君が地球を守る必要はありません (14歳の世渡り術)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309616605

作品紹介・あらすじ

テレビや先生が教えるエコ常識をゴミ箱へ!環境問題の「ウソ」を正す、本当の教科書。

感想・レビュー・書評

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  • 紙ストローにムカついて環境問題に興味を持ち始めて読んだ本。
    最後の方の、温暖化になると南極の氷は増える、とか、北極の氷が溶けても海水面に影響は無いとか、冷静に考えれば「確かに」ってなることがたくさん解説されてて面白かった。(もちろんここに書かれてない他の複雑な問題とかはあるんだろうけど)
    あと、都会に住んでる人が森林を守りたがってるみたいなやつとかも、たしかになーって思った。現地の人が守りたいかどうかって考えたこと無かったなぁ。
    茶碗捨てないのにペットボトル捨てるじゃん、とかも、結局お金儲けのために戦争が無くならないのと同じだよね( ´・ω・`)

    自分で考えたり調べるって大事っていうメッセージが良いところ!

  • この本に対しての感想は、賛否両論分かれると思います。
    私は筆者に近い意見を持っていた為、すんなりと読む事が出来ました。
    ただ、筆者が言うゴミ問題に関して、CO2は問題無いと言うところは同意だが、ゴミの量に関しては20分の1とは言いながらも、果たしてそれで本当に今後問題無いのかというところを取り上げると、説得力に欠けると思います。

    CO2問題を主に書いていますが、この本の本筋はそれでは無いことが非常に良いところです。

    「情報を鵜呑みにせず、学校で習ったことを使って自分で考える習慣をつけてもらいたい」

    「日本だけで環境問題を考えてはいけない」

    「自然は大きい、人間は小さい」

    これに尽きるとおもいます。
    常に子供に伝えたい大事なことです。


    学校では環境問題の授業があります。
    私は違和感を感じています。
    それに洗脳されるかのように、生徒の意見は表面だけの綺麗事に感じます。
    なぜもっと宇宙規模で、世界に視野を広げて教えないのか。
    もっと広い目で、たくさんの知識と資料を元に物事を考える力を養うことの大事さを、この本をきっかけに子供たちに気づいて欲しいと思いました。

  • 「14歳の世渡り術」シリーズ。
    武田先生は「リサイクルは無駄」という主張で一躍有名になった方。
    タイトルもちょっとセンセーショナル。

    ・ペットボトルリサイクルの無駄
    ・地球温暖化は本当なのかまだわからない
    ・温暖化して南極や北極の氷が溶けても海水面は上がらない
    ・石油は節約したところで近い将来なくなるのは同じ
    ・森林を破壊した国が森林保護を発展途上国に求めるのはエゴ(便利な生活を享受したいのは誰も同じ)
    ・人間の未来なんて、現時点での延長上でしか考えられないから外れやすい(それまでに人間の知恵で乗り越えられる)

    などについて述べられていて、私たちが誤った知識や情報に基づいてジャッジしていることに気づかされる。

    アル・ゴアの「不都合な真実」
    江本勝の「水は答えを知っている」

    なども、みな信じてしまうが、ちょっと考えたらウソだらけだとわかるのだが、こういうワナにひかからないために科学的な思考を持つことや、情報を鵜呑みにしないこと、真実を見極めることの重要性を武田先生は主張している。このあたりは、同じ叢書の不肖・宮嶋氏も訴えるところだ。

    が、武田先生の話も鵜呑みにはしていけない・・・

    随所に、いきなり論旨が飛んでしまうところがあったり、言葉足らずのところもあるのは、この先生のクセだと思う。「たかじんのそこまで言って委員会」などで話すときでもそうだ。

    先生の主張は「何もしなくてもなんとかなるさ」的に聞こえてしまうのだが、かといって何をしてもいいということにはならないと思う。
    未来に何か解決策や代替案が生まれるだろうから、気にしなくていいといっているかのようだ。
    確かに未来なんてわからないとはいえ、未来に問題先送りばかりにはできないだろう。本当になんともならない可能性だってあるのだから。

    先生の主張は「ガイア」思想なのだが、かといって、例えば原発事故のように、人間がガイアの偉大なる営みにゆだねられないような問題を引き起こしてしまうと「なんとかなるさ」とは言えないだろう。

    もしかして地球や宇宙の悠久の歴史のなかでは、放射能汚染というのはひとつの出来事でしかなく、そこで苦しむ人々がいるというのも、一量子レベルでの話でしかないのかもしれない。
    でも、私たちは今、この瞬間に悩み苦しむわけで、「今」の問題を今こなしていくしかなく、ゴミを増やしていいわけでもなく、放射能を撒き散らしていいわけでもなく、何をしてもいいということにはならないと思うのだ。

  •  部活の合宿中に読了③。合宿施設に立てかけてあった本を偶然読むことに。テレビでもおなじみの武田邦彦氏の著作。地球温暖化について子ども向けに説きおこしている本であるが、文系的な本に偏りがちになってしまう私にとってははじめて知ることも多く、勉強になった。CO2で多くのものができていること、リサイクルすることの無駄(な側面)、予言をしてしまう人間の心理など、直接地球温暖化には関係なさそうなことも面白おかしく読めてしまう(実は内容的にも関係しているのだが)。先進国に住む私たち日本人が、便利さを思う存分享受しながら、発展途上国で森林を守ろうというのは、エゴだと喝破する氏の説明には、深くうなずかざるをえないものがあった。
     また、本題の地球温暖化も、環境問題の「程度問題」、データの物語る事実、予想するということ自体につきまとう限界に触れ、あえて題名のような主張をしてみせることで、真実を自分の目で追究する大切さについて繰り返し語ってくれる。子ども向けではあろうが、大人でも十分に意義のある一冊であった。

  • テレビでおなじみ、武田さんがちまたの環境保護のウソを暴きます。

    中学生がこの世界とどう向き合っていくか、そんなコンセプトのこの「14歳の世渡り術」シリーズは普通見られない社会の側面で活躍する人が多く執筆していてとても読み応えがあるのですが、この本はその中ではちょっと異色の著者と内容です。武田さんといえば、まあ、界隈で名の知れるようになった方で科学者でもあり環境に対して一家言持っている人でもあり、最近ではネトウヨのアイドルでもあります。
    で、内容はといえばほとんど覚えていません。最後まで読めなかった、ということもありますが、覚えておく内容ではなかったのです。じゃあここで何を記録しておきたいかというと、読者を馬鹿にする本というのがあるのだ、ということです。
    この本では冒頭に「二酸化炭素はそんなに悪いのか」という章があります。これは言わずと知れた地球温暖化に言及した章で、武田さんの立ち位置は地球温暖化否定論なのですが、その論点が「CO2悪者説のウソ」、つまり、温暖化論者はCO2が悪いと言っているけどそれはウソだ。ということなんです。さて、地球温暖化は多くの科学者もそうでない人もすでに理論とともに体感としても理解していることでしょう(原因はともあれ)。その中で、特に科学者の中で「CO2は悪者だ」と言った人が果たしているでしょうか。まずいません。なぜなら地球温暖化はCO2そのものではなく、大気中における(CO2をはじめとした)温室効果ガスの濃度の問題である、ということをみんな知っているからです。これを中学生に「CO2は悪くない」というのはちょっと許しがたいミスリードで、真摯な議論とはとても見えません。
    さてさて、そんなミスリードはたまたまこの本だけじゃない?とも思ったのですが、実は武田さんの著作のいくつかでこうしたミスリード手法を見かけました。つまり、これは武田さんの得意とするレトリックなんでしょうね。こうもたくさんミスリードを多用する、というのは、相手にはわからないだろう、と馬鹿にしているからできることです。つまり武田さんは読者を馬鹿にして文章を書いているんだろうなあ。
    そんなこんなで、その後も数章読みましたが、基本的には環境保護論者を腐して「地球のリソースは気にせずバンバン使え」といってる本で、正しいことを書いていると思える章もあれど、ウソやミスリードを使って乱暴な議論をふっかけられると、馬鹿にされているなあ、と感じて読む気が失せてしまい、読破に至らなかったのです。実はこんな本て初めて出会いました。
    魂を削って一文、一章を書く。そうして読者に魂をぶつけるような文章を書くことは、読者を対等な人間としてリスペクトしているからこそできることでしょう。そんな本にたくさん出会って、今でも豊かな人生を送らせてもらっています。だからこそ僕は物書きに対して大きなリスペクトを持っています。武田さんも影響力のある人間として、たとえ中学生といえども(中学生だからこそ、か)真正面から目と目を合わせて語ってくれるような、そんな本を書いて欲しかったと思います。

  •  
    ── 武田 邦彦《君が地球を守る必要はありません ~
    14歳の世渡り術 20100514 河出書房新社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4309616607
     
    …… 
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C9%F0%C5%C4+%CB%AE%C9%A7
     Takeda, Kunihiko 資源工学 19430603 東京 /東京大学卒/1966-1993 旭化成
    https://booklog.jp/users/awalibrary?display=blog
     
    (20211221)
     

  • 二酸化炭素=悪者ではない。善悪を100%で判断するのではなく、多くの物事にはグレーゾーンがある。そして、正しいと思ったことを覆すのも難しい。常に、思い込みかもしれないという気持ちを持って、情報を疑うことが必要なんだろう。特に、人に教えるときは、影響力があるということを忘れずに、調べたり調べさせたりすることが大切なのだと思った。

  • 環境に関する本。世界はCO2で出来ているいうくだりから始まり、温暖化に対して科学的見地からの意見が面白い。

  • 地球は温暖化していない。温暖化しても何の問題もない。温暖化すると南極の氷はむしろ増える。ツバルが沈んでいるのは地盤沈下のためである。ペットボトルのリサイクルは資源の無駄遣いになる。ゴミは減らす努力をしても10~20%減るだけだが、高性能の焼却炉で完全に焼却すれば1/20になる。排煙から亜硫酸ガスを取り除く技術ができたので、以前と比べて日本の空はとてもきれいになっている。同じく、川の水もきれいになっている。
    だから、今の日本では環境問題は何もない。
    メディアなどからの様々な情報は鵜呑みにせず、自分で調べ、考えて判断しよう。という主張である。
    この本は中学生向けに書かれているが、同じ著者の一般向けの本も出ており、やはり、環境問題にはウソが多い事を訴えている。
    著者の主張もやや行き過ぎの感があるが、環境問題を色々な面から考察するためには、面白い本である。

  • ECOや環境問題も多角的な見方が必要。自分の頭で考えること。その大切さを説いていることが、この本の本質だと思う。

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著者プロフィール

1943年東京都生まれ。工学博士。専攻は資源材料工学。
東京大学教養学部基礎科学科卒業後、旭化成工業に入社。
同社ウラン濃縮研究所所長、芝浦工業大学教授、名古屋大学大学院教授を経て、2007年より中部大学教授。
テレビ番組「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日)などに出演。
著書『ナポレオンと東條英機』(KKベストセラーズ)、『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』3部作(洋泉社)他ベストセラー多数。

「2017年 『武田邦彦の科学的人生論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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