猫のパジャマ (河出文庫)

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 319
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309463933

感想・レビュー・書評

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  • レイ・ブラッドベリの短編集。どの話もなんとなく物悲しく、でもその物悲しさが良いなぁと思える話ばかりだった。SF作家として有名だが、SF的要素はあまりなかったように思う。
    私は特に「マフィオーソ・セメント・ミキサー」という話が気に入った。過去にタイムワープして、スコット・フィッツジェラルドに未完の大作『ラスト・タイクーン』を書き上げさせる話。フィッツジェラルドが完成させた『ラスト・タイクーン』なんて、読みたすぎる!!

  • この胸に迫る郷愁はなんなのでしょう。アメリカ人でもなきゃそんなに年齢を重ねてるわけでもないのに、泣きたいような懐かしい気持ちになるのです。

  • 祝文庫化!

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    「猫を拾った男女をめぐる極上のラブストーリー「猫のパジャマ」、初期の名作「さなぎ」他、珠玉のスケッチ、SF、奇譚など、ブラッドベリのすべてが詰まった短篇集。絶筆となったエッセイを特別収録。」

  • 途中まででタイムアップ。おしゃれで可愛くてこそばゆいお話がいっぱいだった。
    ラジオで、たまたまブラッドベリの名言を知り(一晩ぐっすり眠ること、十分間泣きわめくこと、チョコレート・アイスクリーム一パイント分、あるいはこの三つの全部、これがいい薬なんだ)、さらには気になっていた作家さんの名前の由来がまたブラッドベリだと聞き、こんなに何度も聞くのは何かの縁かと読み始めた。これしか書架になかったから、もう少し深掘りしたい作家。

  • ・「猫のパジャマ」という表題で、しかも表紙カバーにはネコたちの絵が踊っている。だが、収録された21篇ほどの短編のうち、ネコに関するものは、標題作のみ。ネコ人気にあやかった編集かも。

    ・「猫のパジャマ」は、とてもシンプルでわかり易いお話。夜のハイウェイに子猫が! そこに、それぞれ別方向からクルマを走らせてきたドライバーの男女が…。子猫を救い出そうと手をのばしたその手がふれあう。そして、自分がひきとるのだ、と互いにゆずらない。やがてふたりの距離が縮まってゆく…。
    そんな素朴で、あったかいお話。

    その他、ブラッドベリらしいというべきか、タイムリープ、タイムマシンものがちらほら。
    ・「夜明け前」は、どうやら未来世界からやってきたらしい、風変わりな夫婦のお話。
    ・「マフィオーソ・セメント・ミキサー」は、生セメントが固まらないように回る、あのドラムみたいな装置のかたちをしたタイムマシンが描かれる。
    スコット・フィッツジェラルドの大ファンの男が、この作家の創作人生を改善させようと、そのタイムマシンで過去の改変を試みる。フィッツジェラルド最期の作品にして未完の小説「ラスト・タイクーン」が、きちんと書きあがるように過去に働きかけるのだ。ミキサーのなかにフィッツジェラルド全集やら、作家の関連アイテムなんかを放り込み、ぐるぐる回す…。

    解説によると作者ブラッドベリは、フィッツジェラルド、ワイルド、メルヴィル、ポーに心酔していたという。

  • 池袋・梟書茶房で出会った本。
    (全ての本にカバーが掛けられて売られており、あらすじで本を選ぶ体験)
    短編集であるが、時代背景(少し前のアメリカ)をよく知らないので結構読むのが大変だったが、せっかくであった本なので読みきった。
    読んでも意味が理解できない話もあったので、また知識を付けて読み返したい。

  • 数十ページずつの短編なのにまるで舞台作品を連続して観劇しているかのよう。それも1つごとに全くの別ジャンルや時代観だし、登場人物もシチュエーションも多彩。テンポもよく軽快で、いろんな種類の戯曲を次々読んでいる気持ちになれるしめちゃくちゃ満足度が高い。

    ブラッドベリの作品はじつは絵本の『夜のスイッチ』しか読んだことがなくて、そういえばSFの巨匠よね…と傑作短編集との評判でこの本から手を付けたのですが最高でした。好きだな〜!!

  • 華氏451度を読んだ流れで、新旧織り交ぜた短編集を読む。

    なにより、猫という題名と装丁に惹かれたのが大きい!
    気楽にさらりと一編ずつ読むのに最適な本。

  • ノスタルジックな話が多い短編集。
    ブラッドベリの本は、不思議な感じが好きでよくよみます。でも、文化的な知識があれば、もっと理解出来るのかも。

  • いろんなごたまぜブラッドベリ。?もあれば すごい皮肉も、優しさもある。

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著者プロフィール

1920年、アメリカ、イリノイ州生まれ。少年時代から魔術や芝居、コミックの世界に夢中になる。のちに、SFや幻想的手法をつかった短篇を次々に発表し、世界中の読者を魅了する。米国ナショナルブックアウォード(2000年)ほか多くの栄誉ある文芸賞を受賞。2012年他界。主な作品に『火星年代記』『華氏451度』『たんぽぽのお酒』『何かが道をやってくる』など。

「2015年 『たんぽぽのお酒 戯曲版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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