コン・ティキ号探検記 (河出文庫)

  • 河出書房新社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309463858

作品紹介・あらすじ

古代ペルーの人々は太平洋をバルサ材の筏で渡り、ポリネシア人の祖先となったのではないか?その仮説をみずから実証すべく、古代の筏を複製したコン・ティキ号に乗り、五人の仲間とともに太平洋横断の航海に挑む-奇抜な着想と貴重な体験、ユーモラスな筆致で世界的なベストセラーとなった大冒険記。

感想・レビュー・書評

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  • 大層おもしろい。そして、これが事実だからまたたまらなくおもしろい。
    海は怖くて、素敵なところだなぁとつくづく思わずにはいられない作品。そして、古代人が本当にそうして海を渡ったかもしれないというのは、ロマンに満ち溢れている。

    この本を読んだことで、少し前に読んだ海民と縄文時代の本とか、柳田國男の海上の道とか、網野善彦氏のまつろわぬ民の話とか、ぐっとリアリティを持って迫ってくるように思える。

    仲間の一人が海に流された場面や、環礁に打ち上げられるラスト、ページをめくる手が否が応でも早くなってしまった。
    冒険はよい!

  • つまらなすぎて10ページで終了

  • ノルウェー生まれの人類学者であるトール・ヘイエルダール氏による太平洋横断のお話。古代ペルーの人々は太平洋をバルサ材の筏で渡り、ポリネシア人の祖先となったのでは無いか?この仮説を立て実行に移しちゃう。
    航海は101日、イカダの大きさは約12m×9mでエンジンは無く、船上は帆と掘建て小屋。6人の冒険者による旅路。沖に出てから、とびうおやらシイラ、マグロ、サメなどが筏の上に飛び込んできたり釣りをしたりして食糧に出来るのか!とか、水は沼みたいな味になるのかとか、知らなかったことやら想像できることが様々に織り交ぜられ最後まで楽しく読めた。
    ポリネシアのラロイヤ珊瑚礁に座礁し、上陸した後、島の酋長との出会いのなかで、彼らの伝説のティキが実在したというくだりの所が好き。この島も宣教師が来ていて、彼らの伝説を否定していたのを事実で覆し、彼らの伝説のティキが生きてたことの証明をしてあげたんだから、そりゃー歓迎もひとしおだったろう。

    ちょっと読みにくい部分もあったけど、トータルで非常に楽しい本でした。
    また、読みたい。

  • 原書名:KON-TIKI EKSPEDIASJONEN

    学説
    探検隊の誕生
    南米へ
    太平洋横断
    途の半ば
    南海の島々へ
    ポリネシア人たちの間で

    著者:トール・ヘイエルダール(Heyerdahl, Thor, 1914-2002、ノルウェー、人類学)
    訳者:水口志計夫(1926-2005、仙台市、英文学)
    序文:ドナルド・P・ライアン
    解説:椎名誠(1944-、世田谷区、作家)

  •  
    ── ヘイエルダール≒ハイエルダール/水口 志計夫・訳
    《コン・ティキ号探検記 1947‥‥ 20130508 河出文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4309463851
    https://www.kon-tiki.no/thor-heyerdahl/?lang=ja《漫画 1946》
     
     Heyerdahl, Thor 19141006 Norway Italy 20020418 87 /人類学、海洋生物学
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19690401 月刊アルペジオ No.1
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A5%A4%A5%A8%A5%EB%A5%C0%A1%BC%A5%EB
     
    (20181025)
     

  • 古代の人間は南米大陸からポリネシアへ筏で渡ったのではないか?という自らの学説を証明するために、実際筏で太平洋を横断したノンフィクション。ワクワクドキドキのまさに冒険物語。
    書いてあることはむしろ地味で、命の危険にさらされたような場面でも文体は終始落ち着いている。だが、これがめちゃくちゃに面白い。男ばかりのむさくるしい船上生活の呑気さ、毎日とっては食べる魚の旨そうなこと、嵐の激しさも晴れた海の雄大さも読む者の頭にまざまざと広がる。言葉も通じないポリネシア人と、笑い踊りながら交流する場面の楽しそうなこと。
    10代の時に読んだら熱に取りつかれたかもしれない。惜しいことをしたと思う。もっとも良い年になってから読むことの御利益もある。たとえば第1-2章あたりは実際に海に出る前の資金集めや折衝が描かれていて、子どもだったらこの部分は辛気臭くて飽きてしまうかもしれないが、おとなの目で見るとこれもまた冒険と思える。

  • ポリネシア人が南米から筏で渡ってきた、と考えたノルウェーの学者ヘイエルダールが実際に太平洋を筏のコン・ティキ号で渡り記した冒険記です。
    今まで日本で出版されたものは児童書のみでしたが、一般向けの文庫として仲間入りしました。
    訳者と対象読者が違えど、話の内容は一緒です。
    一般向けに訳されたものなので、情報量は増加し、表現の幅も広がっています。
    巻末解説に椎名誠さんが書かれているように、このノンフィクション冒険記を児童だけでなく大人も楽しまなくては勿体ないのです。
    コン・ティキ号にまるで寄り添って参加している気分になることのできる一冊。

  • 胸踊る冒険譚

  • 映画「コン・ティキ」の原作
    映画を観る前に、原作を読んだが、
    映画では表現が難しい細部に拘った原作はやっぱりいい。

    この冒険は1947年。男6名による航海であり、
    長さ15m、横10mのバルサ材で出来た筏で行った。
    出発点のペルー(カヤオ港)からゴールのポリネシア諸島、
    詳しくはツアモツ諸島のラロイア環礁に座礁するまでの距離、8000kmに及ぶ102日間の航海記録である。

    旅の始まりは、著者が人類学者であり、冒険家のトール・ヘイエルダールの
    こういう考え方が発端だった。
    当時の学者の常識では、ポリネシア人の起源は、東南アジアからの
    帆と櫂に頼り、航海して島に住み着いた者たちによるという説だった。
    しかし、ヘイエルダールの考えは違った。
    海流と風にのっていけば、物理的に筏でも可能であり、
    文明的にも、ポリネシア文明とインカ文明(南米)に相違点が多いことが
    ペルー等の南米からの起源が正しいということ。
    その証明をするために、今回の旅は開始された。

    さて、そう簡単にいく訳がないと、普通の人は考えるが、
    学者であり、行動的な著者は、あらゆる手を使って、資金集め、
    人材集めに能力を発揮する。

    本では、全体で8章からなっている。
    1章は学説。さきほど書いた、学者の考えから、作者の考えたを説明。
    2章は冒険する仲間集めのところ。
    3章は筏の材料である、バルサ材を南米にいって、伐採するところ。
    4章から6章までが、筏での太平洋横断のメインの部分。
    7章がゴール地点の手前の無人島などを発見するところ。
    8章がいよいよ、ゴールのポリネシア人との感動的なシーン。

    特に映画で感動的だったのは、ジベイザメとの出会いのシーン。
    本では、簡単に書いてあって、あまり気にしなかったが、
    映画では、こんな大きなサメと、どうやって出会って撮ったんだろうと
    感動した。
    最後のクライマックスシーンは、
    映画を観る人のために、あえて書かないが、
    ここは、本が詳しく書いてあった。

    映画を観る前に本を読んでいいことは、
    ストーリーの最後はわかっても大丈夫な冒険物とかはいい。
    その冒険が、どういう方法で行われたのかを知るのに、本を使い。
    映画では、冒険をどう表現して、どこを省いたのかを知るのも、
    映画監督になった気分ですごく楽しく観れた。

  • まだまだ装備や通信環境が不備であった時代に、よくこんな危険なことができたものである。おそらく死んでいても不思議ではなかったのに、平然と振り返って書かれた探検記は、何かとても楽しくてわくわくするものだった、という印象しか与えない。凄いバイタリティだ。

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