精霊たちの家 下 (河出文庫)

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制作 : Isabel Allende  木村 榮一 
  • 河出書房新社 (2017年7月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309464480

精霊たちの家 下 (河出文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 大雑把に把握すると、女性三代記にして男性一代記(夫として父として祖父として)。
    女性はみな個性的。
    彼女らの性格は生まれつきのものに加え、育った時代の雰囲気の現れにもなっている。
    グラデーションとしては、牧歌的→政治的。夢→悪夢。
    三代の女性に対して背骨としてエステーバンがいるが、彼は夫として父として祖父として活躍呻吟する。
    もう少し詳しく把握すると、

    1-4章
     ……マジカルで牧歌的な生活。クラーラとエステーバンの世代。
    5-10章
     ……身分違いの恋愛と社会主義。ブランカ、ペドロ・テルセーロ、ハイメとニコラスの双子、アマンダの時代。
    11ー14章・エピローグ
     ……リアリスティックに展開する軍事クーデターと独裁。政治的惨劇。アルバ、ミゲルの時代。エステーバンは老いる。

    場所としては、
    首都。お屋敷町にある「角の邸宅(おやしき)」。
    南部ラス・トレス・マリーアスの農場。
    を行き来する。

    時代としては、
    資本主義→数年間、社会主義の大統領(ただし共産主義的独裁ではない)→軍部の独裁(独裁は一時のことだろうと資本家ははじめは楽観)
    wikipedieによれば、
    「チリ・クーデター(スペイン語: Golpe de Estado Chileno)とは、1973年9月11日に、チリの首都サンティアゴ・デ・チレで発生したクーデターのこと。世界で初めて自由選挙によって合法的に選出された社会主義政権を、チリ軍が武力で覆した事件として有名である。」→ピノチェト独裁政権。

    連想できるのは、「百年の孤独」「嵐が丘」「赤朽葉家の伝説」。
    エステーバンには「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のダニエル・デイ・ルイスをイメージしたりした。

    一冊で三色。大満足。

  • ちょっとね、受け止め切れないくらい、どっしりと重い。
    歴史は、代から代、口から口へと伝わるごとに重量が増していくね。
    特にこの(下)に入ると、濃くてつらくて濃くて。途中で、泣きながら「ミゲル!」と叫んでしまいそうに。

    「精霊たちの家」は、マルケスの「百年の孤独」と比べられたり模倣と言われたりするようだけれど、「百年の孤独」とはまた違う感触で、もっと生々しいと思う。。。

  • ガルシア=マルケスの「百年の孤独」との類似性を指摘する声が多いというが,それは間違いだと思う.確かに南米を舞台にして三世代におよぶ大河小説で,エキセントリックな登場人物達に加えて精霊が出てくると聞けば,そのような連想があっても不思議ではないが,この本はチリのピノチェトのクーデターによって死んだアジェンデ大統領の親族であるイザベル=アジェンデが,恐らく自らの体験に,肉付けして書き上げた悲劇であり,また現実である.少なくともジャングルのような息苦しさは感じない(これはもちろん舞台がジャングルではない,という単純な違いではない).前半のフワフワしたような捕らえどころのない奇譚の連なりは実は単なる前振りで,すべて最後の惨事に向かって疾走してゆく.「百年の孤独」とは全く違ったベクトルで傑作である.

  • 精霊の時代から暴力の時代まで、百年を記したラテンアメリカの女性三代記。

    アジェンデはこれをどのような気持ちで書いたのだろう。
    幼少時代の懐古、祖国への郷愁、
    圧制への抵抗、復讐心の解放?

    それら様々な感情・出来事が、登場人物たちに注がれ、
    繋ぎ、交差し、引き継がれ、編まれていく因果の織物。

    物語の力にただただ圧倒される。

  • 上下巻纏めて。
    南米文学独特のスケールと想像力に圧倒される。三代に渡る物語をじっくり読むのは楽しかった。
    帯にも巻末の解説にも『百年の孤独』が挙げられており、確かに共通点があるのだが、私としてはこちらの方が好みだった。

  • 南米チリの女性三代にわたる物語。
    南米文学特有の非現実的な出来事を交えながら物語が語られるものの、突飛すぎるわけではないので、ガルシア・マルケスやリョサといった作家に比べれば、比較的読みやすいと思います。
    女性は三代ですが、その女性を見つめる男性は一人です。
    その男性の目を通した描写もあります。
    どんどん先を読ませてくれるストーリー性がいいです。
    南米文学入門編、といったところでしょうか。
    ご興味ある方は、ぜひ。

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