とうに夜半を過ぎて (河出文庫)

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制作 : 小笠原 豊樹 
  • 河出書房新社 (2011年2月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309463520

とうに夜半を過ぎて (河出文庫)の感想・レビュー・書評

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  • いつの間にか秋も深まり、冷たい雨が降って来るこの季節に決まって読みたくなる作家がブラッドベリ。もうタイトルからして最高。
    切なさの上にブラックな苦さを加えた短編集。なんであんな文章書けるんだろう。

  • ブラッドベリ、やっぱり良い!!

    以前読んだ「10月はたそがれの国」ほどのインパクトはないものの、
    どれも美しい情景描写の中に、ヒヤリとするような怖さがあり。
    文章に酔いしれる事の楽しさを思い出させてくれます。

    最初の「青い壜」から引き込まれました。
    死に絶えた廃墟の町を進む二人の男。彼らは<青い壜>を探している。
    その中には一体何が入っているのか??オチも秀逸です。
    冷たい月に照らされた骨と砂塵だらけの都市の描写が素晴らしかった。

    「十月のゲーム」の恐ろしさ!!思わず2度読み返してしまった(笑)
    ハロウィーンに、地下室の闇の中で行われるゲーム…

    過去から既に死んだ作家を連れてくる「永遠と地球の中を」も好き。
    これは長編で読んでみたいなぁ。

  • 「なんとか日曜を過ごす」が一番好き。ブラットベリ良い。何で今までよまなかったんだろう。何となくブラットベリを湿っぽい話みたいに勘違いして思い込んでたからな。今まで読まないでごめんなさい。読みますよ〜これから
    「とうに夜半を過ぎて」自殺した少女についての救命士たちの会話が・・・かなり深刻。火星年代記の一編といってもおかしくない「永遠と地球の中を」も面白い。「ジェイミーの奇跡」子供の頃(今でもか)よくこう言うふうに考えていたっけ。もしこのまま影の中を歩いて帰れらた願いが叶うみたいな・・・ブラッドベリ、いいな~

  • 「青い壜」「救世主」の切なさ、「日照りの中の幕間」「ある恋の物語」の絶望、「第五号ロボットGBS」の諧謔味、「十月のゲーム」の息苦しさ。「楽しいか」と言われると応えに窮するけれど(後味の悪い作品もかなりあるので(^_^;)、「読む価値があるか」と言われたら間違いなくお勧めできる短編集です。
    鳥好きの鴨的に一番のおススメは、「親爺さんの知り合いの鸚鵡」。こんな話が本当にあったら、人生捨てたもんじゃないと思います。

  •  ブラッドベリの短編集です。ふしぎだったり恐ろしかったり、手触りはいろいろだけれどどれも美しい21編。SFというより幻想小説だったり、心理小説ふうのものが多かったかな。訳者のことばを借りれば「恐怖小説」ということになります。
     収録作品が多いので、好きなものもいろいろありますが、一作選ぶとしたらだんぜん『第五号ロボットGBS』。宇宙船の乗組員ウィリスと「ジョージ・バーナード・ショーの姿をした楔形文字盤記念ロボット」ショー先生のお話です。片や生身の若者、片や老人の姿をしたロボットであるこの二人の、師弟であり友人である温かな関係が、なんだかとてもうらやましかったです。
     あとは雨とハープの音のある情景が鮮やかな「なんとか日曜を過ごす」とか、苦しく切ない父子の和解を描いた「願いごと」、ちょっと意味深で短編映画みたいな雰囲気のある「語られぬ部分にこそ」、教会の懺悔室を舞台にした交情と救いの物語「板チョコ一枚おみやげです!」なんかが好き。
     これも通勤電車で読んでいて、朝から落ち込むこともしばしばでしたが、やはり読めてよかったです。

  •  短編集。
     まず、廃墟の火星で青い瓶をさがす「青い瓶」にガツンとやられる。
     
     ブラッドベリらしい、幻想と美しさと切なさとがてんこもりなのだ。
     とはいえ、全体的に<地に足がついた>感じがするのはなぜだろう。
     書き手も、読み手も、年齢があがって、人生の哀惜を知ったからか?
     うん。
     もしかすると「ウは宇宙船のウ」とかも、今読むとまた違ってくるのかもしれない。
     味覚みたいに、経験と年齢によって浮かび上がってくるものがある、というのが、実はブラッドベリの最大の魅力だったのかもしれない。と、ようやく気づく。

     奥深い。

  • SF作家として有名なレイ・ブラッドベリの短編集。
    ☆青い壜
    まず壜って、ビンって読むんだって発見。瓶とは違うのか?「都市は深い眠りのなかに横たわり、沈黙の穀倉には時が貯えられ、池や泉には静けさと追憶のみがあった。」っていう物語の始まり方が好き。
    荒廃した火星の古代都市で青い壜を探す男。
    「青い壜」。絶望、責苦、貧困、孤独、恐怖を抱える人々が探し求めるもの、見つかってしまったときには微かな喪失感を感じ、自分の手から再び離れてしまってなぜかほっとする。死。
    短編ながら退廃の美を味わえる作品。物語のラストも好き。

    ☆いつ果てるとも知れぬ春の日
    思春期の、自分の体と心がいままでの子どものままでいられないことへの不安が病的な少年が、成長への一歩を踏み出す瞬間を美しく描く。

    ☆親爺さんの知り合いの鸚鵡
    ヘミングウェイの幻の作品を暗記しているとする鸚鵡をめぐる物語。
    これは、ヘミングウェイの著作を読んでから読んだ方が面白そうだな。

    ☆灼ける男
    「先天的な悪というやつも、この世の中にないとは言いきれまい?」焼けつく大地に、湖に向けて車を走らせる2人は、途中で乗せたヒッチハイカーの不気味な語りに嫌気を感じ、灼熱の地に男を放り出した。湖でのひと時を終え、帰路につく2人の前には、今度は小さい男の子が現れる。そして彼は2人に問いかけるのだった。「この世の中に先天的な悪というものがあるでしょうか」
    先天的な悪とは、ヒッチハイカーか、灼熱の地に男を置き去りにした2人か、この暑さに「17年人間」が頭をもたげたのか。
    ふとした瞬間に見え隠れする、人間の悪魔的側面を不気味に描く。

    ☆木製の道具
    部屋を訪れた若い軍曹に、もし明日の朝、目が覚めたら銃砲類が残らず錆び付いていたら世界はどうなるかと尋ねられたある士官は、武器類がすべからく消失しても、人間は不信と憎しみで争いをやめず、文明は崩壊するだろうと予想する。軍曹は、兵器を錆に変える機械を開発したという。軍曹が退室したあと、ふと、自分の胸ポケットにあるはずの、薬莢を加工したボールペンが、ホルスターの中の拳銃が、錆と化していることに気付いた士官は、木製の椅子を破壊し、その残骸から得た木製の道具を持って、軍曹を追いかけて部屋を飛び出した。
    結末を、その行為の行きつく先を知っていても、暴力を止められない人間の姿。

    ☆救世主
    火星の教会で、キリストに会うことを夢見た神父が、見た人の願望どおりの姿になる火星人と出会う。
    望むものは存在せず、それを相手に望むことは相手を苦しめ、自らをも苦しめる。

    ☆第五号ロボットGBS

  • ブラッドベリの宇宙物やっぱりいい…
    第5号ロボットGBS
    「どんな性的快感をくすぐる玩具より、あなたと話してる方がいい」というような言葉! ふたりは、ふたりきりしかいない、真空の楽園に放り出されたのだ。 少しずつ読んでる。ブラッドベリの鉱脈を掘り尽くすのが惜しい

  • レイ・ブラッドベリの魅力的な21の短篇を収録した本書は、素敵な装丁と表題にふさわしく、読み応えばっちりの一冊。
    読み終えた後、ヒヤッと寒気が走る作品もあれば、ブラックユーモアに溢れ、ふふっと笑ってしまう作品もありまして、そんな多彩な21篇すべてを楽しむことができました。従って、作品に甲乙つけ難いところですが、一番印象に残った作品は「ある恋の物語」。読み終えた直後は後味の良い作品だと感動したのですが、よくよく考えてみると、あれっ本当にそうなのかなと…笑

  • もうわざわざ言う必要もないけれど、ブラッドベリは素晴らしい。
    なんてことのない風景をここまで美しく胸に迫らせる人はなかなかいない。
    文章を読む喜びを思い出す作家さん。
    酔いしれるとともに、打ちのめされたような気持にもなる。

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