日本SF精神史----幕末・明治から戦後まで (河出ブックス)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 153
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309624075

作品紹介・あらすじ

日本SFの誕生から百五十年、"未来"はどのように思い描かれ、"もうひとつの世界"はいかに空想されてきたか-。幕末期の架空史から、明治の未来小説・冒険小説、大正・昭和初期の探偵小説・科学小説、そして戦後の現代SF第一世代まで、近代日本が培ってきたSF的想像力の系譜を、現在につながる生命あるものとして描くと同時に、文学史・社会史のなかにSF的作品を位置づけ直す野心作。

感想・レビュー・書評

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  • SF
    ノンフィクション

  • ベストSF2010年4位


    mmsn01-

    【要約】


    【ノート】

  • 幕末(⁉︎)から昭和50年までの日本SFの歴史。
    なんと安政4年発表の「西征快心編」を日本SFの嚆矢として、昭和48年発表の「日本沈没」で日本SFは普遍となった、そうだ。それ以前の「果てしなき流れの果てに」は日本SFの大傑作だと思うのだが、スルーされている。明治時代が少し長く大正時代から戦前も長い。知らない作品ばかりだからね。
    SFって時代の流れと共に陳腐化するから難しい。
    まぁ面白く読めました。

  • 戦前を中核とするSF作品の潮流を解説したもの。大きく二パターンがある。①科学技術やその産物が現実からの逸脱しているありようを描くもの。その進歩のありようが、現状の延長線上にある場合(例、潜水艦・飛行機や気球タイプの宇宙船)、あるいは、完全なファンタジー(例 幽体離脱による他星系探訪)とがある。他方、SF作品(浦島太郎の竜宮城のような世界観)にて、著者の考える社会的理想卿を仮託したパターンがある。当時なら、男女同権・憲法秩序のある社会などがこれにあたる。なお、海野十三には注目(手塚治虫の根本かも)!

  • <閲覧スタッフより>
    【SFについて】
    「SF」ってなんだろう?
    その定義や源流、考え方や論争、歴史、作家陣や挿絵まで、「SF」にまつわる言説やその複雑でエキゾチックな世界をご紹介します。

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    所在記号:910.26||ナカ
    資料番号:10198016
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  • 650 馬場北

  •  「SF史」ではなく、「SF精神史」というのがミソ。故に狭義の「SF」にとらわれず、明治期の「政治小説」などの分析に多くを割く。

  • 2011年1月31日読み始め 2011年2月2日読み終わり
    日本のSFがどのように始まったのかをコンパクトにまとめた一冊。特に幕末・明治の文学が面白い。架空戦記ものは当時からあったようだ。漫画の「沈黙の艦隊」みたいな話もあったりして。
    地元の新聞で知った矢野龍渓についての文章もあり、興味深かった。
    SFも世に連れ人に連れというか、当時の政治や戦争などによって内容も変化しているのだなと思った。

  • 川出書房新社ホームページ紹介文から。

    【内容紹介】
    日本SFの誕生から150年、〈未来〉はどのように思い描かれ、〈もうひとつの世界〉はいかに空想されてきたか――。近代日本が培ってきた、多様なるSF的想像力の系譜をたどる。

    【受賞】
    第41回星雲賞受賞、第31回日本SF大賞受賞、朝日、読売
    全国学校図書館協議会選定図書

    【著者】
    1962年、茨城県生まれ。評論家。歯学博士。歯科医の傍ら、近代日本の文化史・思想史から、文芸評論や現代社会論まで、幅広く執筆活動を行っている。

    http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309624075 
    購入済・未読

  • 2010/12/16読了。
    刊行された時に書店で見かけて気になったものの読まずにいたが、日本SF大賞を受賞したと知って購入、読んでみた。
    幕末から脈々と続く日本SFの歴史を説き明かした労作である。単に作家や作品の名を並べただけの文学史ではなく、その時代ごとのSF的「精神」の姿が有機的に描かれていて、読み物としてとても面白かった。

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著者プロフィール

長山靖生(ながやま・やすお):1962年生まれ。評論家。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。開業医のかたわら、世相や風俗、サブカルチャーから歴史、思想に至るまで、幅広い著述活動を展開する。著書『日本SF精神史』(河出書房新社、日本SF大賞・星雲賞・日本推理作家協会賞)、『偽史冒険世界』(筑摩書房、大衆文学研究賞)、『帝国化する日本』(ちくま新書)、『日本回帰と文化人』(筑摩選書)、『萩尾望都がいる』(光文社新書)など多数。

「2024年 『SF少女マンガ全史 昭和黄金期を中心に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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