心霊の文化史---スピリチュアルな英国近代 (河出ブックス)

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  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309624099

作品紹介・あらすじ

心霊主義と一口に言っても、降霊会、骨相学、神智学など、その裾野は広い。当初は死者との交信から始まった心霊主義だが、やがて科学者や思想家たちの賛同を得ながら、時代の精神へと変容を遂げ、やがて社会改革運動にまで発展していく。本書では心霊主義の軌跡を追いながら、真のスピリチュアルとは何かを検証する。

感想・レビュー・書評

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  • 1851年ロンドン万博、1859年『種の起源』というなかで、宗教というバックボーンが揺るがされ、なんとか科学と魂を融合させたいという必死の思いの中から生まれたという19世紀後半の心霊ブーム。そのブームの内容がもう少しよくわかるとよかったんだけど。霊媒がもてはやされたり、降霊会がはやったりということだけど、それは知識人主体だったのか一般庶民のあいだにもはやっていたのか。

    心霊現象研究協会の初代会長とその教え子で初期の協会の中心的存在だったシジウィックとマイヤーズがどちらも牧師の子だったというのは象徴的でおもしろい。きっと当時の科学文明と進化論の衝撃は、今では想像もつかないくらい大きかったんだろうな。

    ユング心理学とのつながりも興味深くて、ここらへんはユング心理学側の入門書にはあまりちゃんと書かれていないことなので、好奇心をそそられた。

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著者プロフィール

1947年生まれ。名古屋大学名誉教授。専攻は、近代ヨーロッパ文化史、西洋神秘思想史。著書に『フリーメイソン』『図説フリーメイソン』『図説錬金術』などがある。

「2013年 『図説 近代魔術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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