- Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784313150935
作品紹介・あらすじ
公務員の副業解禁、従来の公務員試験廃止、基礎自治体では応募者数日本一といったニュースで話題の生駒市。自治体のトップランナーとして先端をひた走る首長が、最新の自治体政策をふまえつつ将来を生き残る公務員像を描く。
感想・レビュー・書評
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10年後ほんとにどこまでAIが取り入れられていて職員数がどこまで減少しているか気になりました。特にAIの導入は昨今の厳しい財政面からどこまで費用捻出出来るのか、そこが1番の課題であると感じた。
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基本的なことが書いてあるが、こんな聡明な市長がいてそれを実践してることに驚いた。
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ピックアップと一言:
・AIやITを活用すれば、どんどん仕事が効率化され、自治体に必要な職員数は大きく減少。他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められるような、人間にしかできない仕事に特化し、現場に入り、専門性に磨きをかけることが不可欠です。
→まさに前例踏襲していてはAIに取って代わられるということ。AIやITは統計的に予想を立てることができますが、目の前の人がそれを望んでいるかは別問題ですね。柔軟に対応できる職員・組織でありたいです。
・ワーク・ライフ・コミュニティ…市町村職員として働いてきた人は、地域にたくさんの知り合いがいるはずです。市役所にこもらずに市民に積極的に会うために地域に飛び出していた職員は、素敵な人とたくさんつながっています。このかけがえのない財産を、日常生活や地域活動、コミュニティビジネスなど、さまざまな活動に活かしやすいのが市町村職員の強み。
→地域には自分が公務員として行ってきた仕事の成果・結果・答えが目の前にあります。どうすれば効果的な仕事ができるか、目の前から学ぶことができます。その学びと、仕事の成果が、ひいては自分の生活に還ってくるのです。
・0から1を生み出す力こそ、リーダーシップ、すなわち「始動力」です。そのために「自分プロジェクト…上司に命じられた仕事ではないが、仕事に関連するプロジェクトを主体的に企画、実施すること。」を持つと良い。
→新しい企画を考えて動かすということは、目の前の業務を改善することにつながる。時代の変化に対応しながら、常に新しい取り組みを繰り返していこう。
・市民を「お客様」ととらえ、ニーズに応え続けようとする自治体を2.0とすれば、行政でないとできない業務以外は、市民や事業者、専門家を「まちづくりの担い手」ととらえ、ともに汗をかいてまちづくりに取り組むのが「自治体3.0」です。
→いわゆる市民協働のまちづくりですね。これからは住民自治と連携して良いまちづくりを行っていきたいです。
・「協創の力」とは「いろんな人と出会い、信頼関係を築き、市民ニーズや地域の課題に対し、お互いがプラスとなる形で連携して解決する力」です。そのためには、まず地域に飛び出すことが必要です。市町村職員は役所にこもってはいけません。
→まずは地域の行事に参加することから。自治体職員だと分かったら、行政に対して苦情や要望を言ってくる人もいますが、ちゃんと一つずつ担当課へつないでいくことで、逆に信頼を得ることができます。公務員は、事務能力や公平感、信頼感など、地域からは重宝されますので、是非地域への一歩を踏み出してみましょう。
感想等:
公務員の未来の働き方について様々な角度から考察しており、そのどれにも共感できるが、総じて、公務員とはそもそもこういうものだという理想論でもある。特にこれからの住民自治の時代を見据えているところが大事。
真っ先に取り組んでみようと思ったのが「自分プロジェクト」。仕事を革新させるとともに、自分の大きな成長につながると思う。 -
地方公務員として生き残るために、やらなきゃいけないこととやりたいことがたくさんあると改めて気づかされた。
トップがこれだけ柔軟でアイディアがあるのは羨ましい。 -
書いてあることがすごいわけではないんです。民間、市民から見て当たり前の公務員に対する要望です。
でも、これを現職の首長が実践をもとに述べていることがすごいんです。こんな市長に対しても、批判反対する保守的な市議や職員が存在することは本当に残念ですが、これを読んで、多くの志ある公務員の方々が連動してくれたらと思います。 -
AIの進化により今後公務員の仕事が変化する。生駒市長の小柴氏が、現在生駒市で取り組まれようとしていることや市長が考えいることを述べられている。職員は主体的に指導力を発揮し、地域に出かけ、課題を発見し、解決していこうとすることが大事であるということに共感した。
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生駒市長が書かれた本。
始動力と稼ぐ力と常識を破壊する突破力と自治体3.0を実現する共創の力、この4つがこの先10年で自治体と公務員に必要な力だ、と。
公務員司書はスペシャリストでつぶしがきかないからいらない、とか言うのは一周回ってバカげた言説なんじゃないか。と、同時に、公務員司書が公務員としてのほかの専門性も持てたら最強なのか?とか。そんなことを考えた。 -
生駒市長(元環境省職員)である著者が、自治体や公務員をとりまく環境に関し、10年後、どのような社会変化がおこるのか、それに伴って自治体や公務員は今から何をどう準備しておけばいいのか、について整理・分析。そして、これからの自治体、公務員が胸に刻んでおくべきキーワードとして、「リーダーシップ(始動力)」「稼ぐ力」「常識を破壊する突破力」「自治体3・0を実現する協創の力」という4つの力を、生駒市での先進的な事例も交えて提唱している。
AIやロボットの進展や少子高齢化などの急激な社会変化が、自治体や公務員の在り方に大きな影響をもたらすという認識は共有するが、事務的な仕事のほとんどがAIやロボットに置き換えられるであったり、終身雇用や年功序列はまもなく崩壊するであったりといった提示されている「公務員の未来予想図」は、単にエキセントリックに書き立てているだけで、あまり根拠に基づくもののようには思えなかった(危機感を持っていないわけではないが、それらに至る具体的な筋道が腹に落ちなかった。)。
一方、上述の4つの力をはじめ、本書で指摘されているこれからの自治体や公務員がいかにあるべきかという処方箋は、おおむね納得できるものだった。特に、「自分プロジェクト」を持つべきという指摘や「ボスマネジメント」の重要性の指摘、「(仕事を)捨てる技術」と「60点で返す習慣」の提唱、公務員をやめても食べていける専門性を身につけるべきという主張などは、強く共感した。また、副業推進の取組やシェアリングエコノミーの活用など生駒市での先進的取組も、他の自治体が見習うべきものが多いと感じた。 -
生駒市長である著者らの取り組みは素晴らしい。が、多くの自治体はまだまだ旧態然としており、この本の取り組みはかなり先進的、異端的だろう。内容は正しいし、いずれこの通りになっていくだろうが、実際には時間がかかるのではないかな。
以下、本筋とは違うがメモ
・公務員がお勧めの仕事である理由の1つは、地域とのつながりが自然と広がる仕事だから。
・人生100年時代だからこそ現役時代から地域コミュニティを意識した行動をしておくこと。