大いなる遺産 下 (河出文庫)

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制作 : 佐々木 徹 
  • 河出書房新社 (2011年7月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309463605

大いなる遺産 下 (河出文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 読み終わると、胸がいっぱいになった。

    生きる活力、人生の寂しさ、人が人に与える幸福。
    ディケンズが描く人々は、どれもはちきれんばかりにぎっしりと重たく、それでいて軽妙で、ぐいぐいと読者を引っ張ってくれる。

    どのエピソードも素晴らしく、いちいち言っていてはキリがないが、私はやはり、主人公・ピップが寄せるエステラへの思いにもっとも打たれた。
    望みのない、ひたすらにみじめな恋。相手は自分をないがしろにし、自分は相手をどこまでも敬う。こう言うとまるで「マゾ?」と思われるかもしれないが、それは違う。この二人の抱えるもの、それは意思の不通なのである。大切なものの違い、自分の生き方に対する価値観の違い、と言ってもいいかもしれない。
    一方は誇り高く、感情に冷めた美女。もう一方は人生に迷いつつも、豊かな感情を失わず傷つきもがく主人公。
    このどちらもが、自分の大切なものを守るため、自分の人生のためにあがいている。二人は全く正反対の存在ながらも、お互いを認めたいと思って相剋し、自分の人生につまづくのだ。

    その二人の性格、そしてそれがゆえの擦れ違いを描くディケンズの筆は素晴らしかった。
    そしてこれはこの二人の関係だけでなく、全編に通しても言える。それぞれの立場、それぞれの物の考え方、その「違う」からこそ生まれる豊かで厚みのある世界観とストーリーが、この世のしがらみを吹き飛ばしねじ伏せる勢いで読者を魅了するのだ。
    世界は一つではない。そして、人生も一人ではない。
    ディケンズの描く世界はどこまでも雑多で、賑やかで、そして温かい。

    最初の80ページほどは、「一体いつ話が進むんだろう・・・?」と思ってうんざりしつつ読んでいたのだが、一度勢いがつけばあとはまっしぐら。様々な要素が詰まった魅力的なストーリーと愛嬌ある登場人物たちに魅了されっぱなしだった。

    面白かった!!!

  • 2015年2月7日読了。

  • 面白かった。遺産をもらえる相手がわかってから一気に面白くなる。

    3日たったけどまだ余韻に浸ってる感じ。

  • 読み応えたっぷり。上下巻をヒトツキくらいかけて読んでしまった。これからこの映画を観ようと思う。複雑な話だけど教訓の多い話。

  • ディケンズ晩年の代表作。
    新訳は、とても訳がこなれていて読みやすい。
    ちょうど150年前に書かれた小説なのに、読んでいて今日的な印象を受ける。訳のせいもあるのだろうが、描写がヴィヴィッドで、登場人物のキャラクターも生き生きとしている。19世紀の小説にありがちな、古色蒼然としたところがない。
    おそらく、産業革命で貧富の差が大きく拡大した当時のイギリスと、よく似た時代の変り目に我々が生きているからだろう。

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大いなる遺産 下 (河出文庫)の作品紹介

ロンドンで暮らし始めたピップは、同宿の青年の教えを受けながら、ジェントルマン修業にいそしみ、浪費を重ねる。恋いこがれるエステラとは次第に疎遠となり、虚栄に満ちた生活に疲れた頃、未知の富豪との意外な再会を果たす。ユーモア、恋愛、友情、ミステリ…小説の醍醐味が凝縮された、天才ディケンズの集大成。

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