【人と思考の軌跡】竹中労---左右を越境するアナーキスト (河出ブックス)

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309624372

作品紹介・あらすじ

一人で闘うならば、誰とでも共闘できると訴えたアナーキスト・竹中労。「右翼青年だった僕が竹中と出会った時、竹中は"敵"だった」…何故、"敵"であった竹中に、共振し、魅了されたのか。"左右を弁別すべからざる状況"を共に闘った著者が解き明かす、アナーキスト・竹中労の体験的評伝。没後20年を経て再生される、自由を希求するための苛烈な言論と行動。

感想・レビュー・書評

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  • 「人は弱いから群れるのではなく、群れるから弱くなるのだ」元は寺山修司らしいが、労さんが言うと更に凄みがます。こんなふうに生きたいもんだ

  • 新・右翼の旗手だった鈴木邦男が、左翼の大物だった竹中労について書いてるところがミソ。
    鈴木邦男がいかに竹中労の影響を受けたか、かわいがってもらっていたか、そして、鈴木の先輩格である野村秋介と竹中労との友情について繰り返し言及します。

    ここで僕が思い出したのは、山田ズーニーさんの「あなたの話しはなぜ通じないか」の一節
    【「意見」を共有するのは難しくても、「問い」なら共有でき、信頼感も増す】
    でした。

    まさに「思想」は共有できなくても現状に対する、あるいは将来に対する「問題意識」は共有できる、それを共有できるから、信頼しあえる。逆に「思想」が同じでも必ずしも信頼しあえるものではない、ということが、この本の根底には一貫して流れています。

  • な~んにも考えず「竹中労」のタイトルが目に入っただけで購入した
    のだが…。少々後悔。

    「鉛筆無頼」「喧嘩竹中」。既に伝説になりつつあるルポライターの
    竹中労に関する作品は目に付くと読んでいる。本書も竹中の評伝
    だと思った。

    いや、確かに竹中労を語ってはいるのだ。語ってはいるのだが、それは
    思想としての竹中労だった。

    購入する前にきちんと著者名を確認すべきだったな。右翼民族団体・
    一水会を率いる鈴木邦男だものなぁ。そりゃ、思想としての竹中に
    なるはずだわ。

    出来れば「竹中労と私」くらいのタイトルにしてもらいたかった。
    内容のほとんどが思想を間に挟んでの竹中との交流の思い出なんだ
    もの。

    まぁ、70年代や80年代の左右の人たちの思考の一部分を追うには
    いいかもだけどね。ルポライターとしての竹中を期待して読んだ自分
    が悪いんだ。反省…。

    それにしても野村秋介の名前が懐かしかった。この人のことはいずれ
    きちんと読もうも思いながら、未だ手が出ず。いつになることやら。

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著者プロフィール

1943年福島県郡山市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。72年「一水会」を結成。

「2020年 『彼女たちの好きな鈴木邦男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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