「こども哲学」で対話力と思考力を育てる (河出ブックス)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309624693

感想・レビュー・書評

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  • 哲学という言葉が持つ難しさか。「とことん考える」くらいで捉える。子供は探究するエネルギーが豊かなので,探究の一手段として考える,対話するのスキルを持つと,一段と深い探究ができるだろう。学ぶことが覚えるだけに焦点化されやすいので,考えることや説明することも学ぶことの一つとする見方が大人側でいる。大人の方が「とことん考える」ことができない(めんどくさい)ことも多い。時間をかけて深く捉えることの価値が見えない世の中か。同じ程度のものなら早い安いが選ばれる。それは本当に同じ程度なのか。早い安いがダメと決めつけるのはおかしい。こういった問いと思考を楽しむ(面白がる)のは文化の影響が大きいのかなぁ。

  • 哲学的対話によって考えるとはどういうことかを学ぶ意義、方法、実践が手にとるように理解できた。
    批判的思考は判断力を 創造的思考は問を深め新たな段階に進め ケア的思考は気遣いをもって主題を考える
    対話を通して真に思考する「訓練」をすることになる。
    これらを体験した子供は幸せだ。大人にこそこの思考の深め方を練習する必要があると思う。

  • 小中高生が授業の中で哲学をテーマに議論する際の教師の指導法、という内容だったので、個人的には思っていたのと違う内容にガッカリでした。
    しかし、内容そのものは過去の実践の記録もあったりして、現場での実用性に重きを置いた内容なので、子を持つ親としては、このような授業や先生が増えてくれることに期待したい。

  • 04.27.2017 読了
    お茶の水女子大学附属小学校での「てつがく」の授業にインスパイアされ、本書を購入。

    対話を通していかに価値を深めるか、他者理解をしていくのか、メタ的に考えていくのか、問い直していくのか、あらゆる視点で広がりがある。

  • 必読書!

  • 河野哲也『「こども哲学」で対話力と思考力を育てる』河出ブックス、読了。最前線で活躍する著者が、その理論と実践の要を判りやすく書き下ろした、「こども哲学」入門。対話と討論を経ても、あらかじめ決まった意見に集約することが教育なのだろうか。相互の言葉を検討するこども哲学には新しいヒントが多い。

    哲学とは「真理の探求」だと言われるが、大切なことは思い込みを柔軟に退けていくこと。そして「問い」を正しく立てること。そして経験から紡がれる意見を結びつけ考えていく。そして他者との対話によって思考を深化させていく。

    たしかに「意見」を言わせても、そこには上位者からの「添削」あっても、「対話」も「思考力」も存在しない。しかしひとの話を聞き、相互に検討していく(対話)ところに「批判的」「創造的」「ケア的」思考が育まれる。

    本書は1部でその理論を扱い、2部で実践を紹介する。環境作りから授業の進め方、ファシリテーターの役割や各教科との関連など非常に具体的だ。教育をもう一度自分で考える出発点になる。教育関係者だけでなく子を持つ親にも読んで欲しい。
    ※ただ難点は、志向がポジティヴなところか。

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著者プロフィール

立教大学文学部教授。NPO法人 アーダコーダ副理事。
専門は、心の哲学・現象学・倫理学・応用倫理学。社会が内包する問題に哲学的見地から切り込む。
著書に『メルロ=ポンティの意味論』(2000年)、『道徳を問いなおす』(2011年)、『境界の現象学』(2014年)こども哲学についての著者に、『「こども哲学」で対話力と思考力を育てる』河出書房新社、『じぶんで考えじぶんで話せるこどもを育てる哲学レッスン』 河出書房新社、『問う方法・考える方法 「探究型の学習」のために』ちくまプリマー新書、『対話ではじめるこどもの哲学 道徳ってなに?』全4巻 童心社、共著『子どもの哲学 考えることをはじめた君へ』 毎日新聞出版など多数。

「2023年 『こどもたちが考え、話し合うための絵本ガイドブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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