星を創る者たち (NOVAコレクション)

著者 :
  • 河出書房新社
3.25
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本棚登録 : 177
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309622224

感想・レビュー・書評

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  • 宇宙開発(インフラ整備)を主体としたSF連作短編集。
    SFで完成されたシステム説明はあれど宇宙での土木開発ものは珍しいよな…と思い借りてみたが…自分のSF脳&関連知識が足りずイマイチ理解と没入しきれず。
    最終話にて予想外の展開になり驚くが、ある意味自分が考えていたカタルシス(開発終了の兆し)では無かったのも没入しきれなかった理由かも。
    読みながらなんとなくシン・ゴジラを思い出すなど(怪獣は出てこないが会議シーン等でなんとなくシンゴジの映像が浮かんだ)

  • ☆4つ
    よく似た題名の本に名作『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン著、がある。
    そこまでの秀作とはいわないけれど、この『星を創る者たち』も結構やるのであった。
    全部で7つの短編作品から成るのだけれど、最初の3篇をとある雑誌に書いてから、あと残り4編を書き始めるのに20年以上の時が経ってしまったようだ。どうりで前半の篇と後半との間にはなんだかかなり雰囲気の違いがある。作者はその違いを(前半の作品は)下手くそである、とあとがきで述べている。まあそう言われればそんな気もするが。ま、いいでわないですか。

    (以下全くの余談です。この本を読んでいて突然昔子供の頃に読んだエドモンド・ハミルトンのSF傑作『キャプテン・フューチャー』のことを思い出した。昔読んだのはもちろんハヤカワSF文庫であったが全話を読破した記憶は無い。調べたところ最も近々では2004―5年にかけて創元SF文庫から刊行されたものがある。ハヤカワSFの時の2話づつを、アメリカで発表された1940年代オリジナルの発表順に一冊の文庫にしている。このオリジナル順といういのがなんとも嬉しくて、確かハヤカワSFではそうはなっていなかったと記憶する。この創元SF文庫版、新刊はもちろん既に無い。少し期待しながらブクオフなどで調べたが大半の刊が品切れ状態だ。うーむどうしても読みたいのだ)

    • diver0620さん
      ryoukentさん、こんにちは。
      なぜ、「キャプテン・フューチャー」につながったのか気になりますが・・・僕も早川版も古本で集めていたので...
      ryoukentさん、こんにちは。
      なぜ、「キャプテン・フューチャー」につながったのか気になりますが・・・僕も早川版も古本で集めていたのですが、新鮮な感じのイラストに惹かれて創元SF文庫版で読み直しました。シールを集めてポストカードまでもらったりして。たまぁに読みなたくなるんですよね。
      2013/12/29
    • ryoukentさん
      diver0620さん
      コメントありがとうございます。
      づいぶんとお久しぶりの様な気がします。
      なぜ「キャプテンフューチャー」へ、とい...
      diver0620さん
      コメントありがとうございます。
      づいぶんとお久しぶりの様な気がします。
      なぜ「キャプテンフューチャー」へ、という事を書くと、少しネタバレ領域に侵略しますが、書いてもいいですかw?
      2013/12/29
  • #日本SF読者クラブ 「土木宇宙シリーズ」とある。自分もそっち系の仕事なので、興味深く読めた。最後は、「エッ」となった。帯には、「衝撃の結末に瞠目せよ」とある。

  • 宇宙の建設現場を舞台に描かれる短編集。1作目が書かれたのが30年前。当時は宇宙そのものの描写が新鮮に読まれたんだろうと思うが今読むとちょっと地味かも。ありそうな近未来として淡々と読んでしまった。その連作としての最終話で提示される真相はやや飛躍してると感じました。面白い視点ですけどね。

  • 宇宙開発も本格化すると、生活基盤や拠点の建設といった要素は避けて通れない。
    そんな、インフラ構築という観点からの宇宙小説群。
    第一話「コペルニクス隧道」で出てくる粉体と流体の性質をもつ物質「レゴリス」が出てきます。思わずクラークの名作「渇きの海」を思い起こさせます。厳しい自然を相手にするシリーズの最終話で、あのひねり。う~ん、個人的には微妙な感じでした。

  • 土木SFが超進化

     土木シリーズ短編をまとめたものだが、書き下ろしの表題作が圧巻。かなり無理があるものの、バクスター風のスペース・ファンタジーで締めくくっている。

     土木シリーズのエンディングにはそぐわないし、土木シリーズの登場人物総動員の割にはそれぞれの役割が希薄だったりするんだけど、うまくまとめたなぁって感じ。20年の集大成だから敬意を表しよう。

  • 近未来、太陽系の至るところで、現場に命を懸けて工事を遂行する土木技術者が現れるのかなぁ。予期せぬトラブルにあらゆる可能性を探りつつ、正確な判断を下さねばならない。責任は己の肩に全て掛かっている。でも、決して現場から離れることはない。ストーリーの真髄とはずれてるかもしれないけど、少なからず共感する連作ではありました。

  • 土木に着目したSF、というのはワシの少ないSF読書歴の中には覚えがありませんが、本書はそこに着目し、ある種の「宇宙開拓史」を描いています。

    舞台は太陽系の各惑星で、それぞれの特徴に基づいた開発が短編形式で綴られます。それらは連作であり、最終章に収斂して、ひとつの大きなオデッセイが描かれます。

    それらひとつひとつの惑星、例えば金星の灼熱マグマの地表や、木星の多重衛星や冷たいガス雲の下、それぞれがどれも、宇宙が好きでちょっと惑星をかじって調べたり教科書を熟読してた人なら「ありそう!」と思えるものばかりで、なんとなくニンマリとしてしまいます。

    本作を読むと、結局、宇宙を、未来を開拓していくのはヒトなんだな、というのを実感します。さらにいうなら「建設」の力なんだな、とも。実は今の社会も、それら「箱」があって文明として成立している、そんな忘れてしまいそうになることを思い出させてくれます。

    最後は意外な方向に落ち着きましたが、まぁこれもSFならではなのかもしれません。

  • 文系女子の頭には追いつかないところがあったけど、想像力はかきたてられました。作者に脱帽。

  • 愛媛新聞読書欄。

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著者プロフィール

1951年兵庫県生まれ。青年海外協力隊などを経て作家デビュー。SF小説、冒険小説、山岳小説など広い分野で高い評価を得ている。96年「白き嶺の男」で第15回新田次郎文学賞を受賞。主な著作に「航空宇宙軍史」シリーズ、「覇者の戦塵」シリーズ、『白き嶺の男』などがある。

「2019年 『硫黄島航空戦線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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