失われた探険家 (奇想コレクション)

著者 : パトリック・マグラア 宮脇孝雄

• 河出書房新社 (2007年5月1日発売)

感想・レビュー・書評

[saigehanさんの感想 · 2019年3月9日]

狂気が描かれる。特別なこととしてではなく、全ての人間が狂人であるといった前提。ジャンルはニューゴシックだと。読み始めは、もう亡くなっている人の復刻かと思ったが案外最近の作品。父上が最凶の精神病院の院長に若くして勤務した人物らしいが、成長発展時に存分に影響を受けていそう。本人は明らかに健やかで、読み物の中であるからこそ自由に表現している。どれも面白いし好きだが「悪臭」「もうひとりの精神科医」など後半の「信頼できない語り手」からの抜粋がより好み。ぜひ他の作品も読んでみたい。

[ゆづるはさんの感想 · 2011年9月26日]

気がつけば、目をかっと見開いて読んでしまっていたほど、ぐいぐい引きつけられる短編集だった。基本的に暗い視線を通して語られるので、爽やかな物語が読みたい人にはおすすめできないが、ねちねちした感触やエログロをちょっとだけ（でもじっくり）味わってみたいという人にはよいかもしれない。

[小簾さんの感想 · 2010年12月19日]

好：「天使」「黒い手の呪い」「アーノルド・クロンベックの話」「長靴の物語」「蠱惑の聖餐」

[_0x0_さんの感想 · 2009年12月12日]

おもしろいけど、気持ち悪いよ！
「アーノルド・クロンベックの話」「血の病」「長靴の物語」が良かった。そう来るとは！ とまさかの展開。「血の病」は場面場面のドラマチックさも良い。B級ホラー映画にしたい。「吸血鬼クリーヴ」「もう一人の精神科医」もイラーっと来る気持ち悪さが面白かった。

[sweetcakeさんの感想 · 2007年5月31日]

12歳の少女が庭で見つけた、行方不明の探検家――現代のポーと激賞される
異色作家が綴る、グロテスクで官能的な世界。SF寓話からゴシックホラーまで
全19篇。待望の全短編集。