石川淳/辻邦生/丸谷才一 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 19)
- 河出書房新社 (2016年3月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (518ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309728896
感想・レビュー・書評
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230924*読了
どの作家さんの作品もおもしろかった。
辻邦生さんと、丸谷才一さんの収録作の特徴として、完全フィクションなのか、実話をもとにして脚色してるのかわからないところがあった。お二人をよく知っていたらそう思わなかったのかもしれないけれど。
石川淳さんはエッセイや、特定の人物についての語りが入っていたし、「紫苑物語」のような歴史物語もあったし、バラエティに富んでいた。
辻邦生さんの「安土往還記」が印象的でもあり、好みでもあるかなぁ。
織田信長×イタリア人は、原田マハさんの「風神雷神」を思い出す。まさしく織田信長だし、キリスト教の司祭たちというのが重なっているし。
丸谷才一さんは「横しぐれ」も「樹影譚」も不思議だった。2023年の今、こういう小説って書かれないだろうな。そう思うと、時代を感じるし、その当時の作家さんの深みも感じる。 -
女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000055902
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面白い小説でした。
石川淳氏 焼跡のイエス。紫苑物語。小林如泥。鈴木牧之。江戸人の発想法について
辻邦生氏 安土往還記。
丸谷才一氏 横しぐれ。樹影譚
特に、安土往還記。丸谷才一氏の2つの小説。紫苑物語が
とても面白い傑作だと思います。モダニズムという感覚が
湧き出してくる感じがします。
丸谷氏は、旧かな使いを積極的に使われる作品が多く
あまり好きではありませんでしたが、特に随筆系の作品は
読みづらく、わかりづらい内容が多くて好みではありませんでした。ただ、この2つの小説はとても面白くよめました。 -
さすがにこのメンバーになるとはずれが少ないのか、収録作品が選りすぐりなのか、どれもひきこまれた。ベストをえらぶとすれば、「横しぐれ」だろうか。小説としてのプロットの巧みと文学論の両方がバランスしていて素晴らしい。
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記載されている諸作品はほぼ初読み。
全集になっていなかったら読むことがなかったろう。
誰も誰も熟達した文章力!
解説や挟んであるパンフが読みの助けになった。 -
この三人を通底するのはモダニズムという原理である。今の我々の文学はまずもってこの原理の上に成立している。