- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784314010559
作品紹介・あらすじ
1990年代初頭に、自分がある行為をしているときも、他者がその行為をしているのを見ているだけのときも、同じように活性化する脳の神経細胞が見つかった。鏡のように他者の行為を映すことから"ミラーニューロン"と名付けられたこの神経細胞の発見は、脳科学のみならず、心理、教育、社会学、人類学、芸術など様々な分野に衝撃を与えた。学習や模倣、コミュニケーション、さらには情動の伝播・共有を説明する鍵として注目を集め、生物学におけるDNAの役割を心理学で担うとも言われる、ミラーニューロンの秘める可能性を、発見者自らが科学的に解き明かす。
感想・レビュー・書評
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ミラーニューロン系が、観察された行為をコードするだけでなく、どんな意図でその行為が行われたかもコードしている。
他者の行為を観察すると、それを文字通り追体験する。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミラーニューロン
人工知能考えるうえでも、ここしばらくのテーマである模倣について考えるうえでも、まずはここから
脳の運動系は、認知やらのエリアから指示された運動をただ実施する指令を出すところではなく、対象をアフォーダンスを喚起して理解もするし、そのための空間を近景、遠景と分離しながら把握する。
さらには、コミュニケーションや学習の根本となるミラーリングをも内包している。
もし他者を自己にミラーリングして体験しなければ、他者はあくまで観察の対象であり、共感や嫌悪の対象にはならないだろう
猿と人間では、そのミラーニューロンの発達レベルが全然違う
言語の獲得すら、ミラーニューロンが介在してるでしょう。
つまりは、サピエンス全史のいうような人類特有の共同幻想すら、ミラーニューロンのせいにしていいのではないかと思ったりする。
すべての類似には反復が原因にある、というタルドの模倣の法則や、ジラールの考える世の初めに隠されたこと、そういうのも全てミラーニューロンのせいにして良いのではないかと。 -
脳の仕組みから説明されていて、専門家向けの本やと思います。
ミラーニューロンを詳しく知ろうと思えば、この本はオススメです。
しかし、まずはミラーニューロンの発見を読むことをオススメします。
ミラーニューロン素敵。 -
物まね細胞、ミラーニューロンを解りやすく知るなら『ミラーニューロンの発見』の方をお薦めします。こちらは専門書ぽく、難解。
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先に読んだイアコボーニの『ミラーニューロンの発見』は一般読者向けに書かれた平易な書物だったが、ミラーニューロンを発見したチームの一人、リゾラッティが書いた本書は、むしろ専門書である。したがって厳密な科学的データが記されていくので、素人にはよくわからない用語も出てくる。が、理解不可能ではない。
もともとミラーニューロンは1990年代に偶然発見されたもので、その前段階において、「認知」と「行動」それぞれの神経回路を結びつける脳の領野を探った記録が、本書の最初の4分の1を占める。
ミラーニューロンについても、イアコボーニの前掲書に比べずっと地味な科学的データを記述していく。私のようなド素人は『ミラーニューロンの発見』を読んでからこちらにかかるのが良いだろう。
イアコボーニは自在に推論を広げていったが、本書ではそうした逸脱は慎重に避け、緻密な科学の信憑性を重視している。
あらためて、ミラーニューロンは他者の動作の各側面を分析し脳内で模倣するのでなく、自己の運動知識に基づいて一挙に「他者の動作の意図」を取得するものだということを確認した。これはフッサールがくどくどと考えていた「感情移入」のプロセスが瞬時に、生物学的に実践されていることを示している。
今後のミラーニューロンの研究成果が楽しみだが、一般読書人がそれを知ることができるようになるためには、タイムラグが生じるのだろう。 -
☆この本は熊本大学附属図書館中央館にあります。
請求記号 491.371 R,49
【熊本大学】ペンネーム:やっちゃん -
丁寧に解説してあるので、さらっと概要を知りたい場合は入門本を。
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資料ID:W0161868
請求記号:491.371||G 47
配架場所:本館1F電動書架C