スコット親子、日本を駆ける: 父と息子の自転車縦断4000キロ

  • 紀伊國屋書店
3.70
  • (5)
  • (11)
  • (10)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 108
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784314011235

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • タイトルが面白そうだったので読んでみたら、とても楽しい本だった。どこまでもアクティブで、ちょっとへこむことはあっても基本的にポジティブなアメリカ男性が、八歳の息子とともに宗谷岬から佐田岬まで自転車で日本を縦断した旅について綴ったもの。

    ご本人はインテルの社員で、日本人の妻は国連職員、リッチだけれど家族と過ごす時間は少ない。著者は「子供が幼い今しかできない経験をしたい、それも困難に挑戦するような経験を」と考え、いろいろ準備してその願いを現実にする。

    このあたり、いかにもアメリカ人だなあと思う。人生を飽くなきチャレンジだととらえ、無類の行動力で突き進んでいく。発散する熱量のケタが違う感じがする。最初のあたりではちょっと腰が引けてしまう。

    しかしまあ、読んでいるうちにどんどん楽しくなってきた。奥さんが日本人であることもあってか、著者は日本のことを実によく知っている。異文化を上から見る感じがないし、「ファンタスティックジャパン」としてありがたがることもない。そこが気持ちいい。

    もっといい気持ちになるのは、自転車の親子に声をかけたり、親切にし手助けする人たちの姿がたくさん書かれていることだ。これはもちろん、この二人が「白人男性とかわいい子供」であることが大きいとは思うが、それでもやっぱり、そうした無償の気遣いは心温まるものだ。また、著者の奥さんが夫に対して「人の良いところを見ようとするのがあなたの美点」というようなことを言う場面があったのだが、確かにそうだろうなあと思う。何かしてあげたいと思わせる魅力がある人なんだろうな。

    十代集団のガードの堅さへの違和感とか、広島の原爆資料館の説明に対するさりげない(けどはっきりした)苦言とか、考えさせられるところもある。著者は、この旅のあとインテルをやめちゃって、家族と共にあちこちへ冒険旅行をしているそうだ。またそのあたりを読みたいものだ。

  • エリートサラリーマンの父親と8才の息子が自転車で日本を縦断する。宗谷岬~佐多岬まで、距離にして4000㎞!67日間!しかも日本アルプスを横断(白神山地、白川郷、高野山、広島)するコース。
    旅の二年後、とーちゃんは冒険家・作家・講演者としてな人生を選んだ。
    息子はゲームセンターばっかり行きたがるし、瞑想の邪魔するし、ポケモンに夢中の普通のアメリカンボーイ、恵まれた境遇を活かしてね!
    奥さん日本人(国連勤務の才媛)。

  • インテルに勤める41歳のアメリカ人の父と8歳の息子の67日間日本縦断自転車旅行記
    妻はニューヨークの国連で勤務する日本人で、他に2歳の娘もいる。
    自転車旅行の過酷さと人々の優しさに触れられ
    随所で日本人も知らない日本の文化や地理、歴史にも触れられる。

    冒険心を掻き立てられ、仕事よりも家族と一緒に過ごすことの有り難みが感じられる。
    ページ数は多いが一気に読める。

  • ある晩、チャールズ.スコットは8歳の息子と日本縦断4000キロの自転車の旅を思いつく。家族で話し合い、体を作り、二人で特に8歳の息子が安全に乗れるような自転車を買って、何度も長いランをし、クビになる恐れも承知し、あらゆるケースに備え準備をする。いざ日本、北海道が出発地点。はじめは、その途方もない見えない怖さに思わず癇癪を起こしがちになる息子に悩まされながらも、子ども側の心境を思い、話し合いを繰り返し、息子ショウは旅の終わりには立派な相棒に成長した。単に観光ではなく日本人である妻のふるさと、日本を歴史、自然、文化とあらゆる角度で旅のコースを選定し、日本の地形による避けられない苦しい山越えも二人で越える。日本人との出会いの旅でもあり、夫婦、親子の成長の旅である。戦争について、アイヌなどの少数民族問題なども触れ、アメリカ人としての感情、アメリカと日本の二つを持つ息子の感情、人としての心情の変化もとても、興味深い。若いお父さんに是非読んでほしい一冊だった。

  • 8歳の息子と日本縦断自転車旅行をしたアメリカ人の旅行記。こう書いてしまうとなんという事もなく聞こえてしまいますが、なかなか面白い!
    天衣無縫な8歳の少年のリアクションに笑わせられ、親子が出会った人々とのふれあいや、様々なアクシデント。ユーモアあふれる語り口を楽しみながら読み進めました。

  • アメリカ人の若い父親が息子と自転車で縦断旅行した紀行文。
    子供は8歳、親と連結した自転車で最後までやり抜きます。
    著者はこの後インテルを退職し、冒険家として様々な国を自転車で旅行する生活をするようになったそうです。

    アメリカ人のフロンティア精神を学ぶ事ができました。

児島修の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×