2020年 激変する大学受験!

著者 :
  • 学陽書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784313660632

感想・レビュー・書評

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  •  求められる人材やこれからのエリート像がなんとなく分かる。しかし、具体的な例が乏しいと思う。どんな人材が必要で、どんな人が活躍しているのか事例があれば、もっと伝わったはず。

  • 簡易にまとめられている。

  • アクティブラーニングで教育を受けないと、あなたの子供は、将来、大学に入れない、就職できない、文科省も、経済界もそう言っている、意識の高い親はもう準備している、等々、権威と恐怖で読者を縛り、コントロールしようとしている。何かのアジビラのようだ。筆者はアクティブラーニングの旗振り役である。欧米もそうだと言うが、彼の地では容赦なく落第させ、学校から放り出す(だから未成年の犯罪率が高い)。日本はそうではない。筆者が運動家ではなく、教育者なら、幅広く事実を提示し、判断は読者に任せる、というスタンスで本を書くべきだ。

  • すでに文部科学省は大学の入試制度変更を決めたにも関わらず、ほとんどの小〜高校では対応が取られていないことが分かった。
    対応を取っている、と中身のないパフォーマンスする学校や先生がほとんど。
    しかし、大学入試制度は“待ったなし”なしで始まる。
    なので保護者たちは対策として非常に有効なアクティブ・ラーニングを学校側へ要望すべき、とのこと。

    諦めていたら何も始まらないと思った。

  • つい一週間前(2016.10)のことですが、この本の著者の書いた別の本を読んで、2020年に大学受験が変わることを知り、その内容を詳しく、この本に書いたとあったので、早速読んでみることにしました。幸運なことに、最寄りの市民図書館に蔵書してあり、借りることができました。

    私の長女は、現在大学四年生、次女は高校三年生なので、激変する大学入試を受けることは恐らくないと思いますが、彼女たちは、その新制度で大学に合格し、勉強してきた後輩たちと、将来に会社で仕事をすることになるのでしょう。

    うちの娘達はどのような影響を受けるのかを考えると、心配になってしまいました。大学入試制度は今までに何度も改革が行われてきましたが、今回の改革には、産業界の思いがかなり色濃く反映されている点で、今までのモノとは少し異なると感じました。

    スーパグローバル大学に選ばれた、トップ型13校の名前は、予想通りの大学が並んでいましたが、グローバル化牽引型の24校の顔ぶれが、とても印象的でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・この教育、大学受験改革は、いままでのような「受験勉強で、詰め込む内容をちょっとだけ変える」という方法だけでは対応できない。要求される能力がまったく別のモノに変わる(p5)

    ・2020年、センター試験が廃止され、新しい入試制度が導入される。それは、高等学校基礎学力テスト(仮称)と、大学入学希望者学力評価テスト(仮称)が導入される。基礎学力テストは、高校1-2年の間に複数回受けられる。これは2023年度から。希望者評価テストは、2020年度から導入、自由記述を多くして、正解のないことがらについて、論拠を示しつつ、説得力のある記述を求める(p19)

    ・英語は、スピーキングテストが導入される(p23)

    ・日本人が海外で働き、外国人が国内に入り職場で働き、人がグローバルに動くのが当たり前になる、そのような人材を、人口の10%、せめて5%は早急に必要としている。そのためにトップ大学をまず、改革しようとしている(p27)

    ・スーパーグローバル大学のトップ型として、北海道・東北・筑波・東京・東京医科歯科・東工・名古屋・京都・大阪・広島・九州・慶応・早稲田の13校、グローバル牽引型として、千葉・東京外大・東京芸大・長岡技科大・金沢・豊橋技科・京工繊・奈良先端・岡山・東洋・国際教養・会津・国際基督教・芝浦・上智・東洋・法政・明治・立教・創価・国際大学・立命館・関学・立命館アジア太平洋の、24校(応募は104校)(p29)

    ・世界トップ校では、エリートに対して答えのない問題に立ち向かわせる教育を大学で行っている。日本の大学改革もどの方向に進んでいる。正解を覚えるだけでは、いまの産業は発達している国に勝てないから(p34)

    ・アメリカの統一テスト(SAT)jは、民間団体が実施。英語と数学のみ、何度でも受験可能。各教科別のSATもある(p43)

    ・新しい入試制度改革への対応は、地域差・組織差・学校差、がある(p52)

    ・大学入試が変わる理由は、終身雇用と年功序列が終わるから(p56)

    ・雇用は変わりつつあるが、その具体策は、1995年に日経連から発表されている。長期蓄積能力活用型グループ(定率+業績の賞与)、高度専門能力活用型グループ(成果配分)、雇用柔軟型グループ(定率)である。今後は、長期グループ以外のグループは、新卒の状態では仕事に就くこと自体が難しくなる(p59、61)

    ・今後は、春の新卒一括採用が消えて、職種別にスキルのある人員を補充的に採用する、アメリカのような「ジョブ型」の雇用に変わる(p61)

    ・今後の就職で求められるのは、「自分で自分の人生をどうしたいかを考えて目標設定をし、その目標に向けて努力してきたか」であり、それを見抜くために、「エビデンスに基づくストーリー」を注目する、そのためには、大学入学時から職業選択の方向性を持つ必要がある(p70)

    ・学生に人気の職種は、未来の斜陽職種である(p77)

    ・ロボットや人工知能が取って代わることのできない仕事とは、1)正解のない問題に答えを出す仕事、2)相手の気持ちを察しながら説得する仕事、3)人間だけができる技術、4)自らが生み出した仕事(p79)

    ・若い人たちから必票とされる人は、リストラされない。そこで大事なのは自分と年齢の違う人とつきあえる能力(p80)

    ・教員による一方向的な講義形式の教育をしていたのは、本は高くコピー機はない、本を持っているのは教師のみ。だから教師はそれを板書し、子供たちはそれを写した。これは、幕末の時代の先進国がそれ以外に選択肢がなくて仕方なくやったもの(p89)

    ・有能な社会人に育てる方法は、「まかせ、失敗させ、乗り越えさせる」(p107)

    2016年10月15日作成

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著者プロフィール

1959年、東京生まれ。1982年、筑波大学第二学群生物学類生物物理学専攻を卒業。1984年、筑波大学教育修士修了(教育学修士)。1985年、東京都高校教員。現在、上越教育大学教職大学院教授。2003年、博士(学校教育)(生物、地学/「巨視的時間の距離感形成に関する研究」)。科学教育研究奨励賞(日本科学教育学会)、教育研究表彰(財団法人 教育研究連合会)、理科教育研究奨励賞(日本理科教育学会)、理科教育学会賞(日本理科教育学会)受賞。主な著書に、『気になる子への言葉がけ入門』『クラスと学校が幸せになる『 学び合い』入門』『子どもが夢中になる課題づくり入門』『アクティブ・ラーニング入門』((明治図書)、『クラスが元気になる!『学び合い』スタートブック』『クラスがうまくいく!『学び合い』ステップアップ』『学校が元気になる!『学び合い』ジャンプアップ』『すぐわかる!できる! アクティブ・ラーニング』他

「2022年 『部活動顧問の断り方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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