小説 上杉鷹山〈上〉 (人物文庫)

著者 :
  • 学陽書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784313750012

作品紹介・あらすじ

灰の国はいかにして甦ったか。九州高鍋の小藩から養子に入り、十七歳で名門上杉家の藩主の座についた治憲は、自滅か藩政返上かの瀬戸際にある米沢十五万石を再建すべく、冷メシ派を登用し改革に乗り出す。藩主や藩のために領民がいるのではない、との考えのもとに人びとの心に希望の火種をうえつけてゆく…。

感想・レビュー・書評

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  • 我慢!
    ① 「敵は己」改革を成功する為は、感情に流されては、ダメ!
    ②高い志!常に現場にとってどうなのか?を考える。考え続ける。何が正しいことなのか?
    小さな「火種」
    ③スピードと変化と人。
    改革には、チームづくりが重要。
    実行力!

    なぜ?江戸の時代に上杉鷹山治憲さんは、そういった考えを持てたのか?
    時代を超えて、人の本質が見えてくる。

    この本が書かれたのが1983年。
    昭和58年。
    その後に登場する凄腕の経営者の考え方にも共通するところが多い。
    不思議だった。

    人は、繰り返す。それとも本質は、いっしょなのかもしれない。
    人の為に何が大事なのか?
    人だけかもしれない。人の為にできる能力があるのは。
    だからこそ文化が発展していく。
    人にどう伝えるのか?

    治憲さんの若干17歳にしての凄腕の経営。
    知識と学び。現実、現場にそくした学習の大切さを学びました。

    気づきがありました。
    ありがとうございます。

  • 立花宗茂や直江兼続を読もうと童門冬二さんの作品に他に何があるか調べているとオススメされているのはこちら上杉鷹山が多く、広い知識の無い自分には誰だ?と興味が湧き手に取った作品。

    序盤から主人公である上杉鷹山(上杉治憲)にえげつない程共感しながら進むストーリーにページが止まらない。
    治憲可哀想やな、治憲がんばれ、治憲良かったなと感情移入し過ぎて小説を読みながらフフっと笑ってしまったり泣きそうになったりと読了。
    今まで小説を読みながらこれ程共感でき尊敬出来る主人公に出会った事はなく素直に感動した。

    たかが昔の藩主の1人かもしれないが読んだ事のない方には是非読んで頂きたい!
    こちら上杉鷹山という作品の入り口まで来て読むのを悩んでいる幸運な方の背中を押したい。
    このレビューが誰かの背中を押せたら嬉しく思います。

  • 感動した、語りも人物の会話も口語で非常に読みやすい。
    歴史小説というよりこれはビジネス書、それも経営者の範となる。
    ジョンFケネディも印象に残る日本人の名として鷹山を挙げたそう。

    今風に喩えれば、老舗の世襲企業に、突如やってきた外様の代表取締役、会社の内や派閥抗争ばかりで客を顧みない古参の取締役ににらまれながらも大胆に、柔軟に、徳をもって社を改革する。客が戻った、という話。

  • 高校生の時に読んだものを再度読破していく。
    この本自体は前半だけだが、一つの物事を達成するために自分がひたむきに変わろうとする治憲青年の姿勢に心打たれた。高校生の時は周囲を変えていくためには自分から変わるために動かなければならないということが強く印象に残った。
    しかしながら働く立場の視点を持った以上、自分がここまで能動的に動けているかは不安に感じた。そのため、自分の行動の見直しとして非常にいい一冊になった。
    高校生の当時、同年代でこんな人に近づきたいと妄想を散らしていた自分を思い出して、今どうなのかグサグサきた一冊。

    しかし、彼のような為政者が現代の日本にどれだけいるのだろうか・・・。

  • 胸をハッとさせられる箇所が数か所あった。

    童門冬二さんという方は、「人」を良くも悪くも、深く洞察している人物なのではないかと感じる。

    鷹山は、若い。瑞々しい青年で、その若さゆえの、美しさひたむきさを感じた。

    権力をもった老獪な中年達は、「経験」や「常識」の枠から逃れることが難しく、鷹山という青年が実行する改革の、邪魔をすることはあっても手助けにはなれなかった。

    中年になると、若者を尊敬する心や、信頼する心を、意識して自分の中に確立しないと、すぐさま、「経験不足」と言う言葉で、見下す心理にとらわれがちになるものなのかもしれないと感じた。

  • 歴史小説であるが、現代のビジネスにも通じるところがたくさんあった。
    改革に対する姿勢、心の持ち方、どんな状況でも、冷静に考え判断できる、とてもすばらしい人物でひきこまれた!

  • 今年(2001年)読んだ80冊以上の本の中からのベストを挙げておく。これは私の記録のため。こんなに本を読んだのは生まれて初めてである。全ていろいろな本をすすめていただいた方々のおかげです。 どうもありがとうございました。(2001.12.31HPの日記より)
    【文庫】
    1.「マイカラー・マイナンバー」ルイーズ・L・ヘイ
    2.「代表的日本人」内村鑑三
    3.「小説上杉鷹山」童門冬二
    4.「新時代の悟り 目覚め」高嶺善包

    ※2001.11.23購入@読書のすすめ
     2001.11.29読書開始
     2001.12.1読了
     2011.12.11売却済み

  • 帝王学で上杉鷹山を知り、読み始めた。
    読みやすく、非常に面白い。
    もっと早く知りたかった。とどうしても思ってしまう。

  • 次の世代を担う人達に読んで欲しい本!

    私が実家を出て一人暮らしをしていた頃、
    突然、病院に入院することになり、
    慌てて実家から両親が駆けつけてきた時に
    入院の間、やることもないだろうからと、父から近くの本屋で買ってきてくれた本。
    それが「上杉鷹山」でした。

    当時、成人前の私には文字ばかりの本に抵抗を感じて、読むことはできなかったのですが・・・

    先日、上杉鷹山の名前を見た時、
    読んでみるかと思い、年末から読みだし、ようやく読了。

    学生時代のあの時読んでいれば人生は大きく変わったかもしれない!と後悔する良書でした。

    仕事で「何かを変えたい」とするときに今も昔も抵抗勢力はあるもの。
    ちょうど今の仕事でも同様の悩みがあり、運命を感じながら読み進めました。
    先人と同じ失敗の轍を踏まないよう、先人の教えを学ぶことが出来るのが本の良さ。

    本書では、小説という事で読みやすくストーリーが組まれているのが読み手の支えになってくれて最後まで読むことができました。

  • 最後の重役たちへ罰を与えるシーンが心打った。途中重役たちを褒めるシーンもあった中最後の最後に切腹させるシーンは私も治憲と同じ悲しさという感情に至った。だからこその最後の須田に手紙で示唆していた藁科には腹が立つ。

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著者プロフィール

歴史作家。東京都知事秘書、広報室長、企画調整局長、政策室長を歴任。退職後作家活動に専念。人間管理と組織の実学を歴史の中に再確認し、小説・ノンフィクションの分野に新境地を拓く。『上杉鷹山』『小説徳川吉宗』など著書は300冊を優に越える。

「2023年 『マジメと非マジメの間で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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