古井由吉自撰作品 1 杳子・妻隠/行隠れ/聖 (古井由吉自撰作品【全8巻】)

著者 :
  • 河出書房新社
4.07
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本棚登録 : 94
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309709918

作品紹介・あらすじ

著者自身が厳選した待望の著作集。芥川賞受賞の畢生の傑作「杳子」のほか初期の名作「妻隠」「行隠れ」「聖」を収録-。感覚と知覚の揺らぎ、過剰と欠如、重く鋭利な文体、エロティシズムとユーモア、愛の可能と不可能…常に新しい読みを促す、古井文学の原点。

感想・レビュー・書評

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  • 初めてこの方の小説を読みました。
    描写がすごい。驚くほど子細なことを丁寧に書かれていて、このせいで読みづらいのか…読みづらい…進まない…。
    でもすごいものを読んだと思った。こんなに心の機微を綿密に描写した小説を他に知らない。
    文学的価値が高い、玄人向けな感じ。
    物語としては行隠れが一番好きでした。描写はやっぱり杳子がすごいなーと思った。ああでも、こう書いてたらやっぱり杳子かな。杳子は、中盤までは退屈なのだけど、杳子の家に行って姉が登場してからとても楽しく読めた。

  • 文学

  • 『聖』のみ読了(読書会の為)。水の描写がおもしろいと思いました。古い作品なのに、古さは感じられない。村の感覚と、都会の感覚は多分今とかわらないのかも。

  • 古井由吉 自選作品 1
    杳子 妻隠 行隠れ 聖 がおさめられている。
    朝吹真理子の解説も趣深い。

    主人公が男であって、いつも女を観察している。女の腰つき、足が不自由である身体的特徴、首筋の香りなど外面的な判断を男はいつもしている。男に洞察される女は、いつも神経的に病んでいる。しかし、男はそれに同調したりするのではなく、考えていない。幽霊的な存在にみているのではないかと、感じる。小説全体としても、霊的な不穏さを抱えているのだが、
    女の内面的思考と男の肉体的思考や現実的段取りの考え方が露わに出ている。

  • 2012年6月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    配架場所、貸出状況はこちら:http://libopac.josai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?lang=0&amode=11&place=&bibid=2000057992

    【選書理由・おすすめコメント】
    静かな言葉遣いでありながら、その裏に不気味な、そして豊かな感触がある文章である。錯綜し、あいまいに続いていく物語の中に、確かに生々しい人間が立っている、不思議な作品集である。(経済学科3年)

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著者プロフィール

作家

「2017年 『現代作家アーカイヴ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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