橋本治小説集成 5

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309603759

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    129頁:君は、僕とは違う常識の中にいて、その常識で、僕の持ちたがっている、僕の捕まえたがっている常識を、仲間はずれにしようとしている。僕は、そんな違うモノサシで、僕が捕まえたがっている大切なものを、ヘンな風に測られるのなんかいやだ。
    140頁:”恋って素敵よ”なんてさ、”大人”のさ、女になんか言われたって、絶対に、少しもちっとも嬉しくないもん。だって、そういう女は絶対に、男の手ェ捕まえて―絶対に逃がさないって、すっごく強く捕まえて、それで、自分の孤独って、ごまかしてるだけだって、そう思うもん。
    144頁:誰だって、「一人で生きてかなきゃいけないなんて、嘘だよね」って、言われたがってるし、言いたがってる。「そうだよね、そんなの嘘だよね」って、そう言われたら、みんな平気で生きていけるのに、でも、絶対にそんなことって、気がつかないんだ。バカだから。

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著者プロフィール

1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。小説、戯曲、舞台演出、評論、古典の現代語訳ほか、ジャンルを越えて活躍。著書に『桃尻娘』(小説現代新人賞佳作)、『宗教なんかこわくない!』(新潮学芸賞)、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞)、『蝶のゆくえ』(柴田錬三郎賞)、『双調平家物語』(毎日出版文化賞)、『窯変源氏物語』、『巡礼』、『リア家の人々』、『BAcBAHその他』『あなたの苦手な彼女について』『人はなぜ「美しい」がわかるのか』『ちゃんと話すための敬語の本』他多数。

「2019年 『思いつきで世界は進む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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