七歳までは夢の中: 親だからできる幼児期のシュタイナー教育

著者 :
  • 学陽書房
3.76
  • (24)
  • (33)
  • (44)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 204
感想 : 39
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784313630277

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 何度目かに読み終。
    毎回思うけど、中身の実践的な内容うんぬんより、
    読んだ後、自分が自然にヤサシイ状態になってて、
    シュタイナー的とかってよりなにより、
    すごくいい状態で子供と向き合える。

  • とにかくぎゅーと正面から抱きしめて、大好きだよ、と伝えること。
    けんかしても、よしよし、してぎゅーとする。
    7歳までは夢の中の世界から、なるべくださせないようにすごすというのが、ほ〜〜へぇ〜〜〜そんな!考え方が!とおどろき。

    シュタイナー教育については、全然よくわかっていないけれど、
    5歳の息子さんとのシュタイナー幼稚園での日々を綴ったエッセイのような本書は、とっても楽しく読めました。

  • akkさんが貸してくれた
    まさに耳が痛いです、という良い話、すごく良いアイディア、今すぐやるべきだな、と思うこと

    え〜まじそれは正直正反対のアプローチ取ってるし、時代錯誤というかできたら素敵かもしれないけど私には絶対向いてないわ、という様なこと
    が混ざっていて
    という事実自体大変面白いが
    何であれ
    今すぐ取り入れたいと思う様なことが書かれているから良い本だと思う

  • アメリカのシュタイナー幼稚園の様子。
    やっぱりシュタイナー系の幼稚園に通わせたかったなー という気になった。もう卒園だけど。。。

  • ◆きっかけ
    育児の本を読んでいるとよく出てくるシュタイナーという言葉。関連本も読んでみたけど、この本も良さそうだと思って。今の所、シュタイナー云々というよりも、育児について色んな考え方や意見を偏りなく知りたいと思っていて、読んでみたいと思った。2017/5/1

    ◆感想
    1994年発行の本。図書館。

    シュタイナー教育関係の本、これまで何冊か読んでいたけれど、本書は教育者目線ではなく、一母親の、シュタイナー体験記エッセイといった風合いで読みやすく、おしつけない感じが良かった。ご自身に対する教訓のような書き方をされている部分も多く、私はこうしてます!どうだ!という感じの押しつけは一切無く、彼女が好んで実践したり勉強したりしている姿勢が好ましかった。

    本書で描かれるシュタイナー幼稚園の様子が、小学生~大学まで続けていたガールスカウトの世界観と(特に小1~3のブラウニー)似ているなあと思った。小人のお話や、数々の歌、やることや行事など。

    「どこの国にも夏至祭り、(中略)などが、いろんな形で残っているわけで、外国の行事を「日本で言えばこんなお祭りか……」と置き換えて考えてみるのは楽しい。…p112」等、育児以外のお話に共感する部分も多く、手元に置きたいと思った。

    ◆引用
    ・p14…母は(中略)「いろいろな教育法は、それぞれに素晴らしい。でも結局は、子どもの前に下ろしていく保育者の、人となりによって生かされもし、殺されもする。何を読もうと最終的には自分なりの保育をするしかない」と感じて、よいと思ったところを部分的に取り入れるにとどまっていた。

    ・p14...宗教も歴史も生活習慣も違う外国のものを、日本に直輸入してどうするの?益よりも害の方が大きいんじゃない?

    ・p21...うっとりしてのめりこみそうになる私に、なにかとブレーキをかけてくる。そのたびに「フン」と思うが、後から「ああ、聞いといてよかった」と思う。かと思えば、シュタイナーの本など読んだこともない夫が、シュタイナーと似たことを言うので驚く。
    →共感。

    ・p22...「シュタイナー教育」と聞くと、そこにシュタイナーによる特殊な発明事項があるように思えてしまうが、そうではない。「子どもを細かく深く観察したら、こうなりませんか」と私たちに気付かせ、そのときどきに我々でなく、子ども自身が最も必要としていることをしましょうという考え方の集大成が、シュタイナー教育である。  そうである証拠に、日本の教育現場で活躍しておられる先生方の心打つ手記を読むと、シュタイナーとの共通点をたくさん見いだすことができる。古今東西、子どもをよく見てきた人の言うこと、することは結局同じなのだろう。  何が何でもシュタイナーじゃなくちゃ駄目だとか、私の解釈こそが正しいのだと、かたくなになってしまうと、この教育のせっかくのよさが死んでしまう。現場で日夜、子どもたちのために心を砕いて下さっている先生方への感謝を忘れて、批判ばかりしてみたところで、そこからは何も生まれてこない。私とて母親として完璧からはほど遠いのだから、人を批判する前にしておくことは、たくさんある。

    ・p40...いつも伝える必要のあることだけが、淡々と述べられていた。  かっと腹を立てたり怒鳴ったりしない反面(中略)盛りたて用語や盛大な拍手もない。先生の口調と同じく、子どもたちの感情の波も、静かで穏やかであるように見受けられた。

    ・p53...「しなくちゃいけないことはないんだけどね、こういうことするから子どもがかわいくなるんだよ」(中略) それは何の苦労もしないで誰かを愛するのは難しいということかもしれない。

    ・p63...小さい子どもは、自分のまわりで起こるすべてのことを善なるものと思い、何もかも肯定的に受け入れて、その通りに自分でもやってみる。(中略)言葉で訂正することはできない。だから子の前に立つ大人は、邪悪な考えを抱かず、よき人であろうと努力することが必要になる。

    ・p150...手に持っているものと、心に抱えているいろんな心配事を全部置いて、その子のために両手を空ける。少し目を合わせ、後は目を閉じて、両手と肩と首と顎とほっぺを使って子どもに触れながら「いい子いい子」とささやく。 すると不思議なほど短い時間で、子どもと心を通わせることができる。子どもは穏やかに落ち着いて強くなり、私もまさにその時に、子どもをかわいがるエネルギーを補給できたと感ずる。  近ごろ雑誌などに、「子どもに対して忍耐力を欠く自分に絶望する」というような手記を寄せているお母さんが多い。そこから抜け出せないと訴える人に、「子どもに手を上げてはいけません」と追い打ちをかけるような禁止事項を申し渡しても、何の意味もない。でも「もしかすると抱っこを忘れてない?思い出してみて」というふうには言ってもいいかもしれない。

    ・p176...何でも真似られていい大人になるのは全く難しいけれど、言葉でなく私の態度が子どもを育てているということを、忘れないようにだけはしていたい。

    ・p178..シュタイナー学校の先生とて聖人ではなく、なかには子どもを殴ったり、(中略)人種差別をする教師も居るそうだ。そんな話を聞くと、シュタイナー学校といえども、天国のような理想郷でなく、不完全な人間のなせる業の中で、悩みとともにあるところなのだなあと、かえって安心してしまう。  

    ・p179...しかしシュタイナーは、こうしなさい、でないと仲間に入れてやらない!とは言わない。むしろ食事にしろライフスタイルにしろ「狂信者にならぬように」と説いている。そのあたりを見落とさないようにしながら、シュタイナーの本を読んでいきたいと思っている。
    →「狂信者にならぬよう」と自ら説くということ、少し安心したし、好ましい。私もそういうスタンスで、いろんな知識を付けたいし実施していきたい。こうだと思うと頭が固くなるところろあるから、要注意。

    ◆本著の中に出てきて気になった本
    『ミュンヘンの小学生』
    『とぶ船』(ヒルダ・ルイス作、石井桃子訳、言わない少年文庫)

  • シュタイナー教育というものを初めて聞いた初心者です。本書は難しい専門書ではなく、シュタイナー教育を実際に見て感じたことを、母親目線で噛み砕いて教えてくれるものでした。
    そして子育ての本質について気付かされます。
    七歳までは夢の中にいるように育てる。
    現実世界に急いで呼び込んではいけない。
    考え方一つ一つに納得し、
    励まされながら読み終わりました。
    素朴で自然な子育てに憧れます。
    実践できるかな・・・?実践したいな!

  • この本を読んでいると、不思議と心が和みました。
    いつもはツラいな、と思う子育ても、なんだか幸せな気持ちで、子どもの「抱っこ抱っこコール」にもやさしくなれました。

  • よい本だ。幼稚園が嫌い、とかいうところから始まっているのもよい。美化されているのもあるかもしれないが、アメリカのシュタイナー学校、およびジョイス先生がかなりいい場所、いい人のようで、一度お目にかかりたいと思ってしまう。
    ゆっくりな子にはゆっくり、とかよかった。
    あとは、テレビを見ない、も。習い事のはちょっと説得力にかけるかなー。楽しんでしている子もいるしなぁ。。。

  • 何かを知る時に、「語り手」というのは重要だなと思う。読みやすい視点と文章

  • 「シュタイナー教育」をwikipediaで調べると、何やらエーテル体だのアストラル体だの、神秘思想に基づいた言葉が目につく。だが、この本ではそういった胡散臭い部分への言及は無い。端的に言えば、「自由の教育」ではなく「自由への教育」であるのだそうだ。
    確かに全体と通して、カトリック的な雰囲気をベースにしているものの、「○○しなければならない」と子どもを押さえつけず、「○○したい」という感情を育てる教育であるように見えた。

    一方、親の在り方についての言及も多い。特に「その通り」と思わずにいられなかった一文を引用。
    「近ごろ雑誌などに、『子どもに対して忍耐力を欠く自分に絶望する』というような手記を寄せているお母さんが多い。そこから抜け出せないと訴える人に、『子どもに手を上げてはいけません』と追い打ちをかけるような禁止事項を申し渡しても、何の意味もない。でも『もしかすると抱っこを忘れていない?思い出してみて』というふうには言ってみてもいいかもしれない。」

    あと、ジッドゥ・クリシュナムルティという人が居ることを知ったことは、この本から得た大きな収穫だ。釈迦やキリストの根本的な教えに通じることを語っていることが、引用された次の一文から見て取れた。いずれこの人の著書も読んでみたい。
    「自分のやりたいようにやることが自由ではない。怒り、嫉妬、冷酷、残忍さから自由であることが、本当の自由だ。人が自分の貪欲を見つめ、なぜ自分が欲ばりなのかと、その性質や構造を理解するに従って、人は貪欲から自由になる。それは、無欲になろうと心がけることとはまったく別のことだ。」
    (クリシュナムルティ「英知の教育」)

全39件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

岐阜市生まれ。出版社勤務を経て、子育てや子どもの本についての執筆、講演をしている。絵本の翻訳に『うさぎのおうち』(産経児童出版文化賞翻訳作品賞)『いえでをしたくなったので』『みんなであなたをまっていた』(以上、ほるぷ出版)『かさの女王さま』(セーラー出版)、『まどべにならんだ五つのおもちゃ』(徳間書店)ほか。著書に『絵本でほどいてゆく不思議~暮らし・子ども・わたし』(平凡社)ほか。

「2023年 『こんにちは、アンリくん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松井るり子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×