不可能な交換

  • 紀伊國屋書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314009065

作品紹介・あらすじ

世界のあらゆることがらに意味と目的をあたえる(=交換可能にする)というわれわれの欲望は、クローンや人工知能を含むヴァーチャル・リアリティの全面化によって、ついに満たされたかのようだ。しかし、ゲームは終わっていない。リアルさや他者性を消去していく世界で、交換可能性(不確実性)自体をルールとした新しいゲームがはじまったばかりなのだ…。

感想・レビュー・書評

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  • ふう、頭疲れた。最初の20頁くらいは割りとすんなり入ってきたのだけど、ほどなくしていつものシニカル・トリックスター的眩惑の言説が果てなく繰り出され、こちらの読解コードは自動的に詩集などに向かうときのそれに切り替わる。本書を言葉で要約するにはあと10回くらい間をおかずに読み直すくらいしなければとても無理なのだけど、何故か視覚的想像力の方は活発に刺激され、世界を構成するあらゆるエレメントのデジタルインジケータが陰陽忙しなく入れ替わりながらずいずいと伸びてある点を上限に肩を並べていく様が目に浮かぶ。ともかくバイオテクノロジーだのヴァーチャルリアリティーだのごてごてとオーバースペックを身に纏った我々人類は、もはや後戻りのできない未踏のステージに足を踏み込んだちっこい“ゆうしゃ”のようだ。訳も解らず“新しいゲーム”に引きずり込まれ右往左往する我々を、ボードリヤールは草葉の陰で笑っているだろうか。

  • BJd

  • 希望格差社会

  • ヴァーチャリアリティの現在における思想の在り方

  • 生産の時代は終わり再生産の時代にあると著者は云う。現実や絶対的真理などない。あるのはハイパーリアルのみ。

  • ボードレールと間違って買ったわけではない

  • 世界の在り方が劇的に変わったのだと実感できる。

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著者プロフィール

【著者】ジャン・ボードリヤール :  1929年生まれ。元パリ大学教授(社会学)。マルクスの経済理論の批判的乗り越えを企て、ソシュールの記号論、フロイトの精神分析、モースの文化人類学などを大胆に導入、現代消費社会を読み解く独自の視点を提示して世界的注目を浴びた。その後オリジナルとコピーの対立を逆転させるシミュレーションと現実のデータ化・メディア化によるハイパーリアルの時代の社会文化論を大胆に提案、9・11以降は他者性の側から根源的な社会批判を展開した。写真家としても著名。2007年没。著書に『物の体系』『記号の経済学批判』『シミュラークルとシミュレーション』(以上、法政大学出版局)、『象徴交換と死』(ちくま学芸文庫)、『透きとおった悪』『湾岸戦争は起こらなかった』『不可能な交換』(以上、紀伊國屋書店)、『パワー・インフェルノ』『暴力とグローバリゼーション』『芸術の陰謀』(以上、NTT出版)、ほか多数。

「2015年 『消費社会の神話と構造 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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