マルコムX自伝

  • 77人登録
  • 4.03評価
    • (11)
    • (9)
    • (10)
    • (0)
    • (0)
  • 10レビュー
制作 : Malcolm X  Alex Haley  浜本 武雄 
  • アップリンク (1993年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (547ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309901046

マルコムX自伝の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 白人の暴虐を非難し黒人の誇りを鼓舞した、下からの改革者、マルコムXの自伝。
    マルコムの語りをアレックス・ヘイリーがまとめたもの。
    ヘイリー視点の長いあとがきつき。
    ミショーの本屋http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4751527525を読んで、もっと知りたいと思った。
    ミショーはほぼでてこないけど、マルコムの話で十分満足、しかもさらに知りたくなる。

    貧困のなかの子供時代、チンピラの十代、イスラム教に救われ身を捧げた時代をへて、その宗教がエセイスラムだったことに気づき新たな考えを手に入れつつある「現在」まで。
    マルコムは敵対的な白人しか見たことがなかったから「白人=悪魔」という教えを経験的に確信していた。
    けれど、巡礼にいったメッカで皮膚の色で判断しないムスリムたちにであい問題はアメリカの差別体質だと気づく。

    猪突猛進というか、一所懸命な人だ。
    どこを向いていようと前へ前へ走る。
    だから失敗も成功もでかい。
    妥協できないから半端者を認めないけれど、改心する時はがらりと変わる。

    人=「man」の価値観は気になるけれど、この人なら長生きすれば女も人間だと気づいたかもしれない。
    本ができあがったあと、「現在」の途中で亡くなってしまったことがとても惜しい。
    これからさらに成長できたはずなのに。この人の未来をもっと見たかった。

    この本の時点では、奴隷解放から100年たってもまだ公民権を争っている。
    ここから30年後にロス暴動がおこり、今また射殺への抗議が続いている。
    被差別者はいつになったら人と見なされるんだろう。

    印象に残るところだらけだったけど、特に共感したのが「善良な白人」がすべきことを語った部分。
    差別者側に属する自分の良心をなだめるために黒人につきまとうのではなく、自分いる場所で同胞たる白人と闘え、と。
    ああこういうのよく見るよおこげとか介助ごっことかの善意の人!そんでうっかりすると自分もやっちゃう。
    『ヘイトスピーチに抗する人々』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4406058613でカウンターの人がいってたのもこういうことだ。

    生きるために不法行為をし、不法行為のために麻薬でハイにならざるをえないハーレムの人たちと、ピアカウンセリングのさきがけのようなシステムは
    『生きるための犯罪』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/478169053X
    『アミティ』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4535561885に通じる。



    内容と関係ないんだけど、1940年代の不良ファッション、ズートスーツ(でかくて長い上着に太いズボン)の決めポーズが、1980年代ヤンキー(長ラン太ズボン)の決めポーズとそっくりなのが面白かった。
    万国共通の不良美学的なものがあるんだろうか。


    以前にでた抄訳を全訳になおした(?)かなにかで、文章にばらつきがあるような。
    変なところがちょこちょこある。古いせいもあって若干よみにくい。

  • 大昔に読んだのは抄訳だった。これは1993年刊。2002年に上下巻のものも出ているようだが、いずれも新刊は入手困難だろう。
    多くの人に読まれるべき本なのに。

    今より露骨な人種差別がまかり通っていた時代のアメリカ黒人活動家の自伝。黒人伝道師の子供、ハーレムでヤクの売人をしていたことも。
    黒人ムスリム運動に傾倒。しかしやがてその教義や主催者の言動に疑問を抱き、決別、かつての仲間から攻撃され、暗殺された。

    父の死は恐らくリンチだったのだろうし、彼の周りにはそうした死や暴力があった。壮絶な人生。あまりにも早すぎる死。これからが、本領だったはずなのに。

    この本は友の元へ旅立つ

    血肉になる本。

  • 「父を暴力的黒人排撃主義団体に殺され、その後一家離散、母親の発狂とつづく異変を経て、ハスラー、ポン引き、はては強盗まで落ち、白人の情婦をもち、麻薬常習者であったマルコムは、悪徳と歪みを一身に集中してもっていたような人間になる。その人間が刑務所の中で自己の価値にめざめ、読み書きを練習し、次々と高度の知性を自力で獲得し、黒人イスラム教団の最も戦闘的で説得力にあるリーダーになる。さらに外国旅行によって国際的な奥行きのある視野を得て、今までになかった新しい理念によってアメリカ黒人の解放運動を展開しようとした矢先、暗殺者の手によって非業の死をとげる」(p551「訳者あとがき」より)


    マルコムXはいまだ変質の途上、39歳で暗殺された。一度どん底まで落ちた彼を変えたのはイスラム教団の教えであったのだが、結局彼を殺したのも教団同士のせめぎ合いであった。

    宗教組織における分派の問題は、結局「裏切る/裏切らない」という話に矮小化され、血を見る争いになることが珍しくない。彼は晩年にメッカを訪れ、そこに人類愛の原型を見る。だがアメリカの新興イスラム教団が彼の変質を受け入れる度量を持つには、まだあまりに幼すぎた。

    厳密に言うならば、マルコムXは特異な才能があったにせよ、ひとりのアジテーターでしかなかった。最晩年、彼はそれまでの自分の誤りを正し、運動の新しい地平を見ていた。もしも生きていたならば、なにか大きな功績を刻んだであろうことは疑うべくもない。

    自説を絶対視して突き進む熱量をもった人間だけが、世界を変えていく権利を手に入れる。そのことをひしひしと予感させる大労作。二段組で550ページ超、噛みごたえは十分すぎるほど。

  • 自伝だけあって、読破するのに時間がかかった。
    だけど読んで良かった。

    始めて宗教に携わり、考えさせられる本だった。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4309901042
    ── マルコム X/ヘイリィ・記/浜本 武雄・訳編《マルコムX自伝 199302‥ アップリンク》
     Malcolm X & Alex Haley
     

  • ブラックムスリム、過激派、キング牧師のライバル、元ハスラー、「白人は悪魔」、様々な形容詞とキャッチフレーズで語れるアメリカ公民権運動の一指導者の自伝(形式の本)。

    彼の思想や行動は専門書に譲るとして、本書の一番の魅力は、その思想や行動の遷移ぶり。ハスラー時代、刑務所時代、ネイション・オブ・イスラム時代、独立からメッカ巡業後時代。各時代において、思想や行動が変わる。これを自己矛盾や統一性の無さと避難することは簡単だが、それが彼の魅力にもなっている。

    間違いや思想の遷移をしっかりと認め、その都度理想を掲げ邁進する。生きる姿勢が、全て敬虔かつ真摯。政治的な主張が相容れ無かったとしても彼と同時代に生きてみたい、と思わせるカリスマ性だ。

    スパイク・リーが監督した同作の映画「マルコムX」でも同様の魅力が溢れている。主役のデンゼル・ワシントンを知ったのも、この映画。原作、映画共にお勧めです!!

  • 目次
    第1章 悪夢
    第2章 マスコット
    第3章 「ホームボーイ」
    第4章 ローラ
    第5章 ハーレムの住人
    第6章 デトロイト・レッド
    第7章 ハスラー
    第8章 手詰まり
    第9章 逮捕
    第10章 サタン
    第11章 救済
    第12章 救世主
    第13章 マルコムX導師
    第14章 ブラック・マスリムズ
    第15章 イカリス
    第16章 脱退
    第17章 メッカ
    第18章 エル・ハジ・マリク・エル・シャバーズ
    第19章 1965年

  • ルーツの著者がルーツ出版前に手掛けていたのがこの仕事。
    でも、先にルーツを読むとマルコムXの怒りや主張、目指すべき道の意味がよ~~くわかります。
    40年の人生で人の何倍もの意義と意味、深みのある人生を送り、そして、自分でもどうすることもできない衝動を魂の中に抱えながら生きる神から選ばれし者の歴史を読むことができます。

    しかし、分厚いのでよっぽどの熱い魂を持ってこの本に取り組まないと読了できないでしょう。

  • クンタキンテ、アニスタッド号
    キング牧師、マルコムXはぜひ知っていてほしい。

  • 黒人解放運動の過激な教祖となったマルコムXの生い立ちを自らの口から語った自伝。黒人解放運動に、今のイラク戦争と同じことを感じた。

全10件中 1 - 10件を表示

マルコム・Xの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
フランツ・カフカ
ヘルマン ヘッセ
村上 春樹
ヘミングウェイ
ドストエフスキー
三島 由紀夫
ドストエフスキー
有効な右矢印 無効な右矢印

マルコムX自伝を本棚に「読みたい」で登録しているひと

マルコムX自伝を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

マルコムX自伝を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

マルコムX自伝の作品紹介

マルコムX自身が「ルーツ」の著者アレックス・ヘイリィに死を予感する中で語り綴られた異色の自伝。

ツイートする