新宿学

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制作 : 戸沼 幸市 
  • 紀伊國屋書店 (2013年2月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314010993

新宿学の感想・レビュー・書評

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  •  道路網など都市構造面からみても、昔の街道が現在も幹線道路として機能していたり、低湿地で未利用だった場所が逆に新しい幹線道路地になったり、昔、流れていた川が暗渠となって、その上に生活道路が造られることで川筋の痕跡が残されていたりと、一見すると分かりにくいが、そこそこに江戸時代の町や村の骨格が見え隠れしている。そこには土地にとり憑く霊気、いわゆる「地霊」などと呼ばれるものがあるようでもあり、その地霊が現代に至るまで新宿のまちの移り変わりに影響を及ぼしているかのようである。(p.51)

    「いつの時代にも、大きい流れがある。その流れに沿うて、素直に流れていく。それだけでよろしいのだ。(中略)いろんな人々が集まったほうがいい。僅かの歳月に根を張った伝統に価値はない。それより新宿は、小さな排他性のないところを特色としたい」と田辺は『わが町新宿』で語っている。(p.171)

  • 戦後直後の、新宿駅周辺の闇市の状況が面白かった。後に、歌舞伎町やしょんべん横丁となる闇市を取り仕切る、暴力団組長の活躍する様子が興味深い。

  • 1.戸沼幸一編『新宿学』紀伊國屋書店、本書は早稲田大学オープンカレッジ「新宿学」をベースに、内藤新宿から現代までの地理地形や土地利用と土地計画を訪ね、新宿のまちの発展を歴史的、文化史的に位置づける試み。本書が歩く時代と社会は、人々の営為を浮き彫りにし、まちの未来を展望する。

    2.戸沼幸一編『新宿学』紀伊國屋書店。維新と関東大震災、敗戦による焦土化で街は大きく変貌。大名屋敷と神田・玉川上水の変遷はインフラの移り変わりを、新宿文化担う老舗とエスニック化する歓楽都市は生活様相の内実の移り変わりを伝えており、歌舞伎町の変遷等々、本書で初めて知ることは多い。

    3.戸沼幸一編『新宿学』紀伊國屋書店。「新宿に、青春の門から入り、朱夏の時を過ごし、今、玄冬に向かう私自身の白秋の峠から新宿のまちの風景を眺めつつ、自分史に重ねて『新宿について、新宿の場所の力について考えてみたい』」。豊富な図版と資料で、街と人の営みを生き生きと描く好著。

  • 新宿のブックファーストで大きく平積み(平面置き?)されていたので購入。私にとって新宿の魅力とは、誰もを受け入れてくれる懐の深さがあるところだ。こう感じてから約10年以上が過ぎた。本書ではその「懐」の要因となる歴史とポテンシャルが系統立てられて紹介されている。普段何気なく訪れている場所には、江戸時代から連綿と続く歴史があることがわかった。また、「新宿学」を構築できる早稲田大の力も、本を読み終えて味わえた。

    歌舞伎町は戦後、「道義的繁華街を建設する」という思想の下で復興されたとのこと。現在は、推して知るべしだが・・・。

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新宿学の作品紹介

江戸時代の新場と遊郭、玉川上水、大名屋敷が、新宿発展の原点だった。一日350万人の乗降客を誇る世界最大のターミナル駅を中心に、新宿のこれからを展望する。図版90点・「淀橋・追分・御苑,散策大路・散策小路めぐり」まち歩きガイド付。

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