失われたものを数えて---書物愛憎 (河出ブックス)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309624266

作品紹介・あらすじ

文学と書物の世界にかつてあって、いまは失われてしまったものを数えあげる-痛快でありながらどこかほろ苦い、読書家たちへのレクイエム。

感想・レビュー・書評

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  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/525291

  • 日本のアカデミズムにおけるドイツ文学の受容のあり方を歴史的にたどりながら、そのなかで息づいていた教養主義を、ユーモアをまじえつつ批判的に論じている本です。

    本書のサブタイトルは「書物愛憎」となっていますが、皮肉のきいた筆致でありながら、うしなわれてしまった教養主義への懐旧の思いが込められている文章は、対象からの距離の取り方が絶妙で、おもしろく読むことができました。著者がどれほど意図していたのかわからないのですが、男性の読者であるわたくしとしては、本書で論じられているようなホモ・ソーシャルな世界の居心地のよさに、つい魅かれてしまうように感じさせられて、なんともいいがたい複雑な気分をあじわわされました。

  • 資料ID:21101163
    請求記号:

  • いやはや、痛快な本。(副題には「書物愛憎」とある。)バサバサと切り捨てられるのは、鼻もちならないアカデミズムと権威の象徴であったヨーロッパ中心の教養至上主義。そしてその恩恵にあずかって来た「男性」優位のエリート知識階級だ。はたして「失われたもの」とはいったい何なのか?東大大学院卒の現役ドイツ文学者が、自らの大学院入試の体験から自虐的に語り始めるのは、失われるべくして失われていったこの国の知識階級の浅薄な(?)翻訳的教養と結果としてもたらされたジョブレスの悲哀だ。本好きの方におすすめ。千野帽子のガーリッシュな世界とは対極に位置する実証的な文学論。

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