- Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309909608
作品紹介・あらすじ
日曜日のランチパーティーのさなか、妹のテスが行方不明だという切迫した電話を受けたビアトリスは、急いでロンドン行の飛行機に乗る。しかし、テスがいなくなった状況を調べていく中で、自分が妹の生活について何も知らないことに-そして自分が直視しなければならない恐ろしい真実に愕然とする。警察も、婚約者も、そして母までも離れていくが、ビアトリスはひとり真実を求めて進んでいく。だがそれは想像もしなかった危険な道だった。あなたは、何処にいるの?あたなの可愛い坊やは、何処に行ったの?-。
感想・レビュー・書評
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最初はなんか饒舌な一人称が苦手でどうかなと思ったけど、すぐに物語に引き込まれてしまった。とても上手いしよく書けていると思う。その一人称の語りの状態に、そこはかとなく違和感がずっとあったのだけど、その理由も終盤で明らかになる。その辺り、かなり驚かされて嬉しかった。
私は一人っ子なので、こういう姉妹の話は羨ましいような別世界を覗き見るような気がする。 -
アメリカ住まいの姉がロンドンの亡くなった妹の死因を探る
もう、ずっーと霧に包まれた感じで話が進んでいく
霧のもやもやを手探り状態で歩いていく(読んでいく)のに段々めげていった
必然的に読書スピードもスローダウン なんとか最後まで読み終えた
ページ横にある<※注釈>はよかった
今作より後発の「さよなら、そして永遠に」がよかったから読んでみたが、「さよなら~」の方が読みやすい
同じ作者か?と思うくらいの出来の違い -
評価が高かったので読んだが最後のどんでん返しは微妙。
驚きはあるけども。 -
妹が失踪した、から始まるミステリ。
当たり前の日常が大切であり、かけがえのないものであると言うことは、たいていの場合、それを失ってから気づくものだろうなと思う。
これは、ごく、ごくありふれた「当たり前」という日常を保つ為に、ひとがどのように工夫しているのか、それがとてつもない力によって支えられているのだなと感じる。
私は神を信じないけれど。この物語の中には、神が居ると感じる。
ミステリなんだけれども、ミステリではないような気がする。 -
2014年6月19日読了。
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行方不明になった妹のテスを捜すためニューヨークからロンドンへ戻ったビアトリスは、テスに関わる人々から話を聴くうちに、彼女に起こった出来事にある確信を抱く。婚約者に母と近しい者にさえ理解を得られぬまま、愛する妹の為に真実を追うビアトリスだったが…
思えば妹とは不可思議な存在だ。父も母も同じ。性別も同じ女。だが生を享けたのが遅いというだけで、私ではない。私ではないけれど、生まれ出る順番が逆であったなら彼女はひょっとしたら私であったかもしれない。この世でたった一人のそんな存在に無関心でいられるわけが無い。
テスとビアトリスは本書で読む限り、対照的な性格であるように見える。姉妹はお互いの性格を補完し合って生まれてきたのではないかと思うくらいだ。そんな姉妹の一方が消えたとき、残された者はどのような思いを抱くのか。ここで起きたことは、姉妹の絆を試す試金石でもある。一方で妹であるがゆえにそれが別個の存在であることのもどかしさをも感じる。彼女は私ではないが他人でもまたない。このもどかしさは赤の他人には決して感じることのない思いだろう。
本書は持てるものを捨て命の危険にさらされてなお、妹の為に真実を追い求めた姉の孤独な闘いの記録。その孤独がどれほどのものであったかは、驚愕の結末が語る。だが、どのような結末であったとしても、ここには確かにお互いを大切に思い続けた幸福な姉妹の形がある。 -
ところどころに文学作品の一節が引用されたり、独特の言い回しがされるのが興味深い。この小説のスタイルは初。
(2013.5.11) -
英国が舞台のミステリー
「姉妹愛」がテーマと作者も言っているが、血のつながった姉妹のみならず、もっと広い意味の姉妹愛であると感じた。
登場する女性たちは学友やテスの不倫相手の妻でさえ妹の死因を探る姉のビアトリスに対して思いやりがある。「もし、私があなたの立場だったら」という気持ちを忘れない。
それに対して男性の登場人物は年取った大家さん以外は保身しか考えない。
遺伝病と胎児への遺伝子治療という問題を扱っていて興味深かった。
ラストは確かにどんでん返しだけれどこれは…私はあまり。とくにImaginary Companion であるというのはどうも、まあ途中でおかしいとは思いましたが。
あと、ロンドンの貧しい地区の半地下の部屋はかなり治安が悪いらしい。ちょっと牧歌的に描かれているような気がする。 -
よくわかりませんでした。