アダルト・チルドレンと家族 (学陽文庫 さ 3-2)

著者 :
  • 学陽書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784313720480

感想・レビュー・書評

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  • 自分の中にいる傷ついた子供の存在を薄々と感じて、何かの手がかりになるかと読み始めたが、基本的には幼少期に親から肉体的又は精神的な虐待を受け、トラウマを抱えた人々のための本で、その虐待の具体的な内容を読むにつれ、自分は虐待などされていないし、トラウマはそこまで深刻ではないと思った。
    しかし、思い返してみると、私はそれほど幼くなく、距離も離れていたものの、我が家の機能不全は確かにあったし、当時実家にいて、まだ中高生だった妹の症状はここに完全に当てはまっている。
    あの頃母は苦しみの中に沈んだ被害者であり、親の愛を感じられずに窒息していたと思う。
    それを身近で見ていた優しい妹の傷は大変深かったと思う。妹は身を呈しておばあちゃんの問題から家族を引き離したとも言える。この本の言い方で言えば、母は苦しみながら自分を犠牲にした結果、妹は隠れた意思を病気によって表現したのだろう。
    ということは、やはり程度の問題はあれ、私にもそれなりの傷は残っているのだろう。
    あの時離れていた事で難を逃れた自分を責め続けていないと言ったら嘘になる。
    傷から目をそらさず、悲しみと向き合える日は遠くない事を望む。

  • ”「世間でいう親子関係が私にはない」と思い定めることは大変な苦痛ですが、「変えられないものは受け入れるほかない」のです。
    むしろ私たちの人間関係の成長は、「親があのようである」ことを受け入れるところから、始まるように思えます。親を変えることの魅力から離れることができたときに初めて、現在の自分のまわりに存在する暖かい人間関係に気づくようになるからです。“

  • この本を読んで、自分の過去に向き合って、楽になった。読んでいる間、つらくなったとき、一緒にいてくれた人に感謝。
    と同時に、私と同じように苦しんでる人がいるのではないかと思う。
    はっきりとした理由もなく漠然と生きるのがつらい人は、読んでみるといいかもしれない。
    この本と出会えてよかった。

  • 本書のまえがきで述べているが、著者が言うアダルト・チルドレンとは、家族内トラウマの後遺症(PTSD)に悩むものの事である。本書で思ったのは、私が親になったときには、絶対に暴力はしてはいけないという事。暴力はその子供の人生を台無しにする。そして暴力は連鎖する。現在の少年問題の裏には、アダルト・チルドレンが隠れているかもしれない。(偶然出合った本で、こんなに考えさせられたのは初めてだ)

  • ココロの奥に封じ込めていた過去を思い出すいいきっかけを作ってくれた本です。とても読みやすいと思います。

  • なんか、自分にも当てはまるところがあるんです。親子関係が、今も引きずってるんです

  • 非常に解りやすいので、未だに時々読みます。自分がACかっていうと、そうじゃないとしか言えませんが(笑)

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著者プロフィール

精神科医、家族機能研究所代表。
1941年東京都生まれ。1967年慶應義塾大学医学部卒。同大助手、WHOサイエンティフィック・アドバイザー(1995年まで)、フランス政府給費留学生、国立療養所久里浜病院精神科医長、東京都精神医学総合研究所副参事研究員(社会病理研究部門主任)などを経て、医療法人社団學風会さいとうクリニック理事長、家族機能研究所代表。
医学部卒業後、母校の神経科学教室で精神分析のトレーニングに入る。同時期より、国立アルコール症センターとして発足した久里浜療養所(当時)で臨床にあたりつつ、アルコール依存症など「依存症」という用語を提唱し定着させ、依存症の家族に代表される、温かさや安心感などが提供できない機能不全家族で育った「アダルト・チルドレン」という概念を日本に広めた。著書に『すべての罪悪感は無用です』『「愛」という名のやさしい暴力』(ともに小社刊)など多数。

「2022年 『毒親って言うな!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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