共感の時代へ―動物行動学が教えてくれること
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この作品からのみんなの引用
みんなの感想・レビュー・書評
著者は,2007年「タイム誌」の「世界で最も影響力のある100人」に選出された動物行動学者。本書では,著者やその他の学者が行った動物実験の成果を交えながら,チンパンジー,ボノボ,イルカ,クジラ等の認知的側面にも言及しつつ,人間がもつ「共感」の実体・実態に迫っている。ミラーニューロン,利己的な遺伝子等,今では一般にも広く知られているトピックとも絡めながら,また哲学者や経済学者の言説にも触れる形で,人... 続きを読む »
ゼミの課題図書。 私はよく知らなかったのですが、著者のFrans de Waalは大変偉大な方だそうです。 著者は動物行動学に関するとても興味深い科学的なエピソードをこれでもかという程示し、「共感」とは何も人間特有の能力ではなく、生物進化に根付いたものであると主張しています。 しかしその能力はマトリョーシカのような構造になっており、根本的な情動伝染は多くの種で見られるものの、より高度な「... 続きを読む »
これを読んでいると,チンパンジーと人間とを分かつモノは一体なんなのだろうかと思ってしまう。
比較行動学に関する研究も具体的に紹介されているし,翻訳家による翻訳なので,とても読みやすい。とは言え,やはり専門書ではあるが。他にもこの著者の本は翻訳されているので,読んでみたいと思う。
1.右も左も生物学
2.もう一つのダーウィン主義
3.体に語る体
4.他者の身になる
5.部屋の中のゾウ
6.公平にやろう
7.歪んだ材木
他者への関心と、それを基盤とした道徳は、社会的本能に根ざすものであり、哲学や論理の範疇を越えている、という主張が気に入ってしまったので星5つ。
でも、おおまかな結論を先に提示して、ひたすらその例示という構成なので、人によっては退屈するかも?とは言っても、その例示がまた面白い(当然動物の例ばかりでほほえましい)のだが。
ぼくのなかでは、またも資本主義からのパラダイムシフトを示唆してくれた大事な本。骨太で優しい思想に触れたい人は、ぜひ。
霊長類研究の世界的権威によるエッセイ。形式は軽いが内容は重量級だ。読者層を拡大する意図があったのか、あるいはただ単にまとめる時間がなかったのかは不明。ファンの一人としてはもっと体系的・専門的な構成を望んでしまう。勝手なものだ。
http://sessendo.blogspot.com/2011/06/blog-post_21.html
生物学と動物行動学と心理学という非常に幅の広い領域の
ちょうど中間に上手く立って、「共感」というものについて
考察を行っている。
通常、自分の選考する領域の視点を絶対視してしまう
科学者が多い中、著者は、あくまで中立的だ。
その上で、著者は40億年の生命の進化の上に共感は
あるのであって、学習とか人間だけが持つ能力とかいう
議論は的外れだと指摘する。
身体も進化すれば、心も進化するという
大事なことに気付かされた一冊。
ただ、ちょっと動物の擬人化が過ぎるかな
という気もしないでもない。
ブログで詳しくレビューしています。
http://ameblo.jp/azure-dolphin/entry-10750505719.html
● 人間とは集団性の動物である。非常に協力的で、不公平に敏感で、好戦的になることもあるが、たいていは平和を好む。
● 二匹のサルに同じ課題をやらせる研究で、報酬に大きな差をつけると、待遇の悪いほうのサルは課題をすることをきっぱりと拒む。
・ 収入が一定の水準を超えると、物質的な豊かさの重要性は驚くほど小さいことが、さまざまな研究から明らかになっている。
・ スペンサーは「適者生存」という言葉を作った。「適者」に「不適者」への義務感を少しでも負わせるのは非生産的と。アメリカはスペンサーの言葉に熱心に耳を傾け、ビジネス界はそれに飛びついた。
共感という能力は、人間固有の能力ではなく、他の動物も 持っている能力である。その能力は、幼児から大人になる につれて発達するように、動物も進化の過程で高度な共感 能力を得てきた。 ということが、この本で主に述べられていること。 私たちは困っている人に対し手を差し伸べるように、あらか じめプログラムされているということらしい。 共感は自動化された反応で、制御しようにも限界がある。 ... 続きを読む »
「共感」はヒトだけが固有に持っている感覚ではない。著者によると、チンパンジーやボノボ、イルカといったの動物も、「共感」し合って生きているそうだ。動物として「共感」する感覚を基に、ヒトはさらに複雑な感覚を持つようになった。社会性やコミュニケーションと呼んでいる能力がその例である。動物行動学の観点から人間どうしの関わり合いを考えると、とても興味深い。ダーウィン進化論からオバマ政権、孟子の教えなど幅広く具体的な事例が随所に登場し、説得力を増している。
霊長類が向社会的(原語はsocial-oriented?)であることについて。
共感性はヒトのみに固有の特性ではないと論じられている。
ハリケーン・カトリーナは多くのアメリカ人に衝撃を与えた。なぜ、ここまで持たざる者たちが同じアメリカにいて、しかも犬死していったのか。アメリカ市民の多くがニューオーリンズの人々に共感したにも関わらず、心ないとある政治家は「自己防衛できなかった方が悪い」という発言を残した。他者のことを想うことができないとは、どういうことなのか・・・
著者は霊長類/猿の研究者で、その長年の研究から霊長類/猿も「共感」する動物であることを説いていく。チンパンジーやボノボの研究から、いかに彼らが賢い動物であるか何度となく驚かされた。
動物行動学という学問に初めて触れたけど、こんなに面白い学問だとは思ってもみなかった。
面白い。
ダイレクトにはチンパンジーなどの霊長類について書かれているが、当然のことながらその「共感力」は人間にも適用される。
だって、基本的な脳のつくりが同じなんだもの。
併せて「つぎはぎだらけの脳と心」を読むとイイと思う。






