- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784314009065
作品紹介・あらすじ
世界のあらゆることがらに意味と目的をあたえる(=交換可能にする)というわれわれの欲望は、クローンや人工知能を含むヴァーチャル・リアリティの全面化によって、ついに満たされたかのようだ。しかし、ゲームは終わっていない。リアルさや他者性を消去していく世界で、交換可能性(不確実性)自体をルールとした新しいゲームがはじまったばかりなのだ…。
感想・レビュー・書評
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ふう、頭疲れた。最初の20頁くらいは割りとすんなり入ってきたのだけど、ほどなくしていつものシニカル・トリックスター的眩惑の言説が果てなく繰り出され、こちらの読解コードは自動的に詩集などに向かうときのそれに切り替わる。本書を言葉で要約するにはあと10回くらい間をおかずに読み直すくらいしなければとても無理なのだけど、何故か視覚的想像力の方は活発に刺激され、世界を構成するあらゆるエレメントのデジタルインジケータが陰陽忙しなく入れ替わりながらずいずいと伸びてある点を上限に肩を並べていく様が目に浮かぶ。ともかくバイオテクノロジーだのヴァーチャルリアリティーだのごてごてとオーバースペックを身に纏った我々人類は、もはや後戻りのできない未踏のステージに足を踏み込んだちっこい“ゆうしゃ”のようだ。訳も解らず“新しいゲーム”に引きずり込まれ右往左往する我々を、ボードリヤールは草葉の陰で笑っているだろうか。
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BJd
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希望格差社会
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ヴァーチャリアリティの現在における思想の在り方
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生産の時代は終わり再生産の時代にあると著者は云う。現実や絶対的真理などない。あるのはハイパーリアルのみ。
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ボードレールと間違って買ったわけではない
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世界の在り方が劇的に変わったのだと実感できる。