精神分裂病の世界

著者 :
  • 紀伊國屋書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314001892

作品紹介・あらすじ

参考文献: 216-220p

感想・レビュー・書評

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  • 精神分裂病(統合失調症)について、幅広い観点から著者自身の考察が展開されている本です。

    著者は、統合失調症の症状と、それを理論的に解明しようとするこれまでの試みについて簡潔に紹介したうえで、みずからの統合失調症観を開陳しています。著者は、『言語と妄想―危機意識の病理』(1994年、平凡社ライブラリー)において、カフカやエドガー・アラン・ポウといった作家たちについての病跡学的な観点からの考察をおこなっていますが、本書でもチェーホフやストリンドベリなどの作家や芸術家たちへの言及がふんだんにおこなわれており、「精神分裂病の世界」を豊かなイメージを交えながら論じています。

    統合失調症について、やや特殊な観点から論じた本という印象もありますが、精神の病と文化や芸術との関連について考えるうえで多くの示唆をあたえてくれる内容だと感じました。

  • ずいぶん古い本だけれど、名著。

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著者プロフィール

1930年埼玉県に生れる。1954年東京医科歯科大学医学部卒業。精神医学専攻。自治医科大学名誉教授。1999年歿。著書『精神分裂病の世界』(紀伊國屋書店、1966)『人間的異常の考察』(筑摩書房、1970)『現代の異常と正常』(1972)『言語と妄想』(1974、以上平凡社)『妄想研究とその周辺』(弘文堂、1982)ほか。訳書 フランクル『時代精神の病理学』(1961)『神経症』(共訳、1961)ビンスワンガー『現象学的人間学』(共訳、1967)『妄想』(共訳、1990)メルロ=ポンティ『知覚の現象学』2(共訳、1974)テレンバッハ『味と雰囲気』(共訳、1980)『メランコリー』(1985、以上みすず書房)ハンス・トリューブ『出会いによる精神療法』(共訳、金剛出版、1982)ラカン『パラノイア性精神病』(共訳、朝日出版社、1987)ほか。

「2020年 『妄想 【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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