社会にとって趣味とは何か:文化社会学の方法規準 (河出ブックス 103)
- 河出書房新社 (2017年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309625034
感想・レビュー・書評
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最初のブルデューについての説明が詳細である。しかし、それ以降の分析について、特に数量的な分析については突っ込みどころ満載なので、学生が卒論を書く場合に、この論文に不足するところを論文とすることができよう。その意味では、卒論を書くためのいい素材となるであろう。
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2017/06/09 初観測
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社会
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【資料ID: 1117000966】 361.5-Ki 62
http://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB2333641X -
ブルデューの説明。練馬区でとったアンケートからアニメを趣味とする人たちの他の趣味との親和性とか傾向などの調査。
オタクに関することがメインの文化社会学論文。
興味深いが学術的なところは難しい。
でもアンケートの統計の取り方とか情報の読み取り方を詳しく説明してくれてるのでそれは良かった。
読書の高尚と低俗について
小説読書は趣味なのか娯楽なのか。
オタクの歴史。
宮崎事件に関してや、ロリコンから派生したショタコンなど。
一番面白かったのは、
腐女子に関してのジェンダー的にオタク男性との深い溝とか。
結婚観に関して大体合っててへぇーと思う。
今ピクシブで連載されている『腐女子クソ恋愛本』なんか参考になるんじゃないかな。 -
理解する上では、ブルデューやボードリヤール、統計解析を軽く知っている必要はあるものの、興味深く読了(もちろんブルデューの原本を読んでいる必要はなし)。
一番面白かったのは、p291の性別XオタクXジェンダー規範の分析。女子オタクは昭和的ジェンダー規範に批判的である一方、男子オタクは非オタクの男子よりも昭和価値観寄り。そう、既存のジェンダー規範に違和感がある人の一形態が腐女子…肌感覚としてそんな気がしていたが、くっきり結果が出ていて興味深い。オタクだからといってその価値観が近いわけではないのです。 -
あるいは北田先生にとってブルデューとは何か、というのは冗談として、学問的にはブルデューを、そして日本国内においては宮台を越えていくための文化社会学を打ち立てよう、という野心的な本。読者は選ぶし、量的調査に基づく分析で何をやってるかわからないとけっこうしんどい(しんどかった)。
印象論ではない、確固たる趣味論、文化論を考えていくための視座となりうるものなんだろうとは思いつつ。