的特質、伝達的特質に担われることによってのみ、姿を現すことができるのだ(p195)」。
    だから「意味」は、個性的なものでも個人的な感性でもなんでもなく、「非感性的」なものであり、自然の類似である。

  • 2011/07/24

  • 図書館の新刊コーナーで何となく手に取りましたが、難しくて全く歯が立ちませんでした…。字を追っていても一行ごとに何がなんだか(@_@) いつか理解できるよう前提知識をいろいろ仕入れて再読したいです。

  • 少し読んだ。

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ベンヤミン・アンソロジー (河出文庫)の作品紹介

危機の時代に必ず甦える思想家ベンヤミン。その精髄を最新の研究をふまえて気鋭が全面的に新訳。「暴力の批判的検討」「技術的複製可能性の時代の芸術作品」(第三稿)「歴史の概念について」など究極のセレクトによる本書は、ベンヤミンの言語、神学的歴史概念、メディアなどの主要テーマをめぐりつつ、その繊細にしてアクチュアルな思考の核心にせまる。ベンヤミンを読むならこの一冊から。

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