どんがらがん (奇想コレクション)

制作 : 殊能 将之 
  • 河出書房新社
3.40
  • (12)
  • (16)
  • (44)
  • (3)
  • (3)
本棚登録 : 236
感想 : 31
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309621876

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これも「なんでかわからないがWishlistにはいっていた」本の一つ。殊能将之が編者ということで、変な話が多いのだろうな・・と思って読み始めたのだが、想像以上に変な話ばかりで、途中読むのがやや辛かった。基本的に読む人を選ぶ作家なのだろう。

    例えば巻末の解説では絶賛されている「ゴーレム」など、僕の感覚ではストーリーがどこにあるのか全然わからず、楽しみ方がわからずじまいだった。一方で「さあ、みんなで眠ろう」や「ナイルの水源」のように、ちょっと奇妙な話ぐらいのテイストであれば、その訳の味わいとあわせてすいすいと楽しむことが出来る。

    読む人を選ぶ作家だろうので、誰にでもお勧めすることが出来る作品ではない。そして、この本を読んでいて一番驚いたのは殊能将之が既に鬼籍にはいられていたこと・・・。全然知らなかった、合掌。

  • なんだろうこの話と思いながら最後に辿り着き、そういう話だったかと思ったり、なんだったのだろうこの話はと思ったりした。感じとしては後者が多かった。
    良いなと思う話もあったが、どう読んだらよいのか、いや、どう楽しんだら良いのかわからない話が多かった。
    不幸な結末を迎える話(かなり多い)でも後味の悪さはなく、カラッとした読後感があった。また、書かれたのは昔だが、古臭さは感じなかった。
    面白いともつまらないとも言えず、とにかく今の自分には入りこめない本だった。

  • 河出書房の「奇想コレクション」シリーズより。
    殊能将之・編。

    シリーズ全書読みたいのだけど、まずはいちばん気になるものを。

    表題作の『どんがらがん』はもう、それはそれはバカバカしい痛快スラップスティック。深読みの楽しい仕掛けも散りばめられててサービス満点ですね。最高です。

  • 短いのでいくつかいいのもあったけど、全体的にはあんまり好きじゃない。

  • 短編集。いくつか読んだ。
    よくわからないのが多い…
    「ナポリ」は、読んだ後は意味がわからなくてモヤモヤするけれど、そのモヤモヤが尾を引いて癖になりそうな、面白い作品だった。

    2014.02.01

  • このアヴラム・デイヴィッドスン傑作選「どんがらどん」を編んだ殊能将之が亡くなられたそうです、ご冥福をお祈りします。
    (【かわくらメルマガ】vol.8で知りました、中村融による「Tさんのこと――追悼・殊能将之」ジワっときました)、、、

    「どんがらどん」には『ゴーレム』(浅倉久志:訳)が載っていて、買って読まなきゃと思いつつ。。。これを機に購入します。

    河出書房新社のPR
    「才気と博覧強記の異色作家デイヴィッドスンを、日本の誇る才気と博覧強記のミステリ作家殊能将之が編む。ヒューゴー賞、エドガー賞、世界幻想文学大賞、EQMM短編コンテスト最優秀賞受賞! 全16篇。」

  • 空前絶後の輝かしい受賞歴をもち、キプリングやサキ、
    G・K・チェスタトンに比肩すると評される
    異色作家アヴラム・デイヴィッドスン。
    彼が遺した多くの短編作品の中から、
    現代日本における異色作家・殊能将之が選んだ、
    表題作「どんがらがん」を含む全16編を収録した傑作選。
    河出書房の“奇想コレクション”第7回配本。

    デイヴィッドスンの名前を知ったのは、
    殊能将之のホームページ内にある読書日記でのこと。
    だから、氏が編纂したこの作品集には以前から興味があった。

    日本人の作品ばかり読んでいると、
    この種の短編に触れる機会はあまりないような気がする。
    実際、自分も初めて味わうテイストの作品ばかりで戸惑った。

    「ゴーレム」や「クィーン・エステル、おうちはどこさ?」、
    「尾をつながれた王族」「グーバーども」のように
    “理解”という方式で作品を受け入れようとする読者を
    悠然と置いてけぼりにする作品もあるかと思えば、
    「物は証言できない」「さあ、みんなで眠ろう」のように
    テーマがわかりやすい形で伝わってくる作品もある。
    「ラホール駐屯地での出来事」や「すべての根っこに宿る力」は
    本格ミステリ風の雰囲気を漂わせていて好みだし、
    「サシェヴラル」「パシャルーニー大尉」あたりは
    語られないバックグラウンドを想像させる奥行きの深さがある。
    「さもなくば海は牡蠣でいっぱいに」は、
    タイトルと奇想の飛びっぷりだけで充分に素晴らしいし、
    「眺めのいい静かな部屋」は、地味であるが
    ユーモラスかつ少し暗い雰囲気が秀逸だ。
    「そして赤い薔薇一輪を忘れずに」に関しては
    正直、その意味を完全に把握できたという自信はない。
    「ナポリ」は一瞬の幻覚のような素敵な逸品。
    「ナイルの水源」「どんがらがん」などはやや長いが、
    プロットもアイデアも何もかもが愉快で飽きさせない。

    いずれの作品も、アイデア、文体、物語の展開、
    ディテールの作りこみ方など、すべてがユニーク。

    意味などわからなくてもいい。
    わかろうとする必要もないし、
    また、どうせ意味などわからない作品も多い。
    ただ素直に、ひとつひとつの短編の世界に入っていけばいい。
    よくわからなくても、きっと素敵なひと時が過ごせるはずだ。

    ただもちろん、この作品集が“傑作選”たりえたのは、
    編者である殊能将之の手腕によるところも大きいのだろう。
    殊能氏の批評眼の鋭さには感謝せねばなるまい。

    日本での知名度は極めて低いデイヴィッドスンの、
    最新の作品集にして、決定版と言っても過言ではない一冊。
    日本ではあまり読めないタイプの素敵な短編がぎっしり。
    値段は高いが、装丁も素晴らしいし、買って損はしない本だ。

  • 収録作品
    ・ゴーレム
    ・物は証言できない
    ・さあ、みんなで眠ろう
    ・さもなくば海は牡蠣でいっぱいに
    ・ラホール駐屯地での出来事
    ・クィーン・エステル、おうちはどこさ
    ・尾をつながれた王族
    ・サシェヴラル
    ・眺めのいい静かな部屋
    ・グーパーども
    ・パシャルーニー大尉
    ・そして赤い薔薇一輪を忘れずに
    ・ナポリ
    ・すべての根っこに宿る力
    ・ナイルの水源
    ・どんがらがん

  •  SFとミステリを、宗教とか呪術とかで味付けした変な短編集。すんごく読みにくいしハズレ方もでかい。意味わかんないのはほんとにわかんない。でもたまに大当たりを出す。そんな感じ。


     特に気に入ったのはこの3つ。

    「さあ、みんなで眠ろう」
     どっかの惑星で、人間によく似たヤフーって原始人が発見される。狩りの対象にされたり慰みものにされたりして雑に殺されてるそいつらを、主人公がどうにかして救おうとするはなし。ラストが切ない。

    「すべての根っこに宿る力」
     冒頭からしばらく、主人公の体調がどれくらい悪いかって描写が延々と続くだけで退屈だなーと思ってたら、たった一文で本格ミステリになっちゃった。この犯行動機はおもしろいなー。
     ただ、タイトルがほとんど内容と関係ない。

    「どんがらがん」
     SFだけどドリフターズ的な要素もあるし、異世界召喚ものっぽくもあるという、かなり今っぽいネタの短編だった。わかりにくいけどギャグいっぱいだし、ラノベっぽいかも。
     猿の惑星が1963年でこれが1966年か。アレんとこはもろ影響を受けてるな。

  • 奇想コレクションって奇想漫画家駕籠真太郎も入れたらいいのに、ね。

全31件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1923年、アメリカ、ニューヨーク州ヨンカーズ生まれ。アメリカ海軍やイスラエル陸軍での軍人経験を経て、1950年代より本格的な執筆活動を始める。58年にヒューゴー賞短編小説部門、61年にアメリカ探偵作家クラブエドガー賞短編部門、76年と79年には世界幻想文学大賞を受賞。60年代には、エラリー・クイーン名義で「第八の日」(1964)と「三角形の第四辺」(65)を代筆した。80年代にシアトルへ移住し、退役軍人用保護施設へ入居。1993年、死去。

「2022年 『不死鳥と鏡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アヴラム・デイヴィッドスンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×