巨匠とマルガリータ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-5)
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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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「瀕死の重傷を負った猫を救うただひとつのもの」と猫は言った。「それは燈油の一滴…」そして、どさくさにまぎれて石油こんろの丸い給油口に口をつけて燈油を飲んだ。そのとたん、左の前足から流れ出ていた血がとまった。
― 509ページ -
「いまのようなご時勢に?これは驚いた!なにかほかのテーマは見つけられなかったのですか?見せていただけませんか?」ヴォランドは掌を上にして手を差し出した。
「残念ながら、お見せできないのです」と巨匠は答えた。「暖炉で燃やしてしまったからです」
「失礼ですが、信じられませんね」とヴォランドが応えた。「そんなはずはない。原稿は燃えないものなのです」ベゲモートをふり返って、言った。「さあ、ベゲモート、小説をよこしなさい」
― 428ページ -
私につづけ、読者よ。まぎれもない真実の永遠の恋などこの世に存在しないなどと語ったのは、いったい誰なのか。こんな嘘つきの呪わしい舌なんか断ち切られるがよいのだ。
私につづけ、私の読者よ、ひたすら私につづいてくるのだ、そうすれば、そのような恋をお見せしよう。
― 324ページ
みんなの感想・レビュー・書評
悪魔がこの物語の中核をなす。何故ロシアに現れたのかは明確ではないが、とにかくその魔力で人を消し、人を遠隔地に瞬間移動させ、幻惑を見させて、殺しまくる。 主人公は友人を悪魔に殺され、自身、精神病扱いされて病院に強制入院させられた病棟に住む作家である。売れないが、その作家には亭主持ちのマルガリータという愛人ができる。愛人は作家とその作品に惹きつけられるが、惹きつけられるのは悪魔も同じである。 ... 続きを読む »
長い割にテンポが良くて読みやすかったです。悪魔の描写が妙にリアルでっていうのもおかしいですが、リアルに感じました。Drパルナサスの鏡のトムウェイツ演じる悪魔に通じるリアルさでした。単純にエンタテイメントとして面白い作品だと思います。
一度だけ行った馬場の美容師さんから教えてもらった本。オシャレな店で、お兄さんも話しやすい落ち着いた人だったからすごく興味がわいて。
読むのに疲れる文章(なかなか頭に入ってこない)だったけど、話は面白かった。
時代背景や20世紀のロシア文化をもっと知っていたら、更に理解が進んだかな。
単純にマルガリータの愛だけを主題に据えるのではないところあたりが深いよね。
圧倒的な物語の一言に尽きます。
圧倒的な物語の前にひれ伏す思いでした。
文庫で出てほしいです。
1973年にこんなに面白い小説がソ連で書かれていたとは! 炎暑の空気中から忽然とあらわれた奇妙な外国人は、キリストを処刑したポンペイウス・ピラトゥスの様子を、まるでその場にいたかのように語ってきかせ、神の不在を証明しようとする編集者が「女に首を切断されて殺される」ことを予言してみせる・・・ この奇怪な事件を皮切りに、モスクワに出現した悪魔たちの一味が繰り広げる滑稽でグロテスクで恐怖に満ちた... 続きを読む »
革命直後のロシアで文学活動を開始し、やがて発表の場を奪われ失意の中で生涯を終えたブルガーコフの、発表の当てもなく書かれた晩年の長編小説。 1930年代のモスクワを舞台にした、“悪魔”の一味により日常が非日常の混乱へとすりかわっていく一種の不条理小説だが、ヒロインの名前からも明らかなように、「ファウスト」の世界がベースの一つとして取り上げられており、登場する“悪魔”もメフィストフェレス的な強烈な個... 続きを読む »
圧倒的な文章力で構築される立体的な独創世界。
ひとつひとつの物語が息をつく間もなく展開し交差し、モスクワの街も読者もまさしく混乱の『渦』の中に巻き込まれる。
なんとなく読みづらかったけれど、それを上回る面白さ。
翻る純白に裏の赤、照りつける鋭い日差し、立ちこめるオリーブの香りと柔らかだが責め立てるような月の光。
怒濤のスピード感とテンポでコーフンに目をぐるぐるしながら読み終えた。
世間をファンタジックに揶揄しているところがおもしろい。
悪魔たちの会話もぶっ飛んでいて笑える。
モスクワに出現した悪魔の一味が引き起こす不可解な事件の数々。
ミステリー?オカルト?SF?ファンタジー?
これは一体何なのか、読み始めると????となりますがとにかく話が面白くて引き込まれます。
20世紀最大のロシア文学と評されるだけのことはあります。
今年読んだ中で一番の傑作だと思います。
人が人を支配できるという思想から世界初の社会主義国家「ソ連」が生まれます。
しかし誕生後10年もするとソ連に暮らす知識人たちは社会の矛盾に気づき始め、後に崩壊することを予言します。
著者もその一人でありこの作品のテーマにもなっています。
人を支配できるものは何なのか?
神か?人か?法か?理性か?お金か?物質か?
社会のあり方を問う作品でもあります。
[ 内容 ]
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
ロシアの小説は、なんだか劇を見ているような気持ちになる。ドストエフスキーとか。翻訳のせいかな。
そういうのはあんまり好きじゃないので、何度か読むのをやめようかと思ったけれども、最後までよんでしまった。
ぶあつい本だけど、かなりのスピードで読破。
巨匠がでてくるのが1/3くらい読んだあとかな。それまでは何が巨匠でなにがマルガリータやらと思っていたのだけど、いよいよ巨匠が登場して・・
愛の物語なのかな
そうではあるけど、それよりもお祭り騒ぎなお話だな
しかし、悪魔も聖人もみんないいやつってのはおもしろい。悪人がいないというか、悪人は小物ばかりで脅威にならない。
やはり楽天的な小説だなあ
悪魔のひとりというか一匹というか 言葉を話す巨大な黒猫 ベゲモート
面白かった!!でももう一度読むことにします。じゃないと大事なこと読み落としてそうな気がするので。ヴォランドが」かっこよすぎる。
圧倒的なスピードと強度、そしてイカレ具合。文学史上もっとも愛すべきキャラクターである猫のベゲモートと一緒に、気に入らないやつは全員精神病院送りってことで。
ものを見る目がぶっとんでる。今そう思うくらいだから、作者は当時そうとうに変人扱いされたんじゃないかな。すごく興味深い物語。ただベースがキリスト教だから、詳しくない私にはむずかしかった。もうすこし勉強してから出直します。◆翻訳がぎこちない。でも装丁は素敵。(0901XX)
モスクワに出現した悪魔の一味が引き起こす不可解な事件の数々。20世紀最大のロシア語作家が描いた究極の奇想小説。全面改訳決定版!!<br /><br />焼けつくほどの異常な太陽に照らされた春のモスクワに、悪魔ヴォランドの一味が降臨し、作家協会議長ベルリオーズは彼の予告通りに首を切断される。やがて、町のアパートに棲みついた悪魔の面々は、不可思議な力を発揮してモスクワ中を恐怖に陥れていく。黒魔術のショー、しゃべる猫、偽のルーブル紙幣、裸の魔女、悪魔の大舞踏会。4日間の混乱ののち、多くの痕跡は炎に呑みこまれ、そして灰の中から〈巨匠〉の物語が奇跡のように蘇る……。SF、ミステリ、コミック、演劇、さまざまなジャンルの魅力が混淆するシュールでリアルな大長編。ローリング・ストーンズ「悪魔を憐れむ歌」にインスピレーションを与え、20世紀最高のロシア語文学と評される究極の奇想小説、全面改訳決定版!

もうずいぶん昔、『輪舞』という洋画があった。オムニバス風にいくつかのエピソードがあって、ひとつのエピソードの最後のシーンが次のエピソードの始まりにつながるというしゃれた形式だった。そこから、こういう映...





