スコット親子、日本を駆ける: 父と息子の自転車縦断4000キロ

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制作 : 児島 修 
  • 紀伊國屋書店 (2014年12月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314011235

スコット親子、日本を駆ける: 父と息子の自転車縦断4000キロの感想・レビュー・書評

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  • タイトルが面白そうだったので読んでみたら、とても楽しい本だった。どこまでもアクティブで、ちょっとへこむことはあっても基本的にポジティブなアメリカ男性が、八歳の息子とともに宗谷岬から佐田岬まで自転車で日本を縦断した旅について綴ったもの。

    ご本人はインテルの社員で、日本人の妻は国連職員、リッチだけれど家族と過ごす時間は少ない。著者は「子供が幼い今しかできない経験をしたい、それも困難に挑戦するような経験を」と考え、いろいろ準備してその願いを現実にする。

    このあたり、いかにもアメリカ人だなあと思う。人生を飽くなきチャレンジだととらえ、無類の行動力で突き進んでいく。発散する熱量のケタが違う感じがする。最初のあたりではちょっと腰が引けてしまう。

    しかしまあ、読んでいるうちにどんどん楽しくなってきた。奥さんが日本人であることもあってか、著者は日本のことを実によく知っている。異文化を上から見る感じがないし、「ファンタスティックジャパン」としてありがたがることもない。そこが気持ちいい。

    もっといい気持ちになるのは、自転車の親子に声をかけたり、親切にし手助けする人たちの姿がたくさん書かれていることだ。これはもちろん、この二人が「白人男性とかわいい子供」であることが大きいとは思うが、それでもやっぱり、そうした無償の気遣いは心温まるものだ。また、著者の奥さんが夫に対して「人の良いところを見ようとするのがあなたの美点」というようなことを言う場面があったのだが、確かにそうだろうなあと思う。何かしてあげたいと思わせる魅力がある人なんだろうな。

    十代集団のガードの堅さへの違和感とか、広島の原爆資料館の説明に対するさりげない(けどはっきりした)苦言とか、考えさせられるところもある。著者は、この旅のあとインテルをやめちゃって、家族と共にあちこちへ冒険旅行をしているそうだ。またそのあたりを読みたいものだ。

  •  「人生をより良く過ごすための鍵は不快さにある」ジム・ウィテカーの言葉の意味を自分の8歳の息子と共有するため、あっという間に成長してしまう子供とまとまった時間過ごすために、著者は米大手IT企業を2ヶ月休暇をとって、2ヶ月の日本縦断チャリ旅行に出かける。
     最初は、妻と小さい娘がバンで一緒に過ごし、その後、父と息子だけで日本列島を駆け抜けるんだけど、、、日本の美しくも厳しい自然・気候、人々のちょっとした(でも、最高の)おせっかい、息子のかんしゃく、そして、楽観的な父親の見通しの甘さ。全てが珠玉のように描かれている。
     このお父さん(=著者)、結構、いや、相当見通しが甘い。典型的な底抜けに明るい男性で、おそらく妻から見ると、何にも考えずにモノを言うし、計画に抜け漏れがあって、ハラハラさせる人。でも、それでいいんだと、読み進めていくうちに感じてくる。全てを準備して、全てに保険を掛けてしまっては、新しい事が入りこむ余地がないし、新しい出会いも少ないだろうし。
     残念なのは、物語の後半、相当編集で端折ってしまったこと。長くても分厚くなってもいいから、全て読みたかった!紀伊國屋書店さん、改訂版、出してくれませんかねー

  • ものすごい行動力にただただ驚かされるばかり。

  • 本書は、41歳のアメリカ人男性が、8歳の息子と一緒に67日間をかけて自転車で日本を縦断したノンフィクションです。私が現在39才、長女が6歳なので、2年後には彼らに追いつくことになります。しかし、8歳の長女を連れて、自転車で日本を旅行するなど、正直想像できません。
     著者であるスコット氏はインテルに勤務するエリートサラリーマン、奥さんは国連の事務職員です。タフツ大学のロースクールで出会い国際結婚、ニューヨークに居を構える、いわば恵まれた上流階級です。スコット氏は、長男であるショウ君が生まれたあと、3週間の国外出張に出かけますが、もっと子供と過ごす時間を大事にしたいと考え、8年後に冒頭に述べた冒険を企画します。インテルも休職を許可し、国連その他さまざまな機関から支援を得ました。これは普通の人ではなしえないことだと思います。
     当然奥さんは反対、行く先々でも「8歳の子供にそんなことができるのか?」と疑問の目を向けられます。ショウ君は最初は癇癪を起こしてヒステリックになる局面はあるものの、旅の終わりには心身ともに成長し、頼もしい存在となっています。
     本書の半分は、北海道でのサイクリングに紙幅が割かれています。あまりにも北海道編が長いので、北海道を脱出するところで話が終わってしまうのではないかと思いました。北海道に紙幅が割かれているのには3つの理由があると思います。①旅の最初であり、スコット親子の不安心理が描写されていること、②北海道の大自然が素晴らしすぎること、③北海道のホスピタリティーが底抜けであること、です。誰しもがこの奇妙な親子を応援し、食料、宿泊場所を喜んで提供してくれています。
     本州編に移ると、旅慣れてきたこと、人々のホスピタリティーが割と本州じみてきたこともあって、淡々と進んでいきます。それでもなお、ずぶ濡れになった親子を迎えてくれる宿泊施設の支配人や新潟のトライアスリート、おなじく自転車で日本一周中の壮年の男性など、さまざまな人との出会いと別れが描写されています。
     なかなか文章だけでは伝わらないと思われるのが、日本アルプスの山越えです。子供を引き連れた自転車で山道を上り下りする辛さは、相当な語彙をもってしても伝えることが難しいと思います。
     彼らは見事走破します。白川郷や郡上八幡などの世界遺産を後にし、広島で原爆の悲惨さを体験し、サイクリストの聖地しまなみ街道を抜け、ゴールである九州は佐田岬まであと一歩というところまで迫ります。
     旅の終焉を目前に控え、寂しさがこみ上げてきます。旅が終わるときのこの感傷は、私も久しぶりに感じました。
     後日談として、スコット氏はインテルを退職し、家族で旅を続けていることが語られています。

  • 8歳の息子とパパの日本横断自転車の旅。とても面白くて時に感動して涙が出ました。厄介な8歳児との旅にイライラしたり、不注意からのケガに悪態をついたり正直な気持ちが書かれていてとても好感が持てました。無難にキレイにまとまってなくて読み物としても面白かったです。北海道の経験が衝撃的だったのか半分以上が北海道でページが埋まったていましたが、他の都市での出来事ももっと詳しく読みたくなりました。

  • 子どもと自転車旅、憧れるわー。母だけど。

  • ある晩、チャールズ.スコットは8歳の息子と日本縦断4000キロの自転車の旅を思いつく。家族で話し合い、体を作り、二人で特に8歳の息子が安全に乗れるような自転車を買って、何度も長いランをし、クビになる恐れも承知し、あらゆるケースに備え準備をする。いざ日本、北海道が出発地点。はじめは、その途方もない見えない怖さに思わず癇癪を起こしがちになる息子に悩まされながらも、子ども側の心境を思い、話し合いを繰り返し、息子ショウは旅の終わりには立派な相棒に成長した。単に観光ではなく日本人である妻のふるさと、日本を歴史、自然、文化とあらゆる角度で旅のコースを選定し、日本の地形による避けられない苦しい山越えも二人で越える。日本人との出会いの旅でもあり、夫婦、親子の成長の旅である。戦争について、アイヌなどの少数民族問題なども触れ、アメリカ人としての感情、アメリカと日本の二つを持つ息子の感情、人としての心情の変化もとても、興味深い。若いお父さんに是非読んでほしい一冊だった。

  • 出張帰りの東北新幹線で読了

  • 8歳の息子と日本縦断自転車旅行をしたアメリカ人の旅行記。こう書いてしまうとなんという事もなく聞こえてしまいますが、なかなか面白い!
    天衣無縫な8歳の少年のリアクションに笑わせられ、親子が出会った人々とのふれあいや、様々なアクシデント。ユーモアあふれる語り口を楽しみながら読み進めました。

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スコット親子、日本を駆ける: 父と息子の自転車縦断4000キロの作品紹介

アメリカ人親子が67日間の冒険旅行で出会った、日本の自然・歴史・もてなしの心……

知床・白神山地・白川郷・京都・高野山・しまなみ海道・ヒロシマ……インテル社で働くアメリカ人の父が、8歳の息子を連れて、日本最北端の宗谷岬から鹿児島の佐多岬まで、日本アルプスを越え各地の世界遺産をめぐりながら、自転車で真夏の日本列島を走り抜く。
旅を通して世界植林キャンペーンの募金活動を行い、国連から「地球温暖化を救うヒーロー」と命名された彼らの冒険は、国内外のメディアで紹介された。旅先でのさまざまなトラブルを通しての息子の成長、人々との触れあい、美しい風景や伝統との出会いが描かれ、日本人がニッポンを再発見できる一冊。

<本文より>
「北海道の人は、世界で一番親切だと思う」ショウが言った。ぼくは、人々の寛大さは、客を大切にする日本文化とも関連があるが、なかでも厳しい自然のなかで暮らす北海道では、困っている人を助けることが社会全体にとってとても重要なことなのかもしれないという自説を展開した。ショウが言った。「違うよ、パパ。みんなが親切なのは、ぼくがすごく可愛いからだよ!」

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